EV-S800
ソニーがベータマックスに続いて発売した家庭用ビデオが8ミリビデオ。
テープ幅が8ミリなのがその名の由来だ。
この頃はまだ8ミリフィルムもまだ現役で、8ミリビデオが出る前に8ミリといえばこのフィルムの事だった。
なので、覚えやすさからも8ミリビデオとつけられたのだろう。
8ミリフィルムを8ミリビデオに置き換えようという野望もあったのか。
それは叶ってベータとは違い8ミリビデオはカメラ一体型としてかなり普及した。
据え置き型としても発売されたが、こちらはVHSを置き換えるには至らなかった。
私が買った8ミリビデオは2機種あるが、その1台がEV-S800だ。
EV-S800は幅が430ミリのコンポサイズ。
それまでの8ミリビデオデッキは幅が355ミリのミニコンポサイズ。
8ミリビデオのコンパクトさを生かしたと言う事だろうが、物足りない。
性能はともかく、どうにもカッコよくないのだ。
それがこのEV-S800は違った。
デザインがググッとビデオデッキっぽくなった。
サイドウッドは別売り。
つけると高級感が出る気がするが、他の機種にもサイドウッドをつけないとバランスが悪い。
EV-S800の高さは89ミリだが、ここは8センチにしてほしかった。
ソニーがこだわった高さ8センチ、8ミリビデオと8つながりでね。
後に高さが6センチのビデオデッキEV-PR1が出るが、それはチューナーがついてない。
リニアスケーティングメカで、イジェクトを押すとトレーが出てきてテープを収納する。
これをベータのHF705みたいにデッキ部が全部せり出してくるリニアスケーティングメカにすれば、8センチに収まったんじゃないだろうか。
EV-S800には当時の最高機種の定番で、プロと名付けられた。
ベータマックスならベータプロ、モニターならプロフィールプロ。
ウォークマンにもプロフェッショナルがあったが、VHSプロはない。
EV-S800はビデオ8プロ。
ソニーのビデオデッキでプロとつけばコレ。
ジョグダイヤルがついてる。
ジョグダイヤルの周りにはシャトルリング。
ジョグダイヤルのグルグル回す感触がいい。
一方シャトルリングはまず使わない。
レベルメーターはFL管。
カセットデッキっぽくもあり中々イイ。
カウンターは4桁カウンター、時間表示にしてほしかったがそれは出来ない。
でもなぜか残量は時間表示出来た。
リモコンにもジョグダイヤル。
ベータプロと似たようなリモコンだ。
ワイヤレスエディターと呼んでいる。
プロとしての画質はと言うと、これがナカナカいい。
テレビ番組の録画再生はベータやVHSを超えていたか。
ベータやVHSのカセットよりも小さいサイズで同等以上なのだから、頑張っているのだ。
この機種でようやくベータやVHSに追いついた感があるが、流石にEDベータやS-VHSに届きはしなかった。
EV-S800はビデオデッキではあるが、映像を記録せずその代わりにデジタルオーディオデッキとしても使用出来た。
テープを6分割してそこにデジタルサウンドを記録。
120分テープを使えば120分X6で720分、LPモードを使えばさらに倍で1440分録音出来た。
まあ、機能は付いてたけど使った事はなかった。
720分といっても120分聞いたら巻き戻し、120分聞いたら巻き戻しと面倒くさいのだ。
●大きさ:幅430x高さ89x奥行320mm
●重さ: 約7kg
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