SL-HF701D
昭和62年
165,000円
昭和62年はVHSの高画質規格S-VHSが登場、ビクターのHR-S7000が1号機。
定価は22万円。
ベータの高画質規格EDベータの1号機EDV-9000の登場は翌年だ。
VHSに対して常に高画質という点をセールスポイントにしてきたベータだが、ここにきて逆にVHSの方が高画質だと宣伝されるようになった。
EDベータ発売まではスーパーハイバンドで頑張るしかない。
ちょっと前までは優位だったスーパーハイバンドの画質だったが今度はS-VHSを追う立場。
そんな時期に発売されたのがSL-HF701D。
SL-HF701DはSL-HF705、SL-HF1000Dに続くベータの中堅機。
SL-HF1000Dの後継機種というよりは下位機種なのか。
SL-HF705、SL-HF1000Dにあった最大の特徴であるリニアスケーティングメカを搭載していないのだ。
リニアスケーティングメカっていうのはまあ、カッコよさの為だけのようなメカだが魅力的。
イジェクトボタンを押すとトレイではなくデッキ部が丸ごと出てくるのだ。
特にSL-HF705はこのメカのおかげで高さが8センチとスリムになっている。
リニアスケーティングメカの魅力がないSL-HF701Dはガンダムに対するジムのような機種。
リニアスケーティングメカを搭載しても値段が高くなるだけだとソニーが気づいたのかもしれない。
リニアスケーティングメカがない点を除けばSL-HF1000Dの機能を継承。
スーパーハイバンドベータ1Sを搭載。
S-VHSとは違い従来のテープを使えるのは利点だが、ベータ1なので録画時間は短い。
ハイバンドはともかく、スーパーハイバンドはすぐにS-VHSが発表されたので画質の頂点をとっていた期間は短い。
とはいえ画質がキレイなことに変わりはない。
型番のDはデジタルピクチャーだろうが、なくても良さそうな機能だが需要はあったのだろうか。
スチルやスローはともかく、画面分割のマルチプレイやモザイクアートなんか1度試してみたらもう使わないんじゃないか。
こんなデジタルピクチャーよりもリニアスケーティングメカを残した方がベータらしい気はするが、そんな余裕はもうない時代。
両端にはサイドウッドがついていて高級そうに見えるがインシュレーターは別売。
悪くはない機種だが、ベータのシェアを挽回するような機種ではない。
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