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2019/04/12

【映画の感想】怪獣総進撃

怪獣総進撃(昭和43年公開)


怪獣総進撃のタイトル通り、怪獣が11匹も登場する。
翌年の『オール怪獣大進撃』が、オールっていう割にはショボかったのとは正反対だ。
ゴジラ、ミニラ、モスラ、ラドン、アンギラス、バラン、バラゴン、ゴロザウルス、マンダ、クモンガ、キングギドラが登場。
『大怪獣バラン』のバラン、『海底軍艦』のマンダ、『フランケンシュタイン対地底海獣』のバラゴン、『キングコングの逆襲』のゴロザウルス。
この4匹はゴジラ映画には初登場だ。

この時代、キングギドラ以外の怪獣たちは怪獣ランドに集められて人間に管理されている。
逃げ出そうとしても逃げ出せないようになっている。
かつての脅威だった怪獣たちが、人類の支配下になっているのはちょっと寂しいものだ。
インファント島の守護神モスラもいるぞ。
インファント島を留守にしていいのか。
今回のモスラはイモ虫だ。
モスラは何匹かいて、インファント島には別のモスラがいるのかもね。
あるいはインファント島は、この時代にはもうなくなってしまったか。

『怪獣大戦争』の時にはX星人が登場したが、今回はキラアク星人だ。
銀色の制服を着ているが、リーダーだけちょっといい服のようだ。
今見ればおかしな人にしか見えないが、私が子どもの頃に本で見たキラアク星人は宇宙人感いっぱいだったね。
キラアク星人は怪獣ランドにいた怪獣たちを操って、世界中の都市を攻撃する。
X星人もまだるっこしいことしないで、最初からこうすればよかったのにね。

「ニューヨークにゴジラ、モスクワにラドン、北京にモスラ、パリにバラゴン、ロンドンにマンダ」とニュースで言っているが、パリで凱旋門を破壊していたのはゴロザウルス。
情報が錯綜している。

世界各国の都市を破壊する怪獣が、怪獣ファンにはたまらない。
モノレールに巻き付くマンダとか見ててワクワクするぞ。
海の中でしか活動出来ないわけではないのだ。
向こうにはゴジラが見えるし。

最後は地球の怪獣たち10匹とキングギドラの対決。
なのだが、さすがのキングギドラも多勢に無勢だ。
10対1はあまりにも不公平。
ゴロザウルスがキックでキングギドラをぶち倒す。
そこへモスラとクモンガが糸攻撃。
アンギラスとゴロザウルスに噛まれ、ゴジラに首を踏んづけられる。
バラン、バラゴン、マンダは特に活躍はなし。
これだけいれば、どうしてもこういう余ってしまう者が出るのは仕方がない。
倒されたキングギドラにミニラが乗っかるのがちょっとイラッとする。

キラアク星人は「キングギドラは宇宙怪獣です。地球の怪獣では歯が立たないでしょう」なんてことを言っていた。
実際、キングギドラはもっと光線を吐いて、最低でも3、4匹はやっつけられなかったのかね。
相手は多人数なのだから、光線をもっともっと吐きまくって距離を保つのが正解だ。
で、宮本武蔵のように、相手が複数いても、対戦するのは常に1対1の状態にする。
1対1なら負ける相手はいないんではないかな。
1対1じゃなくても首が3つあるので、1対3ぐらいでも何とかなったかもしれないぞ。
まずは空を飛んで、同じく空を飛べるラドンとバランを誘い出して倒す。
他の怪獣は飛べないから見ているしかないぞ。
せいぜい下から石でも投げる程度だろう。
制空権を取ったら地上に降りないで空中から攻撃する。
吉岡伝次郎を切り捨てた武蔵のように、ミニラあたりは楽勝で倒せるだろう。
マンダあたりも倒せそうだ。
モスラやクモンガの糸の射程距離がわからないが、糸が届かなければこいつらも倒せるだろう。
体の小さいゴロザウルスやあんまりやる気のないバラゴンも倒せそうだ。
残りはゴジラとアンギラスなので1対2。
キングギドラは首が3つあるので、3対2と数える事も出来るぞ。
これなら数的にも優位だ。
あるいは最初からゴジラ狙い。
他の怪獣から何をされても気にしないで、とにかくゴジラを倒す。
敵のリーダーを倒すのだ。

キングギドラが倒されてもまだ終わりではない。
キラアク星人の円盤が化けたファイヤードラゴンがいた。
こんな切り札があるなら、キングギドラに任せっきりにしないで、キングギドラと一緒に戦えばよかったのにね。