ハイビスタ
昭和59年、パイオニアからベータ方式のビデオが発売された。
ソニーはベータマックス、東芝はビュースター、三洋はマイコニックと呼んでいたが、パイオニアはハイビスタと名付けた。
VX-7
249,800円。
ソニーのベータマックスSL-HF66のOEM。
SL-HF66はベータハイファイの第2弾。
ベータハイファイ第1弾の SL-HF77がSL-F11のデザインを踏襲していたのに対し、オーディオ機器っぽくなった。
VX-7はソニーよりもシャープなデザインで、言われなければSL-HF66のOEMとは思わないかも知れない。
画質が酷評されたHF77だがHF66は少し少しマシになったと言う評価。
ハイバンド化はしてないので、画作りの傾向を変えたのだろうか。
外観はパイオニアっぽいデザインだが、中身は手を加えていないっぽい。
●大きさ/幅430x高さ105x奥行375mm
●重さ/11.8kg
VX-5
189,000円。
VX-5はソニーのベータマックスSL-HF300のOEM。
SL-HF300は画質が劣化したHF77の評判を覆すべく、内緒でハイバンド化していた。
VX-5の外観はSL-HF300に比べてメーターのバーが増えている。
中身も『パイオニアならではの音響技術をふんだんに投入』とカタログには書かれている。
●大きさ/幅430x高さ105x奥行382mm
●重さ/9.8kg
VX-9
239,800円。
VX-9はソニーのベータプロSL-HF900のOEM。
SL-HF900は当時のソニーの最上位機種で、ハイバンドアンドベータハイファイで高画質アンド高音質。
ジョクシャトルがついていて編集もバッチリだ。
ベータⅠも再生出来るが録画は出来ない。
その代わりにベータⅠsが搭載された。
これはベータⅠが復活したのではなく別の新しい規格。
最高の画質を作る為には新しい規格を作るのも仕方なし。
ベータハイファイ化で劣化した画質を取り戻し、そこにとどまらずに更なる画質の向上を目指す。
音質はパイオニアが独自に音響用のパーツを使ったり電源コードを使用したりして向上を図っているようだ。
●大きさ/幅430x高さ105x奥行397.5mm
●重さ/12kg
パイオニアから発売されたベータのビデオデッキは3機種ですべてソニーからのOEM。
劣勢だったベータ陣営の助けになっただろうか。
ま、ならなかったな。
パイオニアはベータだけではなく8ミリビデオも出していた。
8ミリビデオはパイオニアに関係なくカメラ一体型ビデオではVHS-Cに勝利した。
ハイビスタは販売が好調ならば続けていただろうし、止めたということはあまり売上が良くなかったのだろうか。
ベータを止めたからといってVHSを販売したわけでもなかったので、映像分野はレーザーディスクに専念しようという判断だったのだろう。
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