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2017/10/24

ウルトラマンレオ第13話『大爆発! 捨身の宇宙人ふたり』の感想

ウルトラマンレオ DVD VOL.4
昭和46年から始まる第2次怪獣ブーム。
ウルトラマンレオの放送前年の昭和48年には、円谷プロだけでも『ウルトラマンタロウ』『ファイヤーマン』『ジャンボーグA』と3本の特撮ヒーロー番組が作られている。

他にも実写ヒーロー物として、
『仮面ライダーV3』
『キカイダー01』
『ロボット刑事』
『風雲ライオン丸』
『鉄人タイガーセブン』
『イナズマン』
『魔人ハンター ミツルギ』
『スーパーロボット レッドバロン』
『流星人間ゾーン』
『ダイヤモンド・アイ』
などが放送された。

これだけの量を見せられた子供達は嬉しい反面、飽きたのだ。
ブームのピークが過ぎてから放送開始のウルトラマンレオには、ブームを取り戻す力はなかった。

第13話『大爆発! 捨身の宇宙人ふたり』

いきなり画面がグルグル回って番組が始まった。
バイブ星人をゲンが追いかけている。
地球侵略など考えていない、いつものような通り魔的な宇宙人なのだろう。

バイブ星人の行く手を塞ぐようにパトカーが止まる。
MACロディーではなくパトカーだ。
パトカーからは当然MAC隊員ではなく、警官が出てきてバイブ星人に発砲する。
バイブ星人は飛び上がり回転し始め、そして消えた。
ゲンは空中に向かって闇雲にキックするが空振りに終わる。
そんなゲンのナイフが勝手に浮かび上がり、警官の胸に刺さる。
ゲンがナイフを掴もうと手を伸ばした格好が、警官にナイフを投げたと誤解され逮捕される。
主人公が警察に逮捕されるとは、ウルトラシリーズ初ではないか。
このシーンが撮りたかったから、MAC隊員ではなく警官を出したのだろう。
とはいえMACがあるのに警察が星人と戦うのは不自然だ。

MAC本部。
杖の音を響かせながら、ダンが行ったり来たりしている。
高倉長官がゲンを引き取ってきた。うなだれているゲン。こってり絞られてきたという感じだ。
「君の要請通りおおとり隊員の身柄を引き取って来た。しかしまだ容疑が晴れたわけではない」と言う長官。
容疑が晴れたわけではないとは、まだ容疑者のままなのか。

ダンと二人っきりになったゲン。
「お前がいなくても星人は倒せる。俺が倒す」とダン。
ゲンは1週間の停職処分となった。
1週間か。疑いが晴れるまでではないのだ。

トオルとカオル、百子と釣りをしているゲン。だが、釣りをする気はまったくないようだ。
「くそぉー。バイブ星人めー」とゲンは叫ぶ。すると草むらからバイブ星人が出現した。
バイブ星人は、ゲンが叫ぶまで草むらに隠れていたのだろう。ゲンを再び罠に嵌めようとしていて待機していたのか。
百子、トオル、カオルを人質にとったバイブ星人。
MAC隊員達が駆けつける。
ゲンはライターのような爆弾を水中に投げ込む。星人の注意をそらした隙にジャンプしてバイブ星人の背後に回り、百子達を助け出した。
ゲンはバイブ星人を投げ飛ばす。MAC隊員はMACガンで星人を狙い撃つ。
逃げていくバイブ星人。それを追うゲン。

工事現場に逃げ込んだ星人。ゲンは現場の男たちに言う。
「そいつをつかまえてくれー」
ゲンが民間人に協力を頼むのは以前にもあった。
普段からけっこう当たり前にやっているのだろう。

「星人だ、やっちまえ」「やっちまえ」と言う現場の男達。MAC隊員よりも頼もしい。
バイブ星人は飛び上がり、また姿を消す。
今度はゲンの持っていたパイプが宙を浮き、作業員の一人の首に投げつけた格好になった。
駆けつけたMAC隊員達はその現場を目撃した。
赤石隊員が作業員の脈を取るが、首を振る。
「お前は何て事をー」
「お前って奴はー」
「違うんだ。俺じゃない」とゲン。

その時、消えていたバイブ星人が姿を現した。
「あいつだ、あいつがやったんだ」
逃げる星人を追うゲン。

走っていたゲンの足元に杖。足を引っ掛けて転ぶゲン。
ダンだった。
「お前が深追いしたために、また一人の人間が命を失ったんだ。たとえ制服を着ていなくても、お前はまだMACの隊員なんだ。私の言ってることがわかるか」
「すいません」
「謝ってすむことじゃない」
「僕は、僕は自分の手で奴の罠を暴きたいんです」
MACを辞めると言い出したゲン。
ダンは「許さん」と言いながら杖をゲンの肩に投げつけるが、ゲンはそのまま去っていく。
深追いしたのでまた被害者が出たようなダンの言い方だが、ほっておけばバイブ星人は何もしないのか。

MAC本部。
「長官、隊員達のどんな行為も、みなMACの使命を果たすためのものと信じています」
「それが君の責任とどんな関係があるんだ」
「ゲンについても同じことが言えます。私は、ゲンを信じています。 私はゲンの無罪を証明し、星人を倒すことで責任を果たします。必ず、必ず倒してみせます」

林の中で修行しているゲン。
「隊長は死ぬ覚悟なんだ。俺が早く星人の罠を暴かないと」

MAC本部。
ダンはバイブ星人がどうやって姿を消したのか考えていた。
ウルトラセブンの時は第1話からして『姿なき侵略者』。
結構消える宇宙人が出てきたが、どうやって消えていたのかなんてダンは考えていなかった。
消えるくらいのテクノロジーは当たり前だったのだ。
それが何で今回はこだわるのか。

ボロボロのウルトラアイを取り出し見つめるダン。
セブンに変身できれば、その能力で消えた星人も見ることができるのだろう。
レオは見ることができないのだろうか。できないのだろうな。

「バイブ星人め。くっそぉ」
怒って定規を投げるダン。白川隊員の横を飛び、ダーツの的に突き刺さった定規。白川隊員の落とした花瓶がちょうど定規を直撃した。ビヨーンと揺れる定規。
その様を見たダンは、バイブ星人が消えた理由がわかった。
定規を揺らすと見えなくなる。
その理屈で星人も消えたのだ。
そもそもバイブ星人と命名したのは誰なのだ。その名前から消える理由がわかりそうなものだ。

ゲンは林の中で特訓を続けていた。
ナレーション「ゲンは突然あることに気づいた。いくら自分の空手の技が優れていても相手の姿が見えなかったら、それは何の役にも立たないのではないか」
ようやく気がついたのか。だが、気がついただけまだマシか。

MAC本部。
ダンは号令をかける。「東京の街にバイブ星人が現れた。いいか、MACの名誉をかけて星人を倒せ。ゲンを救う道はそれしかない。出動」
MACの、名誉か。

バイブ星人を追い詰めるMAC隊員たち。MACの名誉がかかっているから必死だ。
バイブ星人は飛び上がり、姿を消した。
マックロディーから降り、星人のいそうな方向にビデオカメラを向けるダン。
青島のMACナイフが宙を飛ぶ。
ゲンと同じ状況だ。
ダンに撃たれて姿を現すバイブ星人。
ダンはバイブ星人を追うのを止めさせMAC本部に戻る。

ダンは録画した先刻の戦闘シーンを見せる。
「人間の目には見えない振動をしている。ちょうど自転車の車輪やプロペラのようにな。だが、レンズの目はごまかせない」
スローモーションで画面に映し出されたのは、MACナイフを抜き取るバイブ星人だ。

林で特訓中のゲンに青島隊員から連絡が入った。
「おおとり隊員、おおとり隊員。君の無罪は証明された。すぐ本部に戻って下さい」
MACシーバーを投げつけるゲン。
「そんなに優しい言葉で俺を呼ばないでくれ。俺は星人を倒すまで帰っちゃいけないんだ。帰れないんだよー」
帰ればいいと思うが、帰らないゲン。

ゲンはサンドバック代わりの木の板を殴りつける。
ゲンは揺れる板を見つめている。
「これか」
ゲンもバイブ星人の消える理由がわかったのだ。

怪獣のような姿に巨大化して暴れまわるバイブ星人。鳴き声もすっかり怪獣だ。
等身大のときの面影はまったくない。
ゲンがウルトラマンレオに変身すれば、レオにはゲンの面影がまったくないように、バイブ星人も巨大化というよりは変身なのだ。

マックロディーを出動させ、地上から攻撃する隊員達。
マッキー2号3号も攻撃開始。
MACの攻撃から逃れるため、バイブ星人は高速回転して姿を消した。
次々とビルを破壊する消えたバイブ星人。マッキー2号も撃墜される。

ダンは覚悟を決める。
「ゲン、俺がいなくとも後を頼む」
ダンはバイブ星人の口にマッキー3号で突っ込んで行った。
炎上するマッキー3号。
特攻しなくても、今回はMACの攻撃が効いていたようなので、ダンが指示を出して攻撃させればいいのではないか。
やはりMACには信用がおけないのか。

その頃ゲンは揺れる板に松ぼっくりがぶつかるのを見て、「見えた、見えたぞ。隊長」と叫ぶ。
すると何故かダンの姿が見えたゲン。バイブ星人に突っ込んだダンの姿だ。
「隊長」
ゲンはウルトラマンレオに変身する。

爆発、炎上し倒れるバイブ星人。ダンは空中に投げ出された。
飛んできたウルトラマンレオがダンを受け止めた。

すっかりウルトラ念力を使わなくなったダン。バイブ星人に突っ込んでいかなくても、ウルトラ念力を使えば良かったのではないか。ウルトラ念力を使えば寿命が縮むというが、マッキーで突っ込んで寿命が尽きるよりはいいんではないか。

ダンの元にゲンが手を振ってやってくる
「隊長、僕の不注意でこんなことになってしまって」
「約束通り、私は星人を倒したぞ」
「すいません」
「いやぁ、謝る事はない。私はお前に命を助けられた。礼は、私が言わねばなるまい」
「隊長」
「しかし、よく飛んでる私を見つけることが出来たな」
いやぁーと叫んだゲンは飛び上がり、ダンの前に移動し松ぼっくりを投げた。
「松ぼっくりが教えてくれたんです」
「松ぼっくり?」
テレビを見ていた子供たちも皆ダンのようにポカンとしたことだろう。
松ぼっくり?

(昭和49年7月5日放映)


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