私が小学生の頃ヨーヨーが流行った。
昭和50年頃だ。
当時はヨーヨー、ヨーヨーと言っていたが、正確にはラッセルヨーヨーというのだ。
それまでのヨーヨーは下に行けば戻ってくるのだが、これはしばらく戻って来ない。戻って来ない間に様々な技を繰り出すのだ。
ラッセルヨーヨーテクニック虎の巻、シニア編。
ジュニア編の続きだ。
『三日月』『ポケット入れ』『アポロ』『東京タワー』『星』『自転車』『二刀流』…。
様々な技が載っているが、私が出来るのはひとつもない。
ラッセルヨーヨーはコカコーラが出していたヨーヨー。
コカコーラとヨーヨー、何の関係もないようだが、何か関係があったのだろうか。
ヨーヨーはコーラを売っている店で買えた。
コカコーラが発売しているくらいだからな。
高いやつ、中ぐらいのやつ、安いやつの3種類があった。
高いやつは『スーパー』で350円、中ぐらいのやつは『プロフェッショナル』で250円、安いやつは『ビギナー』で150円だったかな。
スーパーにはコカコーラ、プロフェッショナルにはファンタ、ビギナーにはスプライトのロゴが書かれていた。HI-Cが書かれていたのもあった気がする。
私はスーパーを買った。高いだけあってこれが一番カッコいいし、ズシッと重かった。
友達がやってみるのを見て欲しくなるパターンだ。
ヨーヨーのチャンピオンが日本各地を回ってきて大会を開く。
当時住んでいた町にもやってきた。
大会に出られるのはプロフェッショナル以上のヨーヨーを持っている人のみ。
安いのを持っていても大会には出られないのだ。
私も友達といっしょにエントリーしたが、予選の『犬の散歩』が上手く出来ずに予選落ちした。
普段から上手く出来なかったのだから、予選に出ても出来ないのは当然だった。
普段から出来ないのには理由があって、ヨーヨーのヒモは使っていくうちに劣化する。
替えのヒモもあるのだが有料。
それほど高いわけではなかったはずだが(何十円か)、そう頻繁には買えず、切れそうになったヒモでおっかなびっくり練習していたからだった。
まあ、元々不器用だったからヒモはあんまり関係ないかもしれない。
ちょっと力を入れないと急回転しないのでエイヤッって力を込めたらヒモが切れた事もあった。ヨーヨーがガゴン、ゴゴゴゴと転がっていった。結構ヒモが切れて危ない目にあった人もいるんではなかろうか。
外人のチャンピオンが来るというが、ここには普通のお兄ちゃんがやってきた記憶がある。
ちょっとヨーヨーがうまいアルバイトだったのだろうか。
それとも単に記憶違いで、普通のお兄ちゃんはアシスタントで、外人のチャンピオンは別にいたっけか。