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2019/03/25

【映画の感想】ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃

ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃(昭和44年公開)


ゴジラ映画の中でも異色の作品、それが本作『オール怪獣大進撃』だ。
なぜならこの作品、怪獣達は出てくるが、一郎少年の夢の中でしか出てこない。
つまり、劇中の現実世界には怪獣が登場しないゴジラ映画なのだ。

今この映画を改めて見ると、懐かしいなあってしみじみ思う。
一郎は私よりも何歳かは年上だが、作品の中の世界はまんま私が小さい頃の世界なのだ。
一郎が住んでいるアパートの電化製品や小物が、ああ、あったあった、懐かしいなあって感じ。
タイムスリップした感覚だね。

怪獣が登場するがそれはあくまで一郎の夢の中。
夢の中のゴジラは怪獣王らしく強い。
使いまわしばっかりだが、一郎の夢の中だから、一郎が見た映画が夢の中で再現されていると思えば不自然ではない(か?)。

タイトルは『オール怪獣大進撃』だが、オール怪獣っていうほど、すべての怪獣が出ているわけでもない。
出てくる怪獣はタイトルにあるゴジラ、ミニラ、ガバラ、その他にカマキラス、クモンガ、アンギラス、ゴロザウルス、マンダ、エビラ、大ワシ。
なんとなく雑魚感が漂うな。
モスラやラドン、キングギドラなどの主役級の怪獣は出てこないのだ。
こいつらこそ出てきたら、もうちょっとは人気映画になったんではなかろうか。

ゴジラの息子ミニラは弱虫だ。
ミニラっていうくらいだから小さくて、一郎と同じ大きさだ。
本来のミニラはもうちょっと大きいし、言葉も喋るのだがそこは一郎の夢の中。
だから何でもOKだ。
ミニラは戦う時に大きくなったりする。
一気に大きくなって踏み潰せばいいのだが、そこまでは大きくならない。
名前がミニラだから限界があるのか。

現実世界のいじめっ子ガバラと同じ名前の怪獣ガバラが出てくる。
こいつがあんまり魅力がない。
昭和44年はウルトラシリーズは終わり第2次特撮ブーム前だった。
だが怪獣をさんざん見つくした子どもたちにとっては、なんて事のない怪獣だったのではないだろうかね。

これはゴジラ映画の中の一本なので評価は低い(と思う)。
でもゴジラは出てくるけど、ゴジラシリーズではない映画だったらどうだろう。
夢の中のミニラが果敢にガバラに立ち向かったのに励まされ、現実世界でたくましく成長する一郎。
ゴジラ映画としないで、ゴジラが出てくる普通の映画として公開していたら、もうちょっと評価が上がったかも。
いや、やっぱり上がらないかね。


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