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2019/04/18

【映画の感想】大怪獣バラン

大怪獣バラン



昭和31年に公開の『空の大怪獣ラドン』が怪獣映画初のカラー作品だった。
2年後の昭和33年に公開されたこの『大怪獣バラン』は白黒だ。
元々はテレビドラマ用の企画だったというが、ここはラドンの後だしカラーで作って欲しかったね。
予算がなかったという事なのだろうか。
ゴジラも白黒だったが、このゴジラの映像を流用する為もあるのか。
この映画がカラーだったら、白黒のゴジラからは流用出来ないものね。

日本のチベットと言われている東北の山奥。
シベリアにしかいない蝶が発見され、研究所の所員2名が調査に行く。
この所員、死んだのは間接的にはバランのせいかもしれないが、事故死だ。
バランのせいにされるのは可哀想だね。

この地域で信仰されている怪獣がバラダギさま。
バランの事だ。
バランは出てきたらバラノポーダなる学名で呼ばれる。
早いな、学名。

このバラン、水爆実験とか関係なく出てきた。
昔いた怪獣の生き残りなのだ。
地元の人間にバラダギさまと呼ばれるくらいには姿を現していたのだね。
一匹では絶滅してしまうから、もっと数がいたのだろう。
劇中ではこいつ一匹しか出てこないし、もしかしたら、これが最後の一匹なのかもしれない。

人間の方が勝手に聖域に入っていって、バランは集落を歩き回ったくらいで退治されるのが決まったりと、人類側が勝手に悪役に仕立てたバラン。
湖で寝ていたのに攻撃されていい迷惑だ。
バランはラドンのような鳥型ではないが、ムササビ型なので空も飛べる。
飛べるのだが、そのシーンは陸上自衛隊の攻撃から逃げ去る場面だけなのが残念だ。
ムササビのように滑空するのではなく、普通に飛んだぞ。

飛ぶシーンがすぐ終わったが海のシーンは多い。
湖に住んでいたし、水は得意なのだね。

羽田空港では都内に侵入させないために自衛隊が攻撃を仕掛ける。
爆弾を積んだトラックを運転するのは自衛官ではなく民間人みたいだが、こんな事しなけりゃならないなんて、今でいうブラック企業だよね。
怖がって途中で逃げ出すのも当然だ。
民間人の主人公が代わりに運転するっていうのも勇気があるぞ。

バラン退治は、バランの性質を利用した作戦だ。
バランは光るものを飲み込むっていう性質があるのだ。
光を飲み込む性質って、何だ?
随分と都合の良い性質だな。
この性質を利用され、爆弾を飲み込んだバランは内部から破壊されてオシマイ。
ゴジラを倒すのにはオキシジェンデストロイヤーという秘密兵器を使わなければならなかったのに、バランには爆弾で十分だった。
自衛隊の完全勝利だ。