このブログを検索

2023/05/11

レーザーディスク対VHD

 レーザーディスク対VHD

昭和56年、パイオニアがレーザーディスクを発売した。

レーザーディスクは当初パイオニアしか発売していなかった。

レーザーディスクはパイオニアの商標で、レーザービジョンが規格名だがパイオニアのレーザーディスクしか発売されてないのだから、レーザーディスクが正式名称のようなものになった。

プレーヤーを発売していたのはパイオニアだけだったので、レーザーディスクを見たかったらパイオニアのプレーヤーを買うしか選択肢がなかった。

という事で発売してからしばらくはほとんどの人が様子見だった。

レーザーディスクはビデオディスクだが、ビデオディスクの規格はレーザーディスクだけではない。

ビデオの規格にVHSとベータがあったように、ビデオディスクにはレーザーディスクの他にVHDという規格もあった。

VHDは日本ビクターが開発したビデオディスク、ビデオのVHSに続いてディスクでもビクターだ。

VHDは1社どころではなく、ビクターの他に松下電器や東芝、シャープ、三菱電機など12社が支持。

VHS対ベータなんか可愛い感じで、レーザーディスク1対VHD13の大差な戦いになった。

とはいえソニーや日立はVHD陣営には入らずに静観、レーザーディスク参入の機会を伺ってたのだろう。

レーザーディスクはピカピカのディスクだが、VHDはキャディーに入っているので中身は誰も見た事がない。

ディスクの直径は26センチという事で、レーザーディスクの30センチよりもやや小さい。

ただレーザーディスクは20センチのLDシングルもあったがVHDのサイズは1種類だけだ。

レーザーディスクは標準ディスクと長時間ディスクがあり、トリックプレイが出来たのは標準ディスクのみ。

対してVHDは1種類のみであり、どのディスクでもトリックプレイが出来たのはアドバンテージ。

レーザーディスクがデジタルメモリーで長時間ディスクでのトリックプレイを可能にしたのは発売から5年後。

この頃のVHDは劣勢になっていて、5年間のアドバンテージは生かせなかった。

VHDはレーザーディスクよりも2年遅れて登場、アドバンテージも何もモノがなかったのだ。

VHDの画質は悪くはないが、レーザーディスクは水平解像度が優れている点をアピール。

VHDの水平解像度240本程度に対してレーザーディスクは350本以上だ。

音声も当初はアナログのみだったのがCDと同じデジタル音声を入れVHDと差別化。

結局VHDはレーザーディクスに対して敗れ去る事になった。


〈関連する記事〉

絵の出るレコードレーザーディスク