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2021/05/20

【映画の感想】電送人間

 電送人間(昭和35年公開)

「美女と液体人間」に続く変身人間シリーズ第2弾がこの電送人間。

第3弾の「ガス人間第1号」も昭和35年の公開なので、この年はシリーズが2本公開された事になる。

人気があったのだ。


映画はおばけ屋敷の場面から始まる。

これまでの○○人間の定番、○○人間が車に轢かれて…、ではなく殺人事件。

おばけ屋敷の中で、この場所に呼び出された男が殺されたのだ。

目撃者は多数いたのだが、全然役に立たない。

犯人の代わりに現れたのは鶴田浩二。

文芸部なのになぜか事件を追う事になる。

事件を担当する警部と学生時代に同級生だったという事だが、折角の鶴田浩二が活かせてないな、モッタイナイ。


「美女と液体人間」同様に悪役が経営するキャバレーが登場するが、今回はキャバレー大本営。

従業員は軍服、女の子はセーラー服。

酒の名前も焼夷弾やミサイル。

当時はこんな店が何軒もあったのだろうか。

ダンサーが金粉ショーを上演している。

このキャバレーに、冒頭で男を殺した電送人間が現れる。

電送人間はかつて銃で撃たれダイナマイトで吹き飛ばされたと思われていた須藤兵長。

須藤兵長役の中丸忠雄が不気味でいい、というか怖い。

無表情で無機的だ。

最後の方でこの顔はマスクで、下から傷だらけの顔が出てくる。

マスクだったので無表情だったのだ。

タイトルも電送人間だし、鶴田浩二よりもこっちが完全に主役っぽい。


中丸が電送機を使ってテレポーテーションするのだが、自分が現れる場所にも電送機がないと出来ない。

なので、中丸が殺したい相手の場所に行くには、相手の場所にも電送機を用意する必要がある。

これがちょっと大変な作業になる。

殺したからといってハイ、サヨウナラとはならず、電送機の場所まで行かなければならない。

懸命に走って移動し、自分が電送し終えた後は燃やして処分したりと、中々大変だ。

警察もそんな電送機の弱点を突けばいいのに、中丸の復讐を遂げさせてしまう。

なんか走り回っているだけで、さっぱり役に立たないな。


電送人間は、これまでの透明人間や液体人間とは違い、普通の人間。

電送される時だけ普通ではなくなるのだろうが、実体化した後は普通の人間だ。

なので殺したり走ったりするのは普通のハズ。

そんな普通の人間に振り回される悪役連中も警察も無能過ぎないか。

ただ電送中でなくても中丸の体が光ったりするので、実際は普通ではなかったのかもしれない。

今回も白川由美が登場するが、役柄としては重要でも何でもない役。

もうちょっとストーリーに関連づけて欲しかった。

まあ、出ているだけで華やかになるからいいのか。

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