RX-CD70
昭和61年
99,800円
ナショナルのCD搭載ラジカセ1号機、CDerシーダ。
昭和57年にCD(コンパクトディスク)が登場した。
CDはご存知ソニーとオランダのフィリップスが初めての共同作業で開発した規格。
コンパクトの名の通り、それまでのLPレコードの30センチから12センチへと大幅に小型化した。
これはシングルレコードの17センチよりも小さく、CDシングルなんてさらに小さくてたったの8センチだ。
CDを再生するにはCDプレーヤーが必要だが、発売当初はミニコンポサイズかコンポサイズ。
それから2年後の昭和59年にソニーがポータブルCDプレーヤーD-50を出してようやく小型化、低価格化した。
ラジカセの本質は合体した一体型、テープレコーダーとラジオ、アンプ、スピーカーが合体したのがラジカセだ。
そこに新たな音源を取り込みたいが、レコードプレーヤーはデカかったので基本外付けだった。
レコードプレーヤーを搭載した機種もあったがさすがにデカくて主流にはならず。
昭和60年、ソニーがラジカセにCDを搭載したCFD-5を発売し、ナショナルは昭和61年にRX-CD70を発売した。
ナショナルはラブコールをラインナップしていたが、RX-CD70はラブコールCDではなくて『シーダ』という愛称がつけられた。
CDにerをつけてCDer(シーダ)はテクニクスのポータブルCDプレーヤーにもつけられていた。
テクニクスは松下電器のオーディオブランドだが、RX-CD70はテクニクスブランドにはならずナショナルのままだ。
RX-CD70の後にRX-FD80というシングルカセットのCDラジカセが出て、その後にパナソニックブランドになった。
RX-CD70はスピーカーの取り外しが出来るスリーピースタイプで、本体にはCD、カセット1、カセット2が仲良く横に並んでいる。
CDは縦に入れるが垂直ではなく少し傾斜がある。
スピーカーはツーウェイっぽく見えるがワンウェイ。
カセット1にはドルビーNRがついている。
ダブルカセットのラジカセとして99,800円は高価格だが、そこまで高性能ではない。
高価格になったのはモチロンCDを搭載しているからだ。
SL-XP7の定価は49,800円。
RX-CD70は99,800円なので、49,800円を引くと残りは50,000円。
ラブコールのRX-CW51は45,800円なので、RX-CD70のラジカセ部分はこれくらいの性能なんだろう。
■RX-CD70の主な仕様
●大きさ:幅764x奥行237x高さ173mm
●重さ:約8.1kg(電池含む)
●実用最大出力:8W+8W(EIAJ/DC)
●周波数範囲:40~15,000Hz(ノーマル)、40~16,000Hz(クローム)、40~17,000Hz(メタル)
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