このブログを検索

2023/01/23

ソニーの8ミリビデオデッキ・EV-S800

EV-S800

ソニーがベータマックスに続いて発売した家庭用ビデオが8ミリビデオ。

テープ幅が8ミリなのがその名の由来だ。

この頃はまだ8ミリフィルムもまだ現役で、8ミリビデオが出る前に8ミリといえばこのフィルムの事だった。

なので、覚えやすさからも8ミリビデオとつけられたのだろう。

8ミリフィルムを8ミリビデオに置き換えようという野望もあったのか。

それは叶ってベータとは違い8ミリビデオはカメラ一体型としてかなり普及した。

据え置き型としても発売されたが、こちらはVHSを置き換えるには至らなかった。

私が買った8ミリビデオは2機種あるが、その1台がEV-S800だ。

EV-S800は幅が430ミリのコンポサイズ。

それまでの8ミリビデオデッキは幅が355ミリのミニコンポサイズ。

8ミリビデオのコンパクトさを生かしたと言う事だろうが、物足りない。

性能はともかく、どうにもカッコよくないのだ。

それがこのEV-S800は違った。

デザインがググッとビデオデッキっぽくなった。

サイドウッドは別売り。

つけると高級感が出る気がするが、他の機種にもサイドウッドをつけないとバランスが悪い。

EV-S800の高さは89ミリだが、ここは8センチにしてほしかった。

ソニーがこだわった高さ8センチ、8ミリビデオと8つながりでね。

後に高さが6センチのビデオデッキEV-PR1が出るが、それはチューナーがついてない。

リニアスケーティングメカで、イジェクトを押すとトレーが出てきてテープを収納する。

これをベータのHF705みたいにデッキ部が全部せり出してくるリニアスケーティングメカにすれば、8センチに収まったんじゃないだろうか。

EV-S800には当時の最高機種の定番で、プロと名付けられた。

ベータマックスならベータプロ、モニターならプロフィールプロ。

ウォークマンにもプロフェッショナルがあったが、VHSプロはない。

EV-S800はビデオ8プロ。

ソニーのビデオデッキでプロとつけばコレ。

ジョグダイヤルがついてる。

ジョグダイヤルの周りにはシャトルリング。

ジョグダイヤルのグルグル回す感触がいい。

一方シャトルリングはまず使わない。

レベルメーターはFL管。

カセットデッキっぽくもあり中々イイ。

カウンターは4桁カウンター、時間表示にしてほしかったがそれは出来ない。

でもなぜか残量は時間表示出来た。

リモコンにもジョグダイヤル。


ベータプロと似たようなリモコンだ。

ワイヤレスエディターと呼んでいる。

プロとしての画質はと言うと、これがナカナカいい。

テレビ番組の録画再生はベータやVHSを超えていたか。

ベータやVHSのカセットよりも小さいサイズで同等以上なのだから、頑張っているのだ。

この機種でようやくベータやVHSに追いついた感があるが、流石にEDベータやS-VHSに届きはしなかった。

EV-S800はビデオデッキではあるが、映像を記録せずその代わりにデジタルオーディオデッキとしても使用出来た。

テープを6分割してそこにデジタルサウンドを記録。

120分テープを使えば120分X6で720分、LPモードを使えばさらに倍で1440分録音出来た。

まあ、機能は付いてたけど使った事はなかった。

720分といっても120分聞いたら巻き戻し、120分聞いたら巻き戻しと面倒くさいのだ。


●大きさ:幅430x高さ89x奥行320mm

●重さ: 約7kg


〈関連する記事〉

8ミリビデオはここがよかった