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2017/08/28

帰宅願望

認知症の母は朝から帰宅願望がある。
朝の5時過ぎくらいから起き出してガサゴソガサゴソやっている。
なんかやっているなあと思いながらも、眠い私はたいてい7時ぐらいまで寝ている。
私が起き出す頃には母の荷物がまとめてある。
「今日帰るから」と母は言う。
服や下着や茶碗や箸や筆記用具や薬などなど。
適当にバッグに詰め込んでいるだけなので、グチャグチャだ。
「まあ、とりあえずは朝ごはんの準備をしよう」と言って一緒に朝食の準備を始める。
準備をさせながら、母にばれないようにソーっと荷物を戻していく。
この頃から母は眠くなる。
で、朝食の準備が整う頃までに帰宅準備の痕跡を消す。
週のうち2、3日はこんな感じだ。

朝食を食べ終え、後かたずけが終わって一段落したところで散歩に連れ出す。
散歩は大好きで、行こうといえばほとんど拒否しない。母の前世は犬だったのかもしれない。
30〜40分程度近所を散歩する。
スタート時には「今日帰る」などと言っているが、帰ってくる頃には大人しくなっている。
かなり眠くなっているのだ。

散歩から戻ってくるとデイサービスが迎えにくる時間だ。
以前はデイサービスの迎えが来るまで家で待っていたが、それだと様々な心配事を言い出すのでキリがない。
外に連れ出して気をそらすのが一番だ。散歩が効果的だとわかったのでどんどん連れ出すようにした。

9時半近くになるとデイサービスが迎えにくる。以前は行かないと言ってモメたことも多かったが、最近は少なくなった。デイサービスが何のことかかわからなくなっているのだ。
母を送り出すとほっと一息。
私はそれからようやく仕事に行くのだ。

デイサービスからは夕方の5時前後に帰ってくる。家には誰もいないので、私が帰るまで一人で待っている。
仕事から帰ってきた私が「ただいま」と言うと母はいつも眠そうだ。
布団を敷いて寝ていることもある。
私が帰ってくると起き出してくる。夕方はかなり眠くなるらしい。
数ヶ月前までは、この時間に帰宅準備をしていた。
私が仕事から帰る頃には準備が出来上がっていた。
それが週に2、3日あった。
それが今は朝になった。
夕方に帰宅願望が多いというが、人によってそれぞれ違うのだ。

夕方の母は眠すぎて、帰宅願望が出ないのかもしれない。
眠い母を連れて散歩に出かける。
朝とは違うルートにする。
6時過ぎに散歩から帰宅し、夕食の準備をする。

ご飯を食べるとまた眠くなるので、8時前には寝てしまう。
このまま起きてこなければ、ホッと一息だ。


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