このブログを検索

2021/05/13

【映画の感想】美女と液体人間

 美女と液体人間(昭和33年公開)

本作は変身人間シリーズの第1作という事だ。

昭和29年に「透明人間」が公開されたが、透明人間は変身人間シリーズには入っていない。

何で?

変身人間シリーズはこの後「電送人間」「ガス人間第1号」と続く。

好評だったのだな。

今回は美女とタイトルに入っているが、美女は変身はしない。

映画は冒頭でいきなり核爆発。

どこかの国の核実験だ。

この核実験の影響で生まれたのがタイトルの液体人間。

理屈はわからないが、放射能を浴びると液体人間になるのだ。

雨の日に男が車に轢かれた、と思ったら服だけ残して消えてしまった。

最初の方はSFっぽさはないが、キャバレーに現れた科学者登場でSFっぽさを出し始める。

カエルに放射線を浴びせて、液体ガエルにする実験も出てくる。

液体人間が何で東京に来たのか疑問だが、意志はあるようなので何らかの理由はあったのだろう。

液体人間は移動するときは液体というよりスライムのようになる。

スライムから人型になると、いかにも特撮って感じになって不気味でいい。

だがタイトルに出ている割には液体人間の登場シーンは短い。

その代わり、美女の方の出番は多い。

美女=白川由美だ。

液体人間を見ているよりも、彼女を見ていた方がそりゃ楽しいよ。

液体人間に襲われた人間は溶けてしまう。

襲われた人間も液体人間になるのかと思ったが、そうではないのかな。

襲った人間を液体人間にするかどうかは液体人間の意志で決定されているのか。

最後には二人になっているし。

キャバレーが度々出てくるが、大人の社交場という感じでいいな。

警察陣営や悪巧み陣営が入り乱れている。

誘拐された美女を追っかけるタクシー。

カーチェイスになったが、現在の映画のようなスピード感はない。

緊迫感を出そうとはしているのだろうが、何となくほのぼのとしたカーチェイスだ。

当時の東京の風景が見る事が出来て楽しい。

クライマックスは下水道にガソリンを撒いての液体人間退治。

液体なので火には弱いだろうという推察からだ。

ガソリンを積んだタンクローリーには三菱スーパーガソリンの文字。

燃え盛る下水道。

最後はずっと下着姿の白川由美。

クライマックスだからサービスだ。

液体人間が退治されたとは明確にはわからない。

火が弱点では無い可能性もあるからな。

核戦争で滅亡した人類に代わって液体人間が世界を支配するかもというナレーションで終了する。

この頃はこのままだと人類は核兵器で絶滅するという雰囲気だったのだろうか。

〈関連する記事〉

【映画の感想】透明人間