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2019/03/14

ソニーのビデオデッキ・ベータマックスF11

ソニーのベータマックスF11




ベータ陣営とVHS陣営が激しくシャア争いをしていた昭和50年代後半。
ソニーから薄くて(高さ8センチ)カッコいいベータマックスが発売された。
それがベータマックスF11。その弟機F7もあった。

F11の定価は278,000円。
我が家にやってきた初のビデオデッキだ。
愛称はVIDEO PROFEEL。
PROFEELはソニーのトリニトロンモニターの愛称だった。
スマートでカッコイイPROFEELのビデオ版がF11なのだ。
デザインは精錬されていて一発で気に入った。

薄型で高さは8センチ。それまでのベータマックスJシリーズは、トップフローディング式で分厚かった。
F11は正面からテープを入れるフロントローディング式だった。
初代プレイステーションのように上から入れる形ではなくて、正面から入れるプレイステーション3みたいな形になったのだ。
その結果、この機種以前で録画したテープをこの機種で再生すると冒頭の40秒ぐらいが再生出来なかった。
薄型にしたデザインと引き換えに、若干の互換性を犠牲にしたのだ。
β1の録画機能を早々に無くしたソニーだから当然だ。

さて、設置の日。
当時私は高校生だった。
夕方の再放送の時間枠ではペリーヌ物語をやっていた。
我が家では世界名作劇場というのを見ていなかった。
アルプスの少女ハイジもフランダースの犬もテレビの特番なんかで見る映像しか知らない。
その流れが変わったのが、姉が見始めた赤毛のアン。
空想(妄想?)少女アンの日常を淡々と書いた作品だったが、それから日曜午後7時半からは世界名作劇場を見る習慣ができたのだ。
それ以前の作品は見たことがなかったので、再放送で見始めた。
夏休み中はペリーヌ物語を毎日見ていたのだが、いざ最終回の日。
この日のちょうどペリーヌ物語の再放送の時間に、電気屋のオヤジがビデオの設置に来たのだ。
設置は任せっきりだったので、早く終われとこっちは気が気ではない。
ペリーヌ物語が終わってしまうではないか。
ようやくビデオ設置の作業が終わったのは5時23分頃。
終了間際の時間だ。
テレビをつけてチャンネルを合わせると、映し出された画面ではペリーヌが「あたし幸せよー」とか叫んでいた。

VHSに押されたベータ陣営、結局ソニーもVHSを出すことになった。だけど、テレビ番組を録画して再生するだけなら何の問題もなかった。
でもレンタルビデオでは問題だった。
ビデオレンタルショップでも、VHSが当たり前で、ベータもありますと張り紙がしてあったりしたが、そのうちにベータの取扱はなくなってしまった。

ビデオの値段は安くても10万円、最高機種だと30万円近くした。そうそう買い換えるわけにもいかず、F11は長いこと現役を保ったのだ。
(画像はソニーのカタログから)


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