朝は母を連れて散歩をする。
夕方にも散歩をする。
朝の散歩の時にはゴミ袋とゴミ拾い用のトングを持って出かける。
道端に落ちているゴミを拾いながら散歩するのだ。
一日一善。
認知症の母に、強制的にいいことをさせている。
人の役に立たせているつもりだ。
道端には様々なゴミが落ちている。
タバコの吸い殻
タバコの吸い殻が落ちていなかった日はない。週に一回ぐらい、わかばのパッケージが落ちている。
だいたい一箱吸い終わるのが一週間なのか。
まだ火がついている吸い殻が落ちていることもある。
周囲には人はいない。
火事になったりもするぐらいだから、タバコの火はすぐには消えないのだ。
空き缶
ビールや発泡酒の空き缶が圧倒的に多い。ビールの中身が残っていることはほとんどない。
発泡酒の中身が残っていることが多い。
値段が安いからあんまりもったいないと思わずに捨てるのだろう。
時折缶コーヒーの空き缶。
ペットボトル
空き缶に比べるとこちらは圧倒的に数が少ない。持ち運ぶのを前提にしているので、途中で捨てていく人は少ないのだろう。
免許証
一度免許証を拾ったことがある。25歳の男性のものだった。
免許なしで運転しているのだろうか。
後で交番に届けた。
コンビニ弁当
コンビニエンスストアで弁当を買ってきて、歩きながら食べるのだろうか。食べ終わって空になった容器が道路脇に捨ててある。
もちろん割り箸も捨ててある。
風船
ちょっと前に、公園によく落ちていた。風船のついた花火の破片なのだ。
雑誌
私が子供の頃はけっこう落ちていた気がするが、今は滅多に落ちていない。お菓子、お菓子のパッケージ
アリが群がっていることがある。知らずにそのままゴミ袋に入れていると、出てきて手を這い回る。
息を思いっきり吹きかけたりして吹き飛ばす。
アリはどこだかわからない土地で投げ出される。
こういうアリはそのまま死んでしまうのだろう。
それとも何キロ離れていても巣に帰り着く本能があるのだろうか。
あるいは他のアリの群れにちゃっかり混ざったりする個体もいそうだ。
お金
お金はほとんど落ちていない。私が子供の頃はよく拾った覚えがあるが、最近は小銭をあんまり使わなくなったので落ちていないのだろうか。
散歩の途中、母はお金と勘違いして立ち止まり拾おうとする丸いもの。
毎日同じ場所で同じように拾おうとする。毎日新鮮な気持ちなんだろう。
最後に
良い習慣を身につけることは良いことだ。私が認知症になっても、習慣は残るだろう。
朝から晩までゴミを拾い続けているかもしれないが、徳がいっぱい積める。
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