ソニーのカセットデッキ・TC-K88
昭和54年発売
158,000円
TC-K88はエスプリシリーズ中、唯一のカセットデッキ。
エスプリはソニーの高級オーディオのブランドだ。
カセットデッキTC-K88の他にもアンプ、スピーカー、チューナーなんかがあり、すべてエスプリで揃えたらかなりの金額だ。
まあオーディオマニアからすればまだまだ安いか。
当時中学生の私は欲しかったからって買えるハズもなく、カタログで見る他はなかった。
市内の電気店ではナカミチの20万円以上するカセットデッキは置いてあるのに、TC-K88は置いてない。
販売終了してからも、中古でも見たことがない。
という事で未だ実物を見た事がないのだ。
ジャンク扱いでもいいから、ハードオフに置いてないかな。
エスプリのプリアンプTA-E88は定価200,000円、下位機種のTA-E86は90,000円とTA-E88の半額以下。
パワーアンプのTA-N88は定価が180,000円、下位機種のA-N86は下位機種だけあって90,000円と半額の値段。
対してTC-K88は安価版のTC-K86なんてのは発売されなかった。
コストを削るところがなかったのか、ニーズがないと判断されたのか。
アンプはTA-E900やTA-N900が発売され、ボディーにエスプリの文字が刻まれたが、TC-K88の後継機TC-K900は発売されなかったのでカセットデッキのエスプリは1代限りになった。
TC-K88は高さ8センチというスリムな外観が魅力的。
TA-E88や N88と揃えたデザインだ。
TC-K88と比べれば、他のKシリーズはボテッとした感じで野暮ったく見える。
カタログでは正面からの写真が載っているだけ。
コレ、どうやってカセットを入れるのだ?
そんな疑問が湧き上がるが、電気店には実物がない。
TC-K88単体のカタログが置かれるようになって、それにはこんな写真が載っていた。
リニアスケーティングメカといってデッキ部が丸ごと出てくるのだ。
ほほう、こうやってテープを入れるのかと納得。
リニアスケーティングメカは後年ベータマックスSL-HF705やHF1000でも採用された。
デッキの高さを抑え薄くするにはもってこいの方式なのだ。
薄さ以外での外見的な特徴は液晶レベルメーター。
針式のレベルメーターが一般的な中にあって実に未来的だった。
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