このブログを検索

2023/04/03

【映画の感想】ヤマトよ永遠に

 ヤマトよ永遠に

昭和55年公開

今年の2月に亡くなった松本零士には人気作がいくつもあるが、宇宙戦艦ヤマトもそのひとつ。

元々テレビシリーズだった『宇宙戦艦ヤマト』が映画化。

『宇宙戦艦ヤマト』『さらば宇宙戦艦ヤマト』と2本の映画が公開されたが、『ヤマトよ永遠に』はそれに続く劇場版宇宙戦艦ヤマトの第3弾。

物語は前2作の続きではなく、テレビシリーズ『宇宙戦艦ヤマト2』『新たなる旅立ち』の続きになる。

『宇宙戦艦ヤマト2』は『さらば宇宙戦艦ヤマト』をテレビシリーズ化したものだが、結末が違いヤマトは生還したので物語は続くのだ。

劇場版だけ見ている人にとっては『さらば宇宙戦艦ヤマト』で死んでいったキャラクター達が出てくる事に驚くハズだが、まあ、実際はそんな人はおらず。

分岐したストーリーは賛否あるだろうが、完結したハズの物語が続いていくのに違和感を持ったファンの方が多かった気はする。

そりゃ『さらば宇宙戦艦ヤマト』がなかったことにされたんだから、あの感動を返せって言いたくはなる。

『ヤマト2」のラスト、ヤマトが特攻するわけでもなく、テレサだけを犠牲にして終わりってのが不満が残る。

そのテレサが服を着ているってのも。


さて『ヤマトよ永遠に』だが、これまでガミラスや白色彗星を退けてきた地球が今回は冒頭であっさりと占領された。

これまで必死に守ってきた地球がこうも簡単に占領されてしまうとは、地球防衛軍のなんという体たらく。

敵は暗黒星団帝国だ。

暗黒星団帝国はヤマトの波動砲を恐れているようだが、ヤマト以外の地球連邦艦に波動砲は装備しなくなったのか。

混乱する地球上で、ヤマトの乗組員達は英雄の丘に集まってくるが、非常時にのんきなものだ。

ヤマトのクルーにとって英雄の丘はハチ公前のようなものなのか。

古代達は高速艇でイカロスに向かおうとするが、森雪と別れ別れになってしまう。

私と仕事どっちをとるのと言われたら即座にお前だと言える男なのだろう、古代は高速艇を飛び降りようとするが止められる。

地球は制圧され長官やらが敵に処刑される間際、古代守は自爆して長官を逃したが、キラークイーンに体を爆弾に変えられたかのような見事な爆発っぷり。

話の流れで古代守をこんなところで殺しちゃうのってもったいない感じはする。

打ち切りがなければキャプテンハーロックになった男を。


ヤマトの出撃シーンは惑星イカロスから。

暗黒星団帝国が探すヤマトは地球にはなかったのだ。

本作のヤマトは艦首にはイカリマークが入っているが、この後イカリマークはなくなったので不評だったのだろう。

いつもの見慣れたものに違う要素が加わると慣れるまで違和感があるのだ。

映画1本では違和感は消えないか。


今回のヤマトの旅は起爆装置を壊す為に敵の母性へと向かう。

真田の提案だが「え?っ」という人間は出てこない。

その代わりに観客が「え?っ」だ。


今回の艦長は山南。

沖田、土方に続く3代目艦長だ。

古代を艦長にしないのは地球防衛軍の見る目があるのか。

艦長殉職はヤマトのお約束だが、山南も辞令が来た時覚悟したんだろうか。

生きて帰れるのかとガンダムのボールに搭乗するような不安感。


今回のヤマトのヒロインは森雪ではなく古代守とスターシャの娘、サーシャ。

ヤマトに乗れず地球に残った森雪は敵将アルフォンに惚れられる。

コイツは価値観のズボラなやつで、雪に膝枕してもらっただけで爆弾の秘密を話す。

当時のアニメージュに雪とアルフォンのキスシーンが載っていたが、もしそうなったらアルフォンは一人で暗黒星団を滅ぼしてしまいそうだ。


サーシャは『新たなる旅立ち』の最後に出てきた赤ん坊が、たった1年で大きく育った。

という事で年齢はまだ1歳。

いきなりの急成長はイスカンダル人の特徴だというスッキリしない設定なのだが、『ヤマトよ永遠に』を『新たなる旅立ち』の20年後ぐらいの設定にした方がサーシャのキャラも掘り下げられてよかったんじゃなかろうか。

地球の環境は合わないと言うことだが、だがなぜ育てるのが真田なのだ。

まあ勝手に真田は独身だと思っているんだが、結婚して奥さんがいたのか。


公開前はワープディメンションというのが話題になった。

ワープディメンションとはなんぞやといっても公開まで秘密のまま。

途中で画面が大きくなる仕掛けだったが、私は劇場で見ていないのでそのスゴさが伝わらない。


敵の母星は200年後の地球だと言うが、後でわかるがこれがフェイク。

わざわざ地球だと信じ込ませるために、万里の長城やピラミッドなど作ったりしてかなり手をかけてた、壮大なドッキリだ。

ガミラスの遊星爆弾の被害を考えたらすぐにニセモノだとわかりそうだが、スケールの大きいウソはそのインパクトのせいで気づきにくいのかもしれない。

また敵の偉いヤツがバレるようなウソは言わないだろうと言う思い込みを利用したのか。

フツーはここは200年未来の地球ですなんてすぐバレるようなウソは言わない。


サーシャがこの地球に一人だけで残ったのだが、であるならどうなるかの展開は読めるのだがその通りに話は進み、敵の大将と共に波動砲の犠牲になる。

だが死んだと思ったサーシャは最後にヤマトの前に現れる。

回想的な演出かと思いきやそうではなく、生きているサーシャで古代と会話をしたりするのだ。

母のスターシャも出てきたりして、イスカンダル人はスターウォーズのオビワンケノービ的な存在なのか。

この後『完結編』が作られるが、『ヤマトよ永遠に』で終わりにしてもよかったんだがなあ。


〈関連する記事〉

【映画の感想】さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち

【映画の感想】宇宙戦艦ヤマト