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2022/04/28

【映画の感想】ガメラ 大怪獣空中決戦

 ガメラ 大怪獣空中決戦(平成7年公開)


平成に入って制作されたガメラの第1作目。

昭和のガメラシリーズとの繋がりはなく、新たに一から作られたガメラだが、昭和シリーズからギャオスも登場。

ガメラに次ぐ人気があったからだろうか。

ガメラ復活第1作はガメラ単独ではなく、ギャオスとの戦いだ。


映画の冒頭、大映のロゴが出る前に東宝のオープニングロゴ。

東宝といえばゴジラなのだが、その東宝がライバル怪獣のガメラを製作。

であるならば『ゴジラ対ガメラ』を見てみたいがそれは未だなし。

アントニオ猪木対ジャイアント馬場のような、ファンが夢見る最高の対決なのだが、ハードルは高そうだ。


物語はまずプルトニウムを運んでいる船が座礁。

ナゾの環礁にぶつかったのだが、まあそれはガメラだろうなあと。

で、実際にガメラなのだが、本作のガメラはアトランティスで作られた生物っぽい。


九州の姫神島では島民と調査隊が消えた。

本作のガメラの相手、ギャオスに襲われたのだ。

ガメラはこのギャオスを倒すために作られた生物兵器のようで、昭和のような単純に子供の味方というわけではない。

ギャオスは人間を食うが、昭和の時代よりもリアルさが進歩したので、グチャグチャ食うシーンが気持ち悪い。

ギャオスという名前からしてオスがいてもよさそうなんだが、メスしかいない。

それでも増えることが出来るのだ。

じゃあガメラも?


ヒロインは中山忍。

映画の興行成績を上げるにはカワイ子ちゃんの起用はハズせない。

たとえ演技がアレでもだ。

ミポリン中山美穂の妹だが、私は中山忍派だった。

アイドルとしてはそんなに成功しなかったが、女優としてはいまだに活躍している。

蛍雪次郎とコンビを組んで映画は進むと思ったが、まあそうはならず。

主人公は伊原剛志だ。


人を食うギャオスを福岡ドームにおびき出して閉じ込めようとする。

こういう作戦は失敗するのがお約束。

まあ、ここで解決してしまったら時間があまる。


真っ二つに折れた東京タワーに巣を作るギャオス。

夕日をあびる場面がいい。

監督のしてやったりの表情が見えるようだ。


ガメラとギャオスの最後の戦いはタイトル通りで、空を飛ぶ二匹。

スピード感があって昭和の時代とはベツモノだ。

飛び回りすぎて宇宙にまで飛び出した。

でも宇宙で決着をつけるわけでもなく、地上に戻ってきた。


勾玉を通じてガメラと心を通わせる女の子が出てくるが、なんか出てこなくてもいい気はする。

ヒロイン中山忍だけでは物足りなかったか。



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【映画の感想】大怪獣ガメラ





2022/04/21

【映画の感想】火の鳥2772 愛のコスモゾーン

 火の鳥2772 愛のコスモゾーン(昭和55年公開)

マンガ『火の鳥○○編』の映画化ではなく、アニメオリジナルの映画『火の鳥2772 愛のコスモゾーン』は昭和55年に公開された。

この頃は2回目のアニメブームが続いていて、前年の昭和54年には『銀河鉄道999』、『ルパン三世カリオストロの城』が公開され、翌年の昭和55年は今に続く『ドラえもん』の映画も始まった。

テレビでは『機動戦士ガンダム』が昭和54年から55年にかけて放送、当時中学生だった私は夢中になっていた。

そんな時期に公開された『火の鳥2772』、総監督はマンガの神様手塚治虫だ。


手塚治虫の『鉄腕アトム』が1回目のアニメブームを作った。

昭和40年生まれの私は、白黒アニメの鉄腕アトムはほとんど見たことがない。

いや、見たのかもしれないがさっぱり覚えてない。

再放送で何度も見て覚えているのは手塚作品はカラーの『リボンの騎士』や『ジャングル大帝』なんかだ。

2回目のアニメブームは松本零士作品がその中心だったが、そこに手塚治虫が『火の鳥』で挑んだ形になった。


『火の鳥2772』の登場人物はロックやブラックジャック、ヒゲオヤジやお茶の水博士のように鼻のデカいサルタなど手塚作品でお馴染みの面々。

けれど主人公は映画オリジナルのゴドー。

これまでのどの手塚作品にも出てこない、アニメブームに乗っかったようなイケメンの主人公だ。

ロックとは兄弟で、サングラスを外してゴドーに「似ているだろ」なんて言うが似てないな。

映画の開始からしばらくは音楽だけでこのゴドーの成長記録。

小さい頃は手塚キャラだが成長するとカッコいい兄ちゃんで子供の頃の面影はない。


ヒロインはロボットのオルガ。

育児だけではなく変形して空を飛んだりかなり高性能なロボット。

同じ型のロボットがもっといるんだろうが、映画に出てきたのはオルガ1体だけだ。


手塚ファンの私としては、手塚治虫のキャラクター達が動き回るのは楽しかったが、アニメブームの最中の作品としては微妙だった。

ていうかウケないだろうと生意気盛りの私は思った。

手塚ファンの私としては悲しかったが、この頃のアニメブームの中で、手塚作品はチト古いだろうと。

銀河鉄道999にハーロックやエメラルダスが出てくるとテンションが上がるが、火の鳥にブラックジャックやヒゲオヤジが出てきてもテンションは上がらない。

そもそもブラックジャックなんて火の鳥に出さないで、単独でアニメ化して欲しかったな。

ブラックジャックが何でゴドーに理解を示しているのかよくワカラナイが、殴られて負けたフリして宇宙へ飛び立つのを見送った。


まあそんなストーリーの展開よりも、キャラクターが微妙に揺れているのが気になった。

髪、顎の線、輪郭、線が太くなったり細くなったり…。

映画館の大画面だから尚更気になったのだ。

私は神経質で細かい事が気になる質だが、何でこうなった?


とにかくゴドー一行は宇宙に脱出して火の鳥を探して対決。

火の鳥は攻撃的な姿になって攻撃を繰り返すが、迫力があってこの映画のイチバンの見どころか。

マンガだと火の鳥はあんまり活躍するわけではないのだが、今回は大画面の映画なので火の鳥が大活躍だ。

でも途中からはマンガ版の姿になる。

声は竹下景子だったので、三択でクイズを出せばよかったのにな。


マンガの『火の鳥』はいまだに読み継がれているが、『火の鳥2772』はどうだろう。

『火の鳥2772』には当時の最新技術を導入したというが、別段当時の最新技術を導入してない昭和54年公開の映画『ルパン三世 カリオストロの城』は今見ても面白いけどな。

今の最新技術を導入すれば、微妙な揺れを修正したバージョンが出来るんじゃないだろうか。


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火の鳥2772には主題歌がない




2022/04/14

ウルトラAとウルトラマンA

 ウルトラAとウルトラマンA



ウルトラマンAは番組が始まる前にウルトラAとして登場した。

当時私が買っていた『小学一年生』や『小学館ブック』ではウルトラマンAではなくウルトラAだったのだ。

仮名ではなくウルトラAで製作は進行し、主題歌もウルトラAで作られたそうだ。

ユーチューブに時折動画が上がるが、なるほどウルトラAでしっくりくる。


ウルトラシリーズは『ウルトラQ』から数えると『ウルトラマンA』で6作目。

『ウルトラQ』『ウルトラマン』、東映のウルトラシリーズ『キャプテンウルトラ』、『ウルトラセブン』『帰ってきたウルトラマン』に続くウルトラシリーズだ。

円谷プロのウルトラシリーズとしては5作目になる。

この中でヒーロー名にウルトラマンの名がつくのはウルトラマンと帰ってきたウルトラマンしかいない。

エースが始まる前までは、ウルトラマンといえばこの二人の事だったのだ。

ウルトラマンの最終回に出て来たゾフィーはウルトラマンどころかウルトラもつかない。

ウルトラセブンはウルトラセブンでありウルトラマンセブンではない。

ウルトラセブン最終話に出てくるセブン上司はこれ、名前なの?


ここまでのウルトラヒーローのネーミングはウルトラの後に名前だ。

なのでウルトラAというネーミングは自然だし円谷プロもそう考えて名付けたんだろう。

それがウルトラマンAに変更された。

何で名前が変わったかは当時はわからなかったが、今だとネットで検索すればすぐに理由がわかる。

ウィキペディアによれば、『当初のタイトルは『ウルトラA』と予定されていたが、玩具メーカーのマルサンから『怪傑透明ウルトラエース』という商品がすでに発売されていたことから、商標の問題を考慮して『ウルトラマンA』に改題された』ということだ。

ではキャプテンウルトラのように、ウルトラを後に持ってきてエースウルトラではどうだろう。

ウルトラとエースの間に☆を入れてウルトラ☆エースにするとか。

私の脳にはウルトラAでインプットされたので、ウルトラマンAという名前には違和感がありまくった。

ワクワクして放送開始を待ちわびていた主役の名前が変わったのだ。

違和感があるのは仕方がない。

ウルトラマン○○というのはこの後定着し、タロウはウルトラタロウではなくウルトラマンタロウ、レオはウルトラレオではなくウルトラマンレオだ。

タロウはおとぎ話の〇〇太郎にちなんでつけられたそうだから、ウルトラマンタロウよりウルトラタロウの方が良さそうだ。

ゾフィーやウルトラセブンの他にも、ウルトラマンのつかないウルトラマンがいる。

アストラやユリアン、ウルトラセブン21といったところだ。

番外編的だが、アンドロメロスもいるな。

ちょっと前に映画で『仮面ライダー3号』があったが、『ウルトラA』って作品が出来ないかな。




2022/04/07

ヘドラはかなり強い

 ヘドラはかなり強い


公害怪獣ヘドラは昭和46年公開の映画『ゴジラ対ヘドラ』に登場。

昭和ゴジラシリーズで敵怪獣が単体で登場するのはアンギラス(ゴジラの逆襲)、キングコング(キングコング対ゴジラ)、メカゴジラ(ゴジラ対メカゴジラ)、そしてヘドラの4体だけだ。

昭和40年生まれの私にとって、ゴジラ映画は前年の『オール怪獣大進撃』やこの『ゴジラ対ヘドラ』辺りが原体験。

ヘドラは身長60メートル、体重4万8千トン。

対するゴジラは身長50メートル、体重2万トン。

体格ではヘドラが勝っている。


『ゴジラ対ヘドラ』が公開されたのは昭和46年、この頃は公害が社会問題だった。

テレビヒーロー『スペクトルマン』では怪獣が公害を元に生み出されていたし主人公がいた組織は公害Gメンだ。

第1話と2話に登場した怪獣ヘドロンなんてネーミングもヘドラに近い。

どちらもヘドロから生まれた怪獣だ。

ゴジラ映画に公害問題が反映されたのが『ゴジラ対ヘドラ』。

宇宙から飛んで来たオタマジャクシのような生物が巨大化したのがヘドラだ。


この公害怪獣ヘドラによる被害が凄まじい。

1000万人を超える犠牲者というから、ゴジラ映画の中ではイチバンではないだろうか。

空を飛んだだけで公害を撒き散らし人間はガイコツになるのだ。

柴俊夫が登場、松明持って戦うがあっけなく死亡。やはりヘドラは強かった。


ゴジラとの戦いでは、ゴジラの左目を潰し、ゴジラのパンチはヘドラにめり込んで溶け白骨化する。

原爆でも死なないゴジラがかなり苦戦したのだ。

そりゃ空でも飛ばないと勝てないな。


『ゴジラ対ヘドラ』の次作は昭和47年公開の『ゴジラ対ガイガン』。

ガイガンの相棒にキングギドラが登場したが、キングギドラの代わりにヘドラを出したらどうだったろう。

キングギドラは人気もあり知名度はバツグンかもしれないが、ヘドラだって前年に公開されたばかりだし公害問題だって解決したわけではない。

ヘドラはもう1匹いるようなので、登場しても不思議はない。

だが出番はなく、2代目ヘドラが登場したのは実に33年後の平成14年公開『ゴジラファイナルウォーズ』においてだ。

身長120メートル、体重7万トンとかなり大型化したヘドラだったが、コチラのヘドラはサッパリ強くなかった。

ゴジラの放射熱線で簡単に吹き飛ばされ、ガッカリだ。


『ゴジラ対ヘドラ』の後に続編が出来ていたら、どんな作品になっただろうか、考えてみた。

・『キングコング対ゴジラ』の後に出来た『キングコングの逆襲』のように、『ヘドラの逆襲』

・メカ化したヘドラとゴジラが戦う『ゴジラ対メカヘドラ』

・東宝つながりでドラえもんと合体、『へドラえもん のび太の怪獣』

・リドリー・スコット監督『ブレードヘドランナー』

・仮面ライダーシリーズの一つ『仮面ヘドライダー』

・小説が原作の『ヘドラ、また出たってよ』

・歌を歌うミュージカル映画『ヘドラアンドカプリシャス』



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