ウルトラマンレオ第11話『泥まみれ男ひとり』の感想

ウルトラマンレオ DVD VOL.3
今回はウルトラマンレオの中ではそこそこ有名なシーンが2カ所出てくる。
一つは星人を追いかけているゲンが一般人に「おい、そいつを捕まえてくれ」と言うシーン。そりゃないだろーってツッコミが入る場面だ。
もう一つはウルトラマンレオがヌンチャクを使うシーン。当時の子供達はブルースリーに憧れてせっせとヌンチャクの練習をしたものだ。

第11話『泥まみれ男ひとり』

城南スポーツセンターで懸垂をしている子供達。
一番多くできたのが一郎。森三中の一人にそっくりだ。
大村の声がうるさくて失敗する。
百子とタケシとゲンの会話で一郎の境遇を説明する。
アメリカにいる両親と離れて叔父のところで生活、彼の叔父はボクシングのヘビー級チャンピオンであるマイティ松本だった。
一郎はおじさんが好きなのだろう。頑張り屋が好きなマイティ松本に認めてもらいたくて、懸垂30回を目標にしているのだ。
マイティ松本はボクシングのヘビー級チャンピオン。ついに日本人のヘビー級チャンピオンが誕生したのか。

ケットル星人が街に現れた。
等身大の宇宙人だ。
MAC隊員たちと格闘している。なぜか銃を使わずに素手での格闘だ。MACもMACなら宇宙人も宇宙人だ。
隊員が鉄棒で殴りかかっても、ケットル星人は素手で素手で受け止め、折り曲げた。
怪力が自慢なのか。それであえて素手での格闘なのだろう。
だがMACの隊員はそれにつきあわず銃を使えばいいのではないか。

ゲン以外の隊員をすべて倒し、走り出すケットル星人。
ゲンは追跡する。
何で走って追いかけるのか。銃で撃てばいいんではないか。今回は銃が禁止なのだろうか。まさか、弾切れか。

そこに一人の男がシャドーボクシングをしながらやってきた。
ゲンはその男に言う。
「おい、そいつを捕まえてくれ」
MACの隊員ならば「危ないから逃げろ」ぐらいは言うはずだ。ゲンはやはり宇宙人だからか。地球のことは地球人が守れと心の奥底では思っているのか。そうでなければ出てこないセリフだ。
あるいは、 MACの隊員よりも一般人の方がよっぽど頼りになると思ったのだろうか。

男はボクシングのスタイルでケットル星人と闘った。腕に自信があったのだろうが、ケットル星人に投げ飛ばされ、頭を壁に撃って死んでしまう。
かけつけた隊員の一人が気づく。「マイティー松本だ」
ボクシングのヘビー級世界チャンピオンだ。確かにMAC隊員よりも頼りになったかもしれない。

おじさんが死んでしまって悲しい一郎。
ゲンの慰めの言葉も一郎には届かない。

MAC基地。一人でいるゲン。
ダンが近づいてくるが開かない自動ドア。ダンは体を青白く光らせすり抜けて入ってくる。
どういうことなのだろう。ドアが開かないからテレポーテーションで入ってきたのか。それともMACの技術なのだろうか。
で、ダンに杖で殴られるゲン。

一郎は懸垂10回で自転車を買ってもらう約束をした少年と喧嘩を始める。
友達に馬乗りになって殴る。
止めるゲン、タケシと百子。
「懸垂の10回くらい、女の子にだってできるよ、それに自転車だなんて甘いよ」と一郎。
「一郎君、人のことなんかどうだっていいじゃないか。それより30回に挑戦することの方が君には価値があるんじゃないか」腕を組んで一郎に言うゲンだが、「おじさんはMACに協力したんだよ、それなのに、それなのに死んでしまったんだ」と言われてしまう。
ケットル星人に出会ったのだから、協力しなくても殺されてしまったかもしれないし、死んでしまったのは仕方がない。

空手の練習に励むゲン。そこにケットル星人が現れたとの連絡が入る。

再び現れたケットル星人。
今度は銃を使う隊員たち。それでもみんな蹴散らされる。
ケットル星人は墓参りに来ていた一郎と叔母さんに遭遇。叔母さんを右ストレート一発で殴り殺すケットル星人。女には手を上げるが、一郎には手を出さない。

勇ましいBGMで殴りかかるゲン。格闘するゲンとケットル星人。ケットル星人はダンの銃撃で逃げていく。
「少年は残されたおばさんも失った。少年の心は閉ざされ、誰の心も言葉も信じないだろう」
膝をつくゲン。
「立て、立つんだ」とゲンを立ち上がらせるダン。「少年の心に光を甦らせることの出来るのは、お前しかいない」
見つめ合うダンとゲン。

森の中で泣きながら懸垂をしている一郎。
「頑張れ」と声をかけて寄ってくるゲン。
「おおとりさんもMACも頑張ってなんかいないじゃないか」
一郎はゲンに対しても心を開こうとはしなかった。
そこでゲンは両親と兄弟を星人に殺されたことを告げる。
そういえばレオの両親を殺したのはマグマ星人だが、第2話で逃走して以来さっぱり出てこない。
どこでなにをしているのか。
第2話ではマグマ星人との戦いは始まったばかりだとのナレーションがあった。
ウルトラマンエースのヤプールみたいな役割だと思ったが全然違った。

ゲンの話に納得した一郎。
星人が現れたらゲンが倒す、一郎は懸垂30回。
二人は約束を交した。

一郎が鉄棒から落ちるのを助けた時に何かを閃いたゲン。
「わかったぞ、落ちるんだ、星人も落ちるんだ」
それから謎の特訓に励むゲン。
サンドバックを空中に投げては受け止めている。
「やったー」と一郎。
「できた」とゲン。
ちょうどそこで星人が現れたと連絡が入る。
格闘しているMAC隊員とケットル星人。
そこに走ってくるゲン。特訓の成果か、背負い投げで星人を投げ、落ちてくる星人の両足を取り、バックドロップのように地面に打ち付けた。

これはいかんと巨大化するケットル星人。いつものごとく巨大化すると等身大とはデザインが変わった。
ウルトラマンレオに変身するゲン。
槍を持っているケットル星人。
レオはエントツ2本をヌンチャクにしてケットル星人の槍に対抗だ。
ブルースリーが流行ったので、それを取り入れたのだろう。
名場面集なんかでよくこのシーンを見るが、ヌンチャクを使ったのはこの回だけだ。
ゲンがヌンチャクを特訓している姿は見たことがないが、昔から出来たのだろうか。
今回が初披露だったので、やはり人知れず特訓していたのか。
だがヌンチャクは槍によってあっさりと壊れてしまう。
格闘が続くが最後はレオキックでやっつけた。

一郎はアメリカの父のもとへ旅立っていった。
今度帰国するまでに懸垂50回というゲンに100回とぶちあげる。
「あっはははは、欲張りめ」とゲンに言われる。
笑顔で見送るゲンとスポーツセンターの面々。
おじさんやおばさんが死んでしまった一郎だが、両親がいないわけではなくアメリカにいるのだ。何かアメリカに行けない理由でもあったのだろうか。

(昭和49年6月21日放送)


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