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2022/02/11

ソニーのカセットデッキ・TC-FX7その2

 ソニーのカセットデッキ・TC-FX7その2

ソニーは昭和55年、型番がTC-FX○○のデジックデッキを発売した。

それまでのTC-K○○シリーズは正統的、音質重視、大人向けって感じだが、デジックデッキは先進的、機能的、若者向けって感じ。

クラシックからいきなりポップスに変わったような雰囲気だ。

TC-FX6、59,800円。

TC-FX5、49,800円。

TC-FX4、43,800円。

この3機種は基本的なデザインが一緒で、値段が安くなるに従って機能も減っていく。

各メーカーが一番競う598はTC-FX6、性能とデザインが上手くバランスした製品だと思う。

これらの3機種とは明らかに違う上位機種がTC-FX7、定価79,800円。

パネル高7センチ(高さ8センチ)という、正立透視型としては限界?のカセットデッキだ。

なんたってカセットハーフが約64ミリというのだから、驚異的ではある。

TC-FX5やFX4の操作スイッチはテープの横にあるのに対して、TC-FX7はテープホルダーの前だ。

なのでイジェクトボタンを押すと操作スイッチも一緒に動く。

高さが8センチ(パネル高7センチ)という関係で、ここにしか設定出来なかったのだろう。

一列に並んだ操作スイッチは軽く触れるだけのフェザータッチ。

それまでのKシリーズのボタンはちょっとだけ押すって感覚があったけど、これはホントに触れるだけって感じだ。

テープカウンターは電子表示。

それまでのメカニカルなカウンターではなくなってカッコいい。

実際には時計ではないので、あくまでも時間表示は目安だ。

下位機種のTC-FX6についているAMSはついてない。

AMSはオートマチックミュージックセンサーの略。

テープの頭出しは各社が勝手な名称で呼んでいるが、テープの無録音部分を検知して頭出しをするものだ。

あればあったで便利だが、なくてもそんなに困らない。

ボリューム調整はスライド式。

この頃のデザインは丸っこいボリュームつまみを無くそうとしていたのだが、スライド式だと埃がたまるのが困る。

薄型にしたからか、ヘッドは2ヘッド。

79,800円という価格的に3ヘッドでもおかしくはない。

周波数特性もワウフラッターも798にしてはちと悪い。


先代の798、同じ79,800円のTC-K71の主な仕様は、

ヘッド:消去1、録再1、再生1

SN比:60db(ドルビーOFF、ピークレベル、DUADカセット)

周波数特性:20~20,000Hz(METALLICカセット)

ワウフラッター:0.04%WRMS

ひずみ率:0.8%(DUADカセット)

大きさ:430(幅)x130(高さ)x290(奥行)mm

重さ:約5.6kg

対してTC-FX7の主な仕様は、

ヘッド:消去1、録再1

SN比:59db(ドルビーOFF、ピークレベル、DUADカセット)

周波数特性:20~19,000Hz(METALLICカセット)

ワウフラッター:0.05%WRMS

ひずみ率:0.9%(DUADカセット)

大きさ:430(幅)x80(高さ)x340(奥行)mm

重さ:約6.5kg

という事で、カタログスペックではK71の方がいい。

とはいえ私では聞いて違いはわからないだろう。

当時の雑誌の評価なんかも悪くはなかったから、798なりの音は出したのだろう。

TC-FX6やFX5にはドルビーCを搭載したFX6C、FX5Cが出たのだが、FX7Cは発売されず。

どうしてだ?

入れるスペースがなかったのか?

昭和56年にはTC-FX77が発売されたが定価は798ではなく69,800円。

外観も普通のカセットデッキ。

デザイン最優先のFX7の後継機は出なかったのだ。


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