VHD
レーザーディスクのライバルだったVHD.
VHSを開発した日本ビクターのビデオディスク規格だ。
レーザーディスクとの規格争いに負けて消えていったが、VHDにはVHDの良さがあった。
画質がよかった
レーザーディスクの水平解像度400本に比べると見劣りするがそれは標準ディスク。
レーザーディスクの大部分を占める長時間ディスクだと水平解像度は330本程度に下がり、VHDの240本程度との差が縮まる。
水平解像度だけで画質は決まらないし、VHDの色はキレイでレーザーディスクにも見劣りしない。
当時のテレビ放送は高画質ではなかったし、UHFの画質はさらによくなかったし、電波状態によってゴーストが出たりした。
そんなテレビ放送に比べればVHDは画質がよかったのだ。
保護されているディスク
ピカピカでむき出しのレーザーディスクとは違いVHDはキャディーに入っていてディスクが見えない。
キチンと保護されていた。
なので指紋やホコリに強かったのだ。
レーザーディスクでは記録面を触らないように両端を持ったが、時折接着剤が乾いてないのかベタつく事もあった(レーザーディスクはA面のディスクとB面のディスクを貼り合わせて1枚にしていた)。
ミニディスクやUMD、MOやブルーレイの初期型録画ディスクなどカートリッジに入ったディスクは取り扱いが楽なのだ。
規格の賛同会社数
レーザーディスクは当初パイオニアの1社に対しVHDは13社。
ウィキペディアには、
『松下電器はVISC方式を放棄することとVHD方式を採用することを発表。松下グループでのビデオディスクの統一が行われた。次いで同年9月には東京芝浦電気(現・東芝)をVHD陣営に引き込む。これをきっかけに、三洋電機、シャープ、三菱電機、赤井電機、オーディオテクニカ、山水電気、ゼネラル(現・富士通ゼネラル)、トリオ(現・JVCケンウッド)、日本楽器製造(現・ヤマハ)、日本電気ホームエレクトロニクスの日本の11社、日本国外のメーカーはアメリカのゼネラル・エレクトリック (GE)、イギリスのソーンEMI(英語版)が参入した。』
と出ている。
同じ1社でもナショナルや日立だったならまだしも、パイオニアだったから不安はあった。
映画『怪獣総進撃』ではキングギドラ対10匹近くの怪獣たちだったが、これがキングギドラではなくマンダだったらすぐに映画は終了だ。
1匹の立場の者は強くないと多数相手では不安があるし、やはり参入する企業が多いと安心感はある。
トリックプレイ
レーザーディスクには標準ディスク(CAV)と長時間ディスク(CLV)があったが、静止やコマ送りなどができるのはCAVのみ。
対してVHDは全部がCAVだったので、どのディスクでもトリックプレイが可能だった。
アニメのモブシーンをコマ送りで再生して隠れていたキャラを探すなんて事がレーザーディスクだと限られたディスクでしか出来なかった。
レーザーディスクでもデジタルメモリーを使って長時間ディスクでもトリックプレイが可能になったが、VHDは最初から出来たのだ。
立体映像
3D対応のプレーヤーとディスクがあった。
これを使うと立体映像が楽しめるというもの。
立体映像は周期的に流行るようで、この頃はファミコンやセガマークⅢでも立体映像のゲームがあった。
3D用のメガネをかけるのは今も一緒だ。
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