ウルトラQ第1話『ゴメスを倒せ!』
ウルトラQは昭和41年1月2日から7月3日まで27話が放送された。
令和の今に続くウルトラシリーズの原点だ。
ウルトラ怪獣図鑑みたいな本にも、ウルトラQの怪獣はチャンと出てくる。
ウルトラシリーズの原点ではあるが、ウルトラマンは出てこない。
ウルトラQの世界にウルトラマンと科特隊を足したのが『ウルトラマン』なのだ。
現在ウルトラマンはいっぱいいるし、そろそろウルトラマンQってのが出てきてもいいんじゃなかろうか。
ウルトラマンQ、身長はQメートル、体重はQトン、必殺技はQリウム光線、活動時間はQ分だ。
変身するのはモチロン万城目。
最初の対戦相手はゴメスだ。
ウルトラQ第1話『ゴメスを倒せ』
昭和41年1月2日放送
ウルトラQの第1話は『ゴメスを倒せ』
「ここは、東京と大阪を結ぶ弾丸道路のトンネル工事現場です。中ではたくさんの人が、一刻も早くトンネルを完成させようと働いています。今夜は、このトンネルの奥で起こった、ある事件をお伝えしましょう」
トンネル工事現場の映像に石坂浩二のナレーターで始まる。
画面は真っ暗になり目玉がギョロリ。
テーマ曲が流れる中、動く怪獣にかぶさるように『ゴメスを倒せ!』とタイトルが登場。
歩き始めるゴメス。
ゴジラが歩いているようだ。
ゴジラに角をつけたような怪獣ゴメス。
それは当然で、実際ゴジラの着ぐるみを改造したのがゴメスなのだ。
ゴジラの頭部に角、口に牙、手の爪を伸ばし、背中に甲羅、胸から腹にはヒレみたいなのが付いている。
改造したとはいえ番組にゴジラを出すとはやはり円谷プロ。
東映やピープロにはマネが出来ない。
『ゴメスを倒せ!』には怪獣がもう一体、原始怪鳥リトラが出てくるが、こちらはラドンの改造だという。
映画にはなかった『ゴジラ対ラドン』がテレビ番組で実現だ。
ゴメスの目撃者の作業員はアル中扱いされるが、演じるは大村千吉。
他にも何か演じてるんだろうが、特撮モノで怪獣を見つけては大騒ぎしてばかりのイメージしかない。
ヘリコプターで現場へと出発する3人組。
万城目と由利子と一平の3人だ。
パイロットの万城目を演じるは佐原健二。
東宝の特撮映画を見れば必ず出てくる感じがするが、今度は特撮テレビ番組での主人公だ。
ウルトラセブンにも参謀役で登場する。
由利子はカメラマン。
次作のウルトラマンにはフジ隊員として引き続き登場する。
助手は一平。
ウルトラマンやウルトラセブンにはチョイ役で出演だ。
この3人組がウルトラQのレギュラーで、ほとんどの回に登場する。
工事現場に着いた万城目、由利子、一平の3人は大きな丸い物体を調査。
現場にいた少年によれば隕石ではなさそうで、思い出せないがどっかで見たことはあるようだ。
何かの音を聞きつけた万城目。
「奥へ入ってみない? そのトンネルの中のトンネルってやつを見に」と提案する由利子。
「そうだな。怪物のこともあるし」と万城目。
トンネルへ入っていく万城目と由利子が心配そうな少年。
「大丈夫だよ。原子銃とガンマー光線銃を持っているからね」と笑いながらトンネルへ向かう万城目。
原子銃とガンマー光線銃とは一体なんだ?
とりあえず普通の拳銃よりもスゴそうではある。
万城目と由利子はトンネルに入っていくが一平は連絡係として置いてけぼりだ。
少年は丸い物体を金峰山で見たと思い出し、記者と一平の3人で金峰山へ行く。
見せてもらった寺の古文書にはゴメテウスとリトラリアの絵が書かれていた。
字が読めぬが、ゴメテウスは兒瑪照傴主、リトラリアは裏屠羅離荒とでも書かれていたか。
「ちょっと拝見」とジロー。
リトラリアは鳥類と爬虫類の中間生物、姿は優しく美しいが、クチバシからはシトロネラアシッドという強力な溶解液を出す。
という事で、丸い物体はリトラリアのサナギのようだ。
サナギというより卵と言った方がいい気もするのだが。
ゴメテウスは哺乳類、肉食で凶暴なヤツだと説明する。
よくこんな事知ってるな。
地震が起きて洞窟が崩れ出し、閉じ込められる万城目と由利子。
閉じ込められた二人はゴメスを発見するが、ゴメスも二人を見つけ襲いかかる。
卵に耳を当てる少年。
「生きてる」
「これで温めて、リトラを孵すんです。ゴメスを倒すには、リトラに戦ってもらわなければ」
卵を温め始める少年と少年の家来のようになった一平。
地上からの光を見つけるがゴメスに追われる二人。
原子銃もガンマー光線銃もまったく使う素ぶりを見せないな。
由利子が落としたカメラのフラッシュを焚く万城目。
写真写りを気にしてか、ちょっと怯む様子のゴメス。
原子銃とガンマー光線銃は落としたのか出番がない。
卵が光り出す。
「下がるんだ。危ない」と言いながらもちゃっかり少年を盾にしている一平。
卵の殻を破ってリトラが出てくる。
羽ばたいて空を飛ぶリトラ。
「リトラ。さあ、のんびりしないでゴメスをやっつけておくれよ」
万城目と由里子は救出に来た作業員と合流するが、ゴメスが追いかけてくる。
それで全員がゴメスに追っかけられる。
何とか地上に出てくるが、ゴメスも地上に出てくる。
ちょっと尻餅。
恥ずかしさをゴマかす為か土を積んだ車両を投げつけた。
ここからゴメスとリトラの戦いが始まる。
人間たちは見ているだけで、時折ジローがリトラにハッパをかける。
「どうしたんだリトラ。早くやっつけてくれ」
ゴメスの尻尾に吹き飛ばされるリトラ。
「シトロネラアシッドを使うんだ。早く早く」と急かすジロー。
ゴメスに捕まったリトラだが、突っついて反撃、目玉をも突っついて脱出だ。
口からシトロネラアシッドを吐くリトラ。
光線のようだ。
効果バツグンで苦しがるゴメス。
ゴメスはデカいとはいえただの哺乳類なので、口から炎を吐くとかの武器は無いようだ。
「やったー。やっぱり僕の思った通りだったね」
ゴメスはひっくり返り動かなくなった。
「ジローくん、君の言う事は間違いなかったね」と万城目。
「うん」
リトラが倒れたゴメスに乗っかった。
「あ」
「どうしたんだ、ジローくん」
「リトラ」
生まれてからホンの数分でリトラは死んでしまった。
体力が尽きたのだろうか。
「東海弾丸道路の北山トンネルを抜けると、小さな墓標が立っています。それはジローくんが立てた勇敢なリトラの墓なのです」
最後は石坂浩二のナレーションで終わる。
『ゴメスを倒せ!』は制作順では12番目だが、一番最初に放送された。
怪獣が2匹も出るのはツカミとして十分だった。
人気になったウルトラQは続編のウルトラマンを作り現在はウルトラマントリガーが放送中だ。
〈関連する記事〉