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2021/07/22

【映画の感想】緯度0大作戦

 緯度0大作戦(昭和44年公開)

公開は昭和44年。

特撮といえば怪獣だった第1次怪獣ブームがひと段落した時期の作品だ。

東宝も、怪獣の次は何がウケるか模索していたのだろうか。

本作は新しいジャンルではなく、海底2万マイルを引っ張り出して来たような作品になっている。

海底火山が噴火し、主人公達の乗った丸っこい潜水艦が浮上出来なくなった。

救助してくれたのは潜水艦アルファ号だ。

アルファ号は特撮TV番組のマイティ号から翼を取ったみたいなデザインで中々カッコいい。

アルファ号はこの海域を観察していて、偶然に救助出来たようだ。

田代と記者のペリーはすぐに回復したが、マッソンだけが重症だ。

一人だけ打ち所が悪かったのだろうか。

このアルファ号、1805年に進水したようだが、田代とペリーは信じられない。

100年以上も前だから、信じられないのも無理はない。

医者のアンは艦長に進言し、アルファ号は基地へと帰還する。

悪役のマリクの部下、黒い蛾がアルファ号を襲う。

黒い蛾が乗るのは黒鮫号。

これも中々カッコいいな。

黒鮫号の舵はウルトラマン黒部進が握っている。

ハヤタも今や立派な悪役だ。

アルファ号には武器がなさそうで、黒鮫号の攻撃を艦長の操縦で逃げ切った。

何かスゴイ武器を出してやっつけて欲しかったが、それはなし。

海底2万メートルにあると言う緯度0基地。

アルファ号は緯度0に入れるが、黒い蛾の黒鮫号は入れない。

電子防御壁があり、特別な同調装置を持った船以外は入れないのだ。

ボヨーンという感じで弾き飛ばされる黒鮫号。

悪役マリクはアルファ号艦長のマッケンジーと1世紀以上前に同級生だった。

204歳、マリクは1歳下の203歳。

随分若く見えるな。

緯度0の科学力のお陰なのか。

謎は最後まで謎のままだ。


さて東宝特撮映画と言えば怪獣。

と言う事で本作にも何匹か登場する。

まずは大ネズミ。

まあ、ネズミが大きくなっただけなので、大ネズミ。

1匹だけではなくネズミらしく群で登場した。

コウモリ人間、こちらはコウモリと人間を合体させた怪獣で、怪獣というよりは人間っぽいので怪人だな。

そしてグリフォン。

他の東宝怪獣のような東宝オリジナル怪獣ではなく、龍や不死鳥のような伝説の怪獣だ。

劇中ではマリクがライオンとハゲタカを合体させ、そこに黒い蛾の脳を移植して誕生した。

グリフォンは思った通りに命令を聞かない。

移植する前から分かりそうなものだがな。

で、この怪獣達の出来がよろしくない。

コントにでも出てきそうな作りだ。

コイツらをどれも出さないで、潜水艦同士のバトルだけにした方がよっぽど良かったんじゃないかな。

怪獣を出さなければいけないという東宝のサガだろうか。

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