ヘドラはかなり強い
公害怪獣ヘドラは昭和46年公開の映画『ゴジラ対ヘドラ』に登場。
昭和ゴジラシリーズで敵怪獣が単体で登場するのはアンギラス(ゴジラの逆襲)、キングコング(キングコング対ゴジラ)、メカゴジラ(ゴジラ対メカゴジラ)、そしてヘドラの4体だけだ。
昭和40年生まれの私にとって、ゴジラ映画は前年の『オール怪獣大進撃』やこの『ゴジラ対ヘドラ』辺りが原体験。
ヘドラは身長60メートル、体重4万8千トン。
対するゴジラは身長50メートル、体重2万トン。
体格ではヘドラが勝っている。
『ゴジラ対ヘドラ』が公開されたのは昭和46年、この頃は公害が社会問題だった。
テレビヒーロー『スペクトルマン』では怪獣が公害を元に生み出されていたし主人公がいた組織は公害Gメンだ。
第1話と2話に登場した怪獣ヘドロンなんてネーミングもヘドラに近い。
どちらもヘドロから生まれた怪獣だ。
ゴジラ映画に公害問題が反映されたのが『ゴジラ対ヘドラ』。
宇宙から飛んで来たオタマジャクシのような生物が巨大化したのがヘドラだ。
この公害怪獣ヘドラによる被害が凄まじい。
1000万人を超える犠牲者というから、ゴジラ映画の中ではイチバンではないだろうか。
空を飛んだだけで公害を撒き散らし人間はガイコツになるのだ。
柴俊夫が登場、松明持って戦うがあっけなく死亡。やはりヘドラは強かった。
ゴジラとの戦いでは、ゴジラの左目を潰し、ゴジラのパンチはヘドラにめり込んで溶け白骨化する。
原爆でも死なないゴジラがかなり苦戦したのだ。
そりゃ空でも飛ばないと勝てないな。
『ゴジラ対ヘドラ』の次作は昭和47年公開の『ゴジラ対ガイガン』。
ガイガンの相棒にキングギドラが登場したが、キングギドラの代わりにヘドラを出したらどうだったろう。
キングギドラは人気もあり知名度はバツグンかもしれないが、ヘドラだって前年に公開されたばかりだし公害問題だって解決したわけではない。
ヘドラはもう1匹いるようなので、登場しても不思議はない。
だが出番はなく、2代目ヘドラが登場したのは実に33年後の平成14年公開『ゴジラファイナルウォーズ』においてだ。
身長120メートル、体重7万トンとかなり大型化したヘドラだったが、コチラのヘドラはサッパリ強くなかった。
ゴジラの放射熱線で簡単に吹き飛ばされ、ガッカリだ。
『ゴジラ対ヘドラ』の後に続編が出来ていたら、どんな作品になっただろうか、考えてみた。
・『キングコング対ゴジラ』の後に出来た『キングコングの逆襲』のように、『ヘドラの逆襲』
・メカ化したヘドラとゴジラが戦う『ゴジラ対メカヘドラ』
・東宝つながりでドラえもんと合体、『へドラえもん のび太の怪獣』
・リドリー・スコット監督『ブレードヘドランナー』
・仮面ライダーシリーズの一つ『仮面ヘドライダー』
・小説が原作の『ヘドラ、また出たってよ』
・歌を歌うミュージカル映画『ヘドラアンドカプリシャス』
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