写真は東宝のビデオディスクのカタログ。いつも行っていた電気屋に置かれていた。
ビデオディスクはもちろんDVDではなく、レーザーディスクとVHDだ。
昭和60年
東宝からビデオディスクが発売される。カタログには、
『第1弾は6月21日、人気作品4タイトルを発売。(予約受付けは5月7日〜5月12日)』
と書かれている。
第1弾は「うる星やつら2ビューティフルドリーマー」「ゴジラ」「家族ゲーム」「細雪」の4作品だった。
予約受付は一週間にも満たない、わずか6日間。なんでこんなに短かったのか。
欄外には、
※限定発売ですので予約期間中に申し込まれた場合でも、商品をお渡しできないこともあります。ご容赦下さい。
と書かれている。
限定販売ってのが悩ましい。
買いそびれて仕舞えば、もう二度と手に入らない。
これはもう買うしかない。買うのはいいが、さて問題は、互換性のないレーザーディスクとVHD、どちらにするかだ。
うーん、どうしよう。
ビデオディスク。昭和60年当時はDVDでもブルーレイでもない、レーザーディスクとVHD。
レーザーディスクはパイオニアの商標で、プレーヤーはパイオニアだけが発売していた。
CDが発売される前年の昭和56年に登場。
我が町の電気屋で商品発表会みたいなのがあって、私はそこで初めて見た。
それに対してVHDはビクターが開発し、13社が採用していた。
ディスクは互換性がないのでレーザーディスクはVHDプレーヤーでは見られないし、逆もまた然り。
ビデオはベータとVHSが覇権を争っていたが、ビデオディスクにおいても同様の事が起こったのだ。
LDだけのタイトルがあったり、VHDだけのタイトルがあったりしたが、東宝みたいに両方出す会社も多かった。アナハイム・エレクトロニクスもエヴーゴ、ティターンズ両方にモビルスーツを納入していたし、どちらかがポシャってもどちらかが生き残ればそれでいい、そんな感じだ。
さて、この東宝から出るビデオディスク、私が欲しかったのは「ゴジラ」
定価は1枚9,500円。
ビデオ(ベータとVHS)も出ていたがこちらは13,800円だった。
買ってコレクションするならディスクだろう。そう決めていた。
だが、色々コレクションしたくても、そうそう何枚も買える値段ではない。
自分の選んだ規格がダメになってしまったらどうするか。
今回は限定発売なので、LDとVHDの決着がつく前に売り切れてしまうだろう。
さて、どうするか。
なーんて、実はあまり迷わずにレーザーディスクに決めた。
レーザーっていうのがなんとも未来的でカッコよく思えたのだ。
映像もVHDより良いっぽいし。
ただし、レーザーディスクを再生するプレーヤーは持ってなかったのだが。