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2017/10/23

食事の準備


私が子供の頃から、食事の準備はほとんど母がしていた。
社会人になってから私は家を出て一人暮らしだった。
母とは数年前からまた一緒に住んでいるが、食事の準備はたいていは母がやっていた。
だんだんメインの準備は私がして、母に手伝ってもらう感じになっていた。
その手伝いも最近では出来なくなってきた。
特にここ一ヶ月ぐらいで、ほとんど出来なくなった。
私の言っていることが理解できないようだ。

「しいたけを切って」と言うと「はい」と返事はする。
返事はするのだが、行動が伴わない。
スプーンを持ってご飯をかき混ぜたりする。
で、フラフラフラ〜と持ち場を離れていく。
連れ戻してもダメだ。
私がしいたけを切ってみせると、「ほぉー」とか「へぇー」とか言って感心している。
ほら、やってみてと言っても出来ない。

洗い物をするスポンジがお気に入りで、これをしょっちゅう切り刻んでいる。
食べ物だと思っているのだ。
味噌汁に入れようとするので困る。
食べ物だと思っているくせに、洗い物をするときにはキチンとスポンジを使う。

「ごはんをよそって」と言ってもわからない。
しゃもじとごはん茶碗を説明してもわからない。
私がやってみせて、同じようにやってもらおうとしても出来ない。
出来ないというか、やらない。
私がご飯をよそっている姿を見て、「ほぉー」とか「へぇー」とか言って感心している。
自分がやりたくないから、人をおだててやらせているのではなどと勘ぐる。

「味噌汁をよそって」と言ってもわからない。
「こうやってやるんだよ〜」と見せても出来ない。
火をつけるのは好きなのか、コンロの火を消してもすぐにつけようとする。

母だと時間がかかるので、私がどんどん作業を進めていく。
朝だと私は仕事に行くので時間がないのだ。

夕飯の準備は時間に余裕があるが、夕方の母は眠い。
デイサービスから帰ってくるのは4時半過ぎ。
その頃はまだ元気だが、5時を過ぎた頃からはかなり眠くなるようだ。
晩ご飯の準備のときにはもう眠くて仕方がない。

いわゆるおふくろの味というのを今後は食べられないと思うとちょっと寂しい。
だがまあ仕方がない。


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