宇宙大怪獣ドゴラ
昭和39年8月公開
東宝の宇宙大怪獣といえばキングギドラがいるが、キングギドラは単体で出演した映画はない。
キングギドラの登場する映画には必ずゴジラも登場した。
というかゴジラ映画にキングギドラが登場したのだ。
キングギドラは昭和39年12月公開の『三大怪獣 地球最大の決戦』で初登場。
同じ昭和39年にもう一匹、宇宙怪獣が登場。
8月公開の『宇宙怪獣ドゴラ』に登場のドゴラだ。
同じ宇宙怪獣でも、キングギドラと違ってドゴラは主役。
『宇宙怪獣ドゴラ』も東宝映画なのだが、この映画にゴジラは登場しない。
まあゴジラが出てきて、ゴジラ対ドゴラでも面白かった気はする。
何せドゴラの登場シーンが少ないので、怪獣を目当てに映画を見に行った子は欲求不満になるからだ。
ドゴラの出番が少なくても、ゴジラが出てくれば子供たちは満足しただろう。
単体で主役だったラドンやモスラはゴジラ映画にも登場したが、ドゴラの出演はこの作品だけになる。
映画のポスターを見れば、ドゴラは既存の怪獣とは異なりクラゲっぽいカタチなので、なんとなく宇宙生物っぽい。
このドゴラが暴れているポスター、中々の迫力で期待が高まる。
期待十分なんだけれども、パッケージ詐欺的な匂いも感じる。
今ならこのポスターのクォリティでドゴラを作れるんだろう。
まあ、ポスターを忘れて劇中のドゴラだけを見れば中々の出来だとは思う。
メインの登場は九州の炭鉱現場。
その上空に現れたドゴラ。
空を見上げれば海中のタコのような動きをする怪獣がいたら驚いて腰を抜かす。
煙突を吸い上げたり橋を持ち上げたりして暴れるドゴラ。
このあたりがドゴラの最大の見せ場だ。
最後の方は小さくなったドゴラしか出てこなくて残念。
小さくなったといっても巨大な時の姿のまま小さくなったのではないのだ。
こいつらが合体してまたデカくなって暴れるのがクライマックスだったら、もっと人気が出ただろう。
コレまでの怪獣映画だったらメインはこのドゴラと人類との戦いだが、この映画では国際ダイヤモンド強盗団が加わった。
なんせドゴラの出番が少ないので、こうやって時間を稼いでいるのだ。
変なナゾの外国人も出てくる。
強盗団を裏切る女も出てくる。
色んな人物が出てくるが、肝心のドゴラがあんまり出てこない不満は解消されない。
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