認知症で何度も同じことを聞いてくる母への対処法



数年前から認知症の症状が現れた母。
いろんな症状があるが、その中の一つに、何度も同じことを聞いてくるというのがある。

「お父さんはどうしたの?」
「死んだんだよ」
「ああ、そう」

1分後。
「お父さんはどうしたの?」
なんだ、また同じことを聞いてきて。
「死んだんだよ」
「ああ、そう」

さらに1分後。
「お父さんはどうしたの?」
さっき答えたばかりなのに。またまた同じことを聞いてきて、イライラするな。
「死んだんだよ」
「ああ、そう」

以下、繰り返し。
こっちが何かしている最中だと、さらにイライラする。

1分後ならまだいいが、1分間の間に何度も聞いてくることもある。
「お父さんはどうしたの?」
「死んだんだよ」
「ああ、そう。お父さんはどうしたの?」
「死んだんだよ」
「ああ、そう。お父さんはどうしたの?」
「死んだんだよ」
「ああ、そう。お父さんは…」

何度も同じことを聞かれるから、イライラする。
こっちも何度も同じことを言わなきゃならないから面倒くさい。

そもそもなぜイライラするかというと、何度も同じことは聞かないものだというこっち側の前提があるからだ。
自分が何か作業していたりして、そちらを優先させたいときなどはさらにイライラする。

ではどうするか。

何度も同じことは聞かないものだではなく、何度も聞いてくるものだというふうに考えを変える。
認知症の人間は、何度も同じことを聞いてくるのだ。
1回質問がきたら、その後何度も同じことを聞いてくるものだと考える。
聞いてくるのが当たり前なのだ。

これまでは、
母「お父さんはどうしたの?」
なんだ、また同じことを聞いてきて。
「死んだんだよ」
それを変える。
これまでは前提が間違っていたのだ。
認知症の人は、何度でも同じことを聞いてくる。

母「お父さんはどうしたの?」
おお、聞いてきた。
前提を思い出そう。
認知症の人は、何度でも同じことを聞いてくる。
まずは1回目。この後何度も聞いてくる。こう心構えをする。
「死んだんだよ」
「ああ、そう」

1分後。
「お父さんはどうしたの?」
認知症の人は、何度でも同じことを聞いてくる。
ほら、聞いてきた。
「死んだんだよ」
この後また聞いてくるはずだ。認知症の人はそういうものなのだ。

さらに1分後。
「お父さんはどうしたの?」
前提通りだ。同じことを何度も聞いてくる。当たり前だ。認知症の人は同じ質問を何度でも繰り返すのだ。
「死んだんだよ」
この後また聞いてくるに違いない。認知症の人はそういうものなのだ。心構えをする。

最初はこの前提を忘れてイライラするが、繰り返すうちに前提が身についていく。
認知症の人は何度でも同じことを聞いてくる。
それが当たり前なのだ。
当たり前のことにイライラしてもしょうがない。
何度も同じことを聞いてくることに関しては、この前提が身についたのか、それほどイライラしなくなった。

とはいえこれは初歩の初歩。認知症としては序の口ぐらいの問題だったのだ。


このブログの人気の投稿

macOS High Sierraをインストール出来た

昭和62年に発売されたソニーのステレオラジカセ

ソニーのステレオラジカセ・ソナホーク

ソニーのステレオラジカセ・ジルバップ

昭和63年に発売されたソニーのステレオラジカセ

平成元年に発売されたソニーのステレオラジカセ

平成5年に発売されたソニーのステレオラジカセ

平成2年に発売されたソニーのステレオラジカセ

昭和61年に発売されたソニーのステレオラジカセ

ソニーのステレオラジカセ・ドデカホーンCFD-DW95