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2020/05/19

東芝のステレオラジカセ・ボムビートアドレス

東芝のステレオラジカセ・ボムビートアドレス

カセットテープの雑音を防ぐドルビーBノイズリダクション。
ちょっと高めのラジカセには、このドルビーBがチラホラと採用されていた。
東芝のステレオラジカセでも、ドルビーを搭載したボムビートD1がある。
さらにノイズの低減を目指したノイズリダクションシステムがゾロゾロと現れた。
dbx、スーパーD、スーパーANRS、ハイコムなどなど。
dbxが少し頑張ったが、結局はほとんどがドルビーCに集約された。
そんなノイズリダクションシステムの中で、東芝が開発したのがアドレスだ。

アドレスは単独でも発売されたが、結構なお値段だ。
カセットデッキが1台買えてしまう。
東芝のオーディオのブランド、オーレックスのカセットデッキに搭載されたが、その内にステレオラジカセにも搭載された。
その初アドレス搭載機がボムビートアドレスなのだ。

昭和55年。
RT-S90
99,800円。

もちろん一番の特徴は名前にもあるアドレス(Automatic Dynamic Range Expantion System)。
雑音をほとんど消してくれるノイズリダクションだ。
私は実際にボムビートアドレスの音を聞いた事はないので、効果の程は分からない。
ボムビートアドレスのレベルメーターは針式。
この頃はLEDも多くなっていたが、ボムビートアドレスはあえて(?)の針式。
これがいい味を出している。
緑がかった照明に浮かび上がる針。
カッコいいなあ。
ボムビートは初代のボムビート11から低ワウフラッターを自慢していたが、本機種は0.04(WRMS)を達成。
周波数特性もメタルテープで20Hz~17KHz。
カセットデッキに迫るか、それとも同等か、かなりな高性能だ。

テープの頭出しは10曲のMQJS、スピーカーは18cm+5cmの2ウェイ4スピーカーで出力は10W+10Wの20W、値段もボムビート史上最高の99,800円だが納得だ。
ラジカセに10万円近くは高いとは感じるが、当時の最高機種はこの辺が相場だったのだ。

レイアウトは上面のスイッチを無くして前面に集約している、ボムビートの高め設定のデザインだ。
ボムビートアドレスの型番はRT-S90。
従来の4桁の数字から、RT-の後にSがつき数字2桁になった。
これ以降は前面にスイッチがデフォルトだ。

アドレスを搭載したボムビートはこれ以降発売されなかった。
だがボムビートに搭載されなかっただけで、後年発売されたマッケンジーに搭載された。

■幅600x高さ350x奥行160mm
■重量:9.1kg

(画像はすべて東芝のカタログから)


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