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2017/09/25

道無き道を突き進む母

道無き道を進む母
一昨日の昼休み、弁当を食べていたら母が通っているデイサービスから電話があった。
母が暴力をふるっていると言う。
職員だけならまだしも、業者の人にも暴力をふるっていると言う。
他の利用者への暴言もあり、興奮していて手がつけられない状態だと言う。
またかとちょっとうんざりする。
とにかく行ってみた。

行ってみると、母はもう暴れてはおらず椅子に座っている。
大人しく座っているのではなく、座りながら前にいる職員を口汚く罵っている。
そんな言い方をすれば絶対嫌われるだろうなというような口ぶり。
他の職員から、ここ最近は特に酷いと説明された。
落ち着いた頃を見計らって頓服薬を飲ませた。
本当は暴れる前に飲ませるのだろうが、暴れるそぶりを見せた頃だともう飲むはずもない。

薬を飲んだからといって、すぐに効果は現れない。
私は母を車に乗せ気分転換のドライブをする。
興奮は徐々に収まってきたのか大人しくなった。
だんだん眠くなってきた様子。
そのうちに眠ってしまった。

家に連れて帰ると、母は布団に入って眠った。
眠ったが、30分おきぐらいにトイレに起きてくる。
その都度私が声をかけると、意味不明の返事を返してくる。
薬のせいだろうか、多少ろれつが回っていない。

翌日、私が起きると、鍋にはバナナが皮ごと切り刻んだ味噌汁ができている。食器洗いのスポンジもちぎられて入っていた。
一晩寝ると母の興奮はたいていはリセットされる。おかしいことはおかしいが、興奮は収まった様子。
母は一番上にパジャマを羽織った姿だ。
味噌汁を新たに準備し始めると、母は私の知らない誰かの名前を言いながら、その人はいないのかと聞いてくる。
昔の友達か誰かだろうか。
他にも何かブツブツ言っているが、声が小さくて聞き取れない。
朝食が出来上がってさあ食べようという時に、母は迎えに行くと言って出て行った。

私もご飯をそのままにして追いかけた。
母はいつもデイサービスに持っていく着替えや上靴の入ったバッグを持っている。
母は左右を見渡しながら、近くの山に入っていく。
崖が崩れて立ち入り禁止の看板とロープを無視して進んでいく。
そして道もない山の斜面を登り始めた。
足場が悪いのでゆっくり進む。
ちょっと踏み固めてから足を出す。
私が「道がないから戻ろう」と言っても戻らない。
私は半袖だったので蚊がしょっちゅう腕に止まってくるので叩き潰す。
最近の母は散歩中すぐに疲れたと言って歩く速度が落ちるのだが、何も言わずにグングン進む。
冒頭の写真はその時の一枚だ。
どこにこんな体力があるのだ。

20分ぐらい歩いてようやくまともな道に出た。
道を歩いていた20代半ばぐらいの女性はびっくりだ。
パジャマを着たばあさんとおっさんが道もない所から出てきたのだから当然だ。


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