このブログを検索

2017/05/29

ソニーのステレオラジカセ・サースリー


昭和54年 SirIII発売


操作機構にフェザータッチのロジカルコントロールシステムを採用し、メカニカルな感覚でまとめられた当時の高級機。コントロールパネルは収納可能なシールドパネル構造で、デジタルチューナー・クロックタイマー機能を持つ液晶ディスプレイとドルビーNRシステムを当時初めて内蔵しました。スピーカーの存在を主張した従来のモデルと差別化を図るかのように、パンチングのウーファー、グリル状のツイーターなど革新的なスタイリングとなっています。

ソニーのホームページから引用。 →ソニーのサースリーのページ


XYZ(ジィーゼット)に続きソニーのイチオシ機種の座に躍り出たラジカセがCFS-D7「Sir III サースリー」
サーはイエッサーとかアイアイサーのサー。
カタログには、
「Sirとはイギリスの貴族の送られる称号」
と書かれていて、他のラジカセとは身分が違うと主張している。
定価は79,800円。

中学生だった私は親にねだって買ってもらうことになった。
ついに、あこがれのラジカセを手に入れるのだ。
ラジカセを買いに、チラシが入ってきた電気屋に父と一緒に行った。
買う機種はSir IIIに決めていたが、店員や父に勧められて他社のラジカセと色々聞き比べた。
ナショナルやパイオニア、日立…。
音を聞けば他の機種はSir IIIよりもいい音に思えた。
音は結局は好みなの問題だが、Sir IIIはなんだか音が暗かった。
一緒にいた親父も「こっちの方がいい音だ」なんて言ってナショナルのラジカセを褒め、店員もソニーを売りたくないのか他を勧める。
でも、私はSir IIIにした。
音がちょっと気に入らなくても、なんてったってカッコイイ。

Sirと呼ばれる為の3つの条件

SirIIIのIIIの部分の由来。まず第1が、

「フェザータッチ採用のロジカルコントロール」(カタログより)

再生や停止、早送りや巻き戻しのボタン。
これが一番操作するボタンだ。
そのボタンが軽く触れるだけでいいフェザータッチオペレーションになった。
軽く触れるとガチャンと機械音がして作動する。
この感触がよかった。

Sirと呼ばれる為の3つの条件。第2が、

「液晶デジタル表示とタイマー機能」(カタログより)

デジタル時計がついていた。これでタイマー操作ができる。毎朝めざまし時計として使った。
ラジオも周波数をデジタル表示した。
そして何より留守録音ができた。
平日の昼間、NHKFMで「昼の歌謡曲」という番組を放送していた。
週によって特集が組まれた。例えばニューミュージック特集の週であれば月曜日はオフコース、火曜日はツイストというように一週間ニューミュージックの音楽が流された。聴きたかったが当時は昼は中学校に行っている。
それが、Sir IIIにはタイマーがついていた。録音開始時間PM12:15と設定すれば、昼の歌謡曲は45分番組だったので、45分テープを使えばすっかり録音出来たのだ。

Sirと呼ばれる為の3つの条件。第3が、

「専用プレーヤーとのとーあるシンクロ」(カタログより)

専用レコードプレーヤー(44,800円)とのシンクロができるというもの。プレーヤーで再生を始めるとSirIIIで録音がスタートするのだ。このプレーヤーは買わなかったので使ったことはない。使ったとしても、大した機能ではない気がするが。1つ目と2つ目はけっこういいと思うのだが、もうすこしましなSirはなかったか。

SirIIIの画像

ヤフオクに出そうと思って箱詰めしていたが、面倒くさくて未だに出品せず。出品する代わりに、ここで写真で公開。SirIIIの入っている箱。


SirIIIを取り出す。両方に発泡スチロール。


正面から見たSirIII。



後ろから見たSirIII。

上から見たSirIII。ボリュームなんかはジィーゼットの直線的なツマミを継承。


レベルメーターは左右独立11連のLED。電源は未だに入る。ジルバップやXYZのレベルメーターは針だった。


「フェザータッチ採用のロジカルコントロール」これがないとSirとは呼ばれない。


取扱説明書。全36ページ。


主な仕様

大きさ 幅498×高さ274×奥行146mm
重さ 8kg
実用最大出力 4W(2W+2W)
スピーカー 12cmウーファー、5cmツィーターの2ウェイ×2
周波数特性 50〜13,000Hz(CrO2/FeCr)
ワウフラッター 0.09% WRMS


〈関連する記事〉

コズミログ・ステレオラジカセ目次