TC-K777
昭和55年
148,000円
昭和50年代の半ば、ソニーのカセットデッキはKシリーズに代わってデジックデッキFXシリーズがラインナップされ、Kシリーズは消滅か?
いやいやそんなことはなく、Kシリーズ唯一の新製品として最上位機種のTC-K777が登場。
777はソニーのエースナンバー、ということでソニーの気合の入れようがわかる。
価格はTC-K88の方が158,000円とTC-K777よりも1万円高かったが、TC-K88は高級オーディオエスプリの一員でデザインも個性的。
異端なTC-K88に対してTC-K777はオーソドックスな正立透視型。
デジックデッキではスライド式になった録音ボリュームも、TC-K777は従来通りの丸いツマミ、円周の赤が目立つ。
再生や停止、早送り巻き戻しなどの基本ボタンはデジックデッキのように大きくなったが華やかさはない。
中央にあるレベルメーターは30セグメントと細かい。
ソニーの最上位機種といっても、ナカミチやティアックからすればまだ中位機種程度の値段。
ソニーは20万円台のカセットデッキをなぜ作らなかったのか。
TC-K777の後継機としてTC-K777ES(168,000円)が昭和57年に登場。
コチラはデザインはほとんど変わらないが色が黒になりパッと見は別機種のようだ。
実際別機種だが、銀と黒の2色展開した機種もあったし、初代K777も黒バージョンがあってもおかしくはなかった。
逆にTC-K777ESは銀バージョンがあってもよかった。
TC-K777の発売時にはドルビーCが登場してなかったので別売りだったが、TC-K777ESでは内蔵された。
昭和60年にはTC-K777ESⅡが登場、下位機種のTC-K555はES、ESⅡの後もESX、ESR…、と続いていくがK777はこれで終了だ。
TC-K777の主な仕様
●ヘッド:消去1、録音1、再生1
●モーター:キBSLグリーンモーター2
●SN比:60dB(ドルビーOFF、ピークレベル、DUADカセット)
●周波数特性:20〜20,000Hz(METALLICカセット)
●ワウ・フラッター:±0.025WRMS
●ひずみ率:0.8%(DUADカセット)
●大きさ:幅430x高さ105x奥行390mm
●重さ:9.5kg
●消費電力:36W
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