SLV-R7
平成元年発売。
185,000円(税別)
この年に消費税が導入されたので、価格に3パーセントの税金がかかるようになった。
VHSの高画質化を図ったS-VHS。
ベータはハイバンド、スーパーハイバンドベータ1sとチマチマ高画質化を図っていたが、ベータに対して一気に逆転したのがスーパーVHS。
ハイバンドはハイファイ化して劣化した画質の穴埋め、スーパーハイバンドはベータ1sだけと中途半端なベータに対し、逆転してベータを抜き去ったのだ。
ベータ派だった私はハイバンド、スーパーハイバンドと進化するベータに心踊ったが、ここでVHSに逆転されて面白くない。
対抗してソニーはEDベータを開発した。
スペックではソニーが開発したEDベータの方が上だったが、VHSに参入したソニーはS-VHSも発売開始した。
ソニーが発売したS-VHS機第1号機がSLV-R7だ。
メカデッキを中央に配置してビデオテープを真ん中に入れるコア・シップメカ。
カセットデッキも中央にテープを入れるデザインになったので、そのデザインを取り入れたのだろうか。
まずはベータマックスに取り入れて欲しいものだが、まあ優先するのはVHSか。
コア・シップメカはジッター成分を軽減するという。
ジッターにはツインテープスタビライザーとデジタルTBC回路を搭載、コッチの効き目の方がスゴそうだ。
両端にはサイドウッドが付属。
別売りではないのだ。
左上に電源ボタンとイジェクトボタン。それ以外のスイッチは右と左のパネル下にある。
操作系ではジョグ/シャトル搭載。本体の右側のパネルを開けると出現、リモコンにもついている。
ベータプロのようにジョグシャトルをアピールするようなデザインではないのだ。
つなぎ撮りをキレイにするフライングイレースヘッドを搭載、これはもう当然の機能のようだ。
ソニーのVHS機の特徴、マッハドライブはS-VHSのSLV-R7でもしっかり搭載されている。
巻き戻しや早送りをベータと同じフルローディング方式にして再生画を素早く出す、AIオートトラッキングなど。
ベータの中では画質の良さを誇ったソニーだが、SLV-R7は他社のS-VHS機と比べて特段優れているわけではなかった。
まあ劣っているわけでもなく十分及第点なのだろうが、ベータの盟主だった意地を見せて頭一つ抜け出た画質を見せて欲しかった。
主な仕様
●フォーマット:S-VHS/VHS
●大きさ:幅470x高さ115.5x奥行411mm
●重さ:約11kg
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