ウルトラマンレオ DVD VOL.3 |
ウルトラシリーズには数多くの怪獣や星人が登場した。その中で呼び名が怪獣でもなく星人でもない星獣は、ウルトラセブンのギエロン星獣と今回のギロ星獣だけだ。
ギエロン星獣に対してギロ。
わざと似たようなネーミングにしたのだろうか。
第9話『宇宙にかける友情の橋』
遊園地に行ったゲン、百子、トオルとカオル。遊園地では怪獣ショーが行われている。進行役のお姉さんがゼットンとかヘルツとかベロンとか紹介している。
その中の一匹が本物の怪獣ギロ星獣だった。ソフトクリームを舐めながら見物していたトオル。ギロはソフトクリームをねだるとトオルはソフトクリームを渡す。ギロと会話をするトオル。
主催者は気がつかなかったのだろうか。
あれ、見たことのない怪獣だ。おかしいなとか。
お姉さんだって紹介できないだろう。次の怪獣は、あれ、見たことのない怪獣ねとか。
そもそもなんでギロが遊園地の怪獣ショーにいるのだ。
百子が、ソフトクリームを食べるギロを見て疑問を口にする。「あれ、ぬいぐるみかしら」
それでゲンは宇宙人らしく目を光らせてギロが本物だと見破る。百子の言葉がなければ見逃していたのだ。百子の観察力は鋭い。
本物だと見破られ、ギロと逃げるトオル。
遊園地の中だというのに車で追いかけるゲン。
遊園地で巨大化するギロ。
ゲンはウルトラマンレオに変身して戦いが始まる。
遊園地で変身したりして、誰かに見られるんではないだろうか。変身のときには「レオー」と大声で叫んでいるし、誰かに気づかれるだろう。
優勢に戦っていたレオだが、途中で消えるギロ。トオルも一緒に消えてしまった。
MAC基地に戻ったゲン。
「はっきりした作戦もないままに変身することは厳重に禁止してあるはずだ」
「いや、しかし今度の事件はトオルの命が…」
「その通り、トオルの命がかかっていた。それでお前、人質を救うことが出来たのか? ゲン、この俺が変身を禁じたのは、こういう事態をおそれていたからだ。お前が変身すれば、怪獣の方も絶対に勝とうと思い始めるんだ。ゲン、怪獣の手でトオルが宇宙へ連れ出されたらどうなるか、お前そこまで考えたか?」
ダンはそう言うが、変身しなかったらしなかったで、結局トオルは連れ去られたのではないだろうか。はっきりした作戦で変身とはどういうことだ。特訓をやって勝てるようになったら変身ということだろうか。
遊園地に再び現れるギロ。
集合するMAC隊員たち。
メリーゴーラウンドに乗っているトオルとギロ。
楽しそうなトオルはMAC隊員たちを遊びに誘う。
ゲンはメリーゴーランドの前に立ち、「僕も仲間に入れてくれないかな」とトオルに話しかける。
「その木馬を一度止めてくれないかな」
トオルが素直に木馬から降りたときに、ゲンはギロを銃で撃つ。MACの隊員たちもギロに銃を撃ちまくる。
攻撃されたギロは再び姿を消す。
ギロはなんで再び現れたのだ? 遊園地で遊びたかったのだろうか。
トオルは助けられたが、そのまま眠り続ける。夢の中でギロと話し、遊んでいる様子だった。
うわ言を言い続けるトオルを残し、病院の廊下へ出るダンとゲン。
「隊長、ギロ星獣は僕が変身しなければ何もしなかったし、何か特別な星獣じゃないでしょうか」
「いや、今にきっと破壊を始める。ギロ星獣も決して例外ではない。奴の武器は2本の触手から出す白い液だ。その液を跳ね返すんだ。すぐ特訓に入れ」
「しかし隊長」
「星獣の犠牲者が、ここにいるんだ。相手は必ずまたやって来る。新しい犠牲者が出た時、お前は指をくわえて見ているのか。地球はお菓子で出来た夢の国ではないんだ」
被害が出てからでは遅いとダンは判断。実際にトオルが連れ去られたし、ダンはギロ星獣が悪い奴だと知っていたのだろう。
泡を相手に特訓しているゲン
二本の触覚から出す白い泡がスゴイらしい。
体を小さく丸めて攻撃する特訓だ。
だが、まだギロ星獣を倒すことに疑問のあるようなゲン。
ダンは倒すことだけ考えればいんだと言う。
そんな二人のところへ百子がやってきた。トオルが病院からいなくなったと言う。
「なんだって?」と驚くゲン。
「ギロだ、奴に連れ出されたんだ」とダン。
今度は巨大化したギロが遊園地に出現する。MACが出動し攻撃を開始する。
トオルはギロ星獣の中にいた。
特訓に励んでいたゲンは技を完成させる。ゲンはスポーツセンターのユニフォームだったが、いつの間にかMACの制服に着替え、スポーツセンター内を走っていたのがいきなり背景が青空になり、そしてウルトラマンレオに変身した。
ギロ星獣とレオの戦いが始まる。
トオルは「やめてくれー」と叫ぶ。
2本の触覚から出された泡を浴びるレオ。
ピンチとなるがマッキー3号の援護で一息つく。
トオルを助け出すレオ。
そこからメルヘンチックな音楽が流れ出す中で戦うレオとギロ。
いつの間にかチョップで触覚を折る。するとひっくり返り泡になったギロ。
最初の戦いのときはいきなり消えて逃げたが、今回はなぜ逃げなかったのだろう。逃げればレオも追ってこれないようだったのだが。
「ギロー、ギロー、ギロー」死んで等身大に戻ったギロにトオルが駆け寄る。
「トオル、泣くのはよせ、君だってMACの仕事の意義はわかってるはずじゃないか」と大村。
「わからないよ、隊長はどんな怪獣だって全部敵だと思ってるじゃないか」
ダンを睨みつけるトオル。
だが、それは仕方がない。MACとはモンスターアタッキングクルー。怪獣を攻撃する部隊なのだ。その隊長がダン。どんな怪獣だって全部敵だと思って攻撃するのだ。
「ギロは地球では何も悪いことはしなかった。攻撃したのはいつもMACのほうが先だったじゃないか。僕はもうMACなんかいらない、レオもいらないよ」
「トオル、君は確かに星獣と仲良く出来た。そして広い宇宙に平和で優しい怪獣のいることを知った。それだけでも大発見じゃないか。我々大人もね、君から大事なことを教わったと思ってるんだよ」
また大村の発言。だがギロが平和で優しい怪獣かどうかは疑問だ。ダンが知っているギロ星獣は2本の触手から出す白い液が武器の怪獣だ。
「だけど、だけどギロは死んじゃったじゃないか。やっぱり僕はギロと一緒に宇宙に行けばよかったんだ」
そんなことを言うトオルにダンは「ギロを生き返らせたらMACを許してくれるか?」と言う。認めたのか。今回のギロ星獣がいいやつだったと認めたのか。ギロ星獣にも個体差があるのだろうか。
ダンの条件は、ギロが生き返ったら宇宙に帰ってもらうということ。
ダンがトオルと話している間にゲンはウルトラマンレオに変身、目から謎の光線を発射する。その光線はギロを生き返らせた。
こんなこともできるのだ。
レオ、スゴイ。だが、こんなことができるなら、トオルの父や白土隊員の恋人とか蘇らせればいいんではないか。
鈴木隊員とかも。第1話の津波でなくなった人々も。
今度はビームランプから緑の光線を出すレオ。笑い出すギロ。今度はお笑い光線なのか。
生き返らせただけでいいのに、なぜ笑わせるのだ?
光線技に慣れていないので、間違って出してしまったのかもしれない。
「ギロー、さよならー。また来てねー、さよーならー」夕日をバックにトオルが言ってほのぼの終わる。
ギロは結局何をしに来たのかはわからない。
まあ、何をしに来たのかよくわからなかったのはウルトラセブンでもよくあったし、レオはほとんどがそうだ。
(昭和49年6月7日放送)
〈関連する記事〉
ウルトラマンレオ第8話『必殺! 怪獣仕掛人』の感想
ウルトラマンレオ第7話『美しい男の意地』の感想
ウルトラマンレオ第6話『男だ! 燃えろ!』の感想
ウルトラマンレオ第5話『泣くな! おまえは男の子』の感想
ウルトラマンレオ第4話『男と男の誓い』の感想
ウルトラマンレオ第3話『涙よさよなら…』の感想
ウルトラマンレオ第2話『大沈没! 日本列島最後の日』の感想
ウルトラマンレオ第1話『セブンが死ぬ時!東京が沈没する!』の感想