レーザーディスク対VHD
昭和56年、パイオニアがレーザーディスクを発売した。
レーザーディスクは当初パイオニアしか発売していなかった。
レーザーディスクはパイオニアの商標で、レーザービジョンが規格名だがパイオニアのレーザーディスクしか発売されてないのだから、レーザーディスクが正式名称のようなものになった。
プレーヤーを発売していたのはパイオニアだけだったので、レーザーディスクを見たかったらパイオニアのプレーヤーを買うしか選択肢がなかった。
という事で発売してからしばらくはほとんどの人が様子見だった。
レーザーディスクはビデオディスクだが、ビデオディスクの規格はレーザーディスクだけではない。
ビデオの規格にVHSとベータがあったように、ビデオディスクにはレーザーディスクの他にVHDという規格もあった。
VHDは日本ビクターが開発したビデオディスク、ビデオのVHSに続いてディスクでもビクターだ。
VHDは1社どころではなく、ビクターの他に松下電器や東芝、シャープ、三菱電機など12社が支持。
VHS対ベータなんか可愛い感じで、レーザーディスク1対VHD13の大差な戦いになった。
とはいえソニーや日立はVHD陣営には入らずに静観、レーザーディスク参入の機会を伺ってたのだろう。
レーザーディスクはピカピカのディスクだが、VHDはキャディーに入っているので中身は誰も見た事がない。
ディスクの直径は26センチという事で、レーザーディスクの30センチよりもやや小さい。
ただレーザーディスクは20センチのLDシングルもあったがVHDのサイズは1種類だけだ。
レーザーディスクは標準ディスクと長時間ディスクがあり、トリックプレイが出来たのは標準ディスクのみ。
対してVHDは1種類のみであり、どのディスクでもトリックプレイが出来たのはアドバンテージ。
レーザーディスクがデジタルメモリーで長時間ディスクでのトリックプレイを可能にしたのは発売から5年後。
この頃のVHDは劣勢になっていて、5年間のアドバンテージは生かせなかった。
VHDはレーザーディスクよりも2年遅れて登場、アドバンテージも何もモノがなかったのだ。
VHDの画質は悪くはないが、レーザーディスクは水平解像度が優れている点をアピール。
VHDの水平解像度240本程度に対してレーザーディスクは350本以上だ。
音声も当初はアナログのみだったのがCDと同じデジタル音声を入れVHDと差別化。
結局VHDはレーザーディクスに対して敗れ去る事になった。
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