8ミリビデオの良かった点
ベータマックス、VHSに続いて発売されたのが8ミリビデオ。
世界127社のビデオ統一規格として日本では昭和60年に発売されたが、市場にはもうベータとVHSが出回っている。
消費者にとってはあくまで3番目の規格だった。
メーカーもベータやVHSを止めて8ミリだけにすればホントに統一規格になったのだろうが、まあそうはならず。
それでも8ミリビデオはベータやVHSの後に出来た規格なので、両方のいいとこ取りみたいな規格になった。
そんな8ミリビデオの良かった点は何だろうか。
テープがコンパクト
8ミリビデオのテープはベータやVHSに比べるとテープが格段に小さい。
カセットテープと同じくらいだ。
コレでキチンと2時間録画出来る。
VHSのテープの大きさは188×104×25mm、VHSより小さいベータでも156×96×25mm。
それに対して8ミリビデオは95×62.5×15mm。
当時のソニーの宣伝でも、体積比で5分の1ですよとコンパクトさを一つのセールスポイントにしていた。
それまでコンパクトさを売り物にしていたベータに対しても約4分の1。
小さいという事でテープも軽い。
VHSのテープは200グラム以上あるが、8ミリビデオのテープは40グラムもない。
小さくなったものだが、コンパクトさでかなわなくなったベータはハイバンドで高画質化に走る。
8ミリビデオの出発点はビデオカメラ一体型。
なのでテープは小さい方が小型化出来るのだ。
テープがコンパクトなら保存場所も少なくて済むし。
音声がいい。
ベータやVHSは途中からハイファイ音声が付け足されたが、8ミリビデオは最初から音がイイ。
モノラルとはいえベータハイファイと同じAFM方式なのだ。
オプション規格でPCMデジタルステレオもあった。
途中からAFM方式もステレオになったので、PCM音声は搭載されなくなった。
フライングイレースヘッド
録画した後に次の映像を足すと、つなぎ目にノイズが発生する。
せっかくテレビ番組をCMカットして保存してても、このノイズは気になったのものだ。
ノイズを解消したのがフライングイレースヘッド。
これでつなぎ録りがキレイに出来るようになった。
ベータやVHSでも搭載されている機種が発売されたが、8ミリビデオでは最初から装備されていた。
テープのツメがスライド式
録画したテープを上書きしてしまわないように、ベータにもVHSにもテープに爪が付いていた。
これを折ると録画出来なくなるのだ。
でも気が変わりもう保存しなくていいという時はセロテープでその穴を塞いでいた。
なんかそれってスマートじゃない。
8ミリビデオでは、そんな爪がスライド式になっている。
トラッキングなし
レンタルビデオを借りてくると、うまく見れない事がある。
トラッキングがあってないのだ。
そんな時はトラッキングを調整するのだが、8ミリビデオには調整するスイッチがない。
自動でトラッキングを合わせてくれるのだ。
ベータやVHSよりもいいところが多い8ミリビデオ。
既存のビデオとの互換性こそなかったが、カメラ一体型ではVHSとの競争に勝利したのだ。