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2023/04/27

カプセル怪獣ウインダム

 カプセル怪獣

ウルトラセブンに登場したカプセル怪獣。

ミクラス、ウインダム、アギラーの3体だ。

自分が戦いたくない時やセブンに変身出来ない時などに使うが、どいつもあんまり強くない。

もっと強い怪獣をカプセル怪獣にしなかったのは、主役の座を取られたくない為だったのか。

ウィキペディアによれば、

『企画段階では『Q』と『ウルトラマン』の怪獣をカプセル怪獣にする構想があり、『ウルトラアイ』の企画書や準備稿ではレッドキング、ペギラ、アントラー、パゴスの名前が挙がっていたが、前作を踏襲しない番組の方針によって上記の新造怪獣に決定した。』

という事だ。

レッドキングやペギラはわかるが、パゴスなんて人気があったのか。


ウインダム

ウインダムはロボットのような外見だがロボットではなく怪獣だという。

サイボーグみたいなものか。

頭にはセブンのアイスラッガーのようなものをつけているが取り外せない。

第1話『侵略者を撃て』にて初登場。

モロボシダンが「ウインダム、頼むぞ」と言いながら投げた黄色いカプセルから出現。

クール星人の円盤を叩き落としたり額から光線を出して撃ち落とす。

動きがいかにも頭が悪そうな感じなのは、あんまりいい電子頭脳を使ってないのだろうか。

合体した円盤に逆襲されダンが回収して出番は終わり。


第24話『北へ還れ!』で2回目の登場。

カナン星人の灯台へ向かうが、電子頭脳を狂わされてダンを襲い始める。

ダンはウインダムをカプセルに戻さずセブンに変身した。

ウインダムを狂ったまま回収しても、次に出すときに狂ったままだと困るので正気に戻そうとしたのだろう。

ウインダムとセブンの戦いになるが、ウインダムは弱すぎて相手にならず。

グルグルと同じ場所を回ってひっくり返る。

セブンはウインダムを正気に戻すが、灯台に向かわせたら再び狂わされた。

同じ事の繰り返しで学習しないセブンとウインダム。

倒れたウインダムを回収するセブン。

番組的にはこの回に敵の怪獣が出てこないので、ウインダムを狂わせてセブンの相手にしたんだろう。


3回目は『セブン暗殺計画(前編)』に登場。

ガッツ星人が悪巧みしてそうなので、ダンはセブンに変身せずウインダムを出現させる。

ウインダムは圧倒的な体格差で人間大のガッツ星人を踏んづけようとするが逃げられる。

ガッツ星人がパッと移動したのはテレポートか、それとも最初から実体のないホログラムかなんかか。

ビルの上に出現したガッツ星人を叩き潰そうとしたがまた逃げられる。

という事でビルを叩き壊しただけのウインダム。

その後出現したガッツ星人の円盤からの攻撃を受けひっくり返って爆発した。


身長:ミクロ〜40メートル

体重:2.3万トン

出身地:メタル星


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2023/04/24

【映画の感想】幻魔大戦

 幻魔大戦

昭和58年公開

角川のアニメ映画第1弾、それが『幻魔大戦』だ。

『幻魔大戦』は小説家の平井和正と石ノ森章太郎(当時は石森)が原作のマンガ。

秋田書店のサンデーコミックスで全2巻が発売されていて、石ノ森ファンだった私は小学生の時に読んだが、こんなところで終わるのかって感じで中途半端だった。

小説は平井和正が書いていて、コチラは中学生の時から読み始めたが、物語が途中から幻魔との戦いより組織内の話ばかりになったがナントカ読み続けていた。

そんな幻魔大戦の映画化だった。

映画のキャラクター達を初めて見て、あれ?マンガと全然違うと思ったのだが、そう、マンガの作画は石ノ森章太郎だったが、映画のキャラクターデザインは大友克洋になったのだ。

石ノ森ファンの私としては原作通りのキャラも見てみたかった。

どんな事情があったか知らないが、Wikipediaには、

『大友の起用は監督のりんたろうからの推薦による。マッドハウス社長の丸山正雄は、ヒロイン・ルナのデザインを可愛らしいものにするよう要望したが、大友は「可愛い顔は描けない」としてこれを拒んだ。製作者の角川春樹も、大友の『気分はもう戦争』を読んで、その腕を高く評価していたが、原作者の平井和正は「主人公の顔つきが陰険だ」と大友の起用にクレームをつけた。りんたろうは「大友じゃないなら自分はやりたくない」と降板を示唆し、さらには石森章太郎まで絡む拗れた経緯を辿ったため、後に角川は「『幻魔大戦』は角川映画で最も揉めた作品で、流石の私も疲弊しましたね」と述懐している』

とある。

映画の冒頭に早速ルナ姫が出てくるが、なるほどこれはカワイクない。

もし大友が降板し監督もりんたろうから代わっていたら、石ノ森キャラクターの幻魔大戦が見られたかもしれない。

映画の公開が迫ってくると、歌詞はわからなくてもサビのメロディーだけは覚えた英語のテーマソング「光の天使」に乗って、「ハルマゲドン接近」のTVCMがどんどん流された。

同じ時期に『クラッシャージョウ』と『宇宙戦艦ヤマト完結編』が公開されるので、三つ巴の集客合戦が起こっていたのだ。

Wikipediaによれば、

『配給収入10億6000万円は、同日封切の『クラッシャージョウ』を大きく離すばかりか、『宇宙戦艦ヤマト 完結編』『ドラえもん のび太の海底鬼岩城』を上回るほどに健闘し、アニメ映画としては同年首位の興行成績であった。』

という。

『クラッシャージョウ』もいい作品だったと思うが、やっぱりこの頃のカドカワ映画は勢いがあったのだ。

幻魔と戦うキャラクターはサイオニクス戦士という超能力者たち。

主人公の東丈、王女ルナ、サイボーグのベガ、クンフー使いのタオ、黒人のソニーなどなど全員が目立つわけではないが超能力は子供の憧れ、超能力「絶対零度」はカッコよかった。

全宇宙規模で侵攻する幻魔に対して今回は地球での戦いのみだが物語は完結。

スケールを大きくし過ぎたら終わらないからだろう。


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2023/04/20

ソニーの8ミリビデオデッキ・EV-S700

 EV-S700


昭和60年

249,800円

日本では昭和60年に登場した8ミリビデオ。

発売当初はカメラ一体型ばかりだったが、半年後に登場した設置型がEV-S700。

この後もコンスタントに設置型が出たが、カメラ一体型とは違いVHSを置き換えるまでにはならなかった

昭和60年といえばベータマックス発売10周年で、ベータプロSL-HF900が登場した。

価格はEV-S700より1万円安い238,000円。

画質の面ではかなわなかったEV-S700が、ベータプロよりも高い値段では購入の選択肢には中々入らなかったんではなかろうか。

8ミリビデオのライバルはベータやVHSだが、画質の面で戦うにはEV-S700の力は足りない。

それでも8ミリビデには8ミリビデオの魅力があった。


EV-S700のサイズは8ミリビデオらしく幅が355mmのミニコンポサイズ。

従来のビデオよりも小さいというのが8ミリビデオの大きな特徴。

その特徴を生かしたコンパクトサイズだ。

同じソニーのベータマックスには似ておらず8ミリビデオ独特のデザイン。

似せてもよかった気がするが、コレはベータとは違うんだ感を出したかったんだろうか。


録画再生は標準モードと2倍のLPモードがある。

カメラ一体型の8ミリビデオでは録画再生は標準モードだけでLPモードは再生のみ。

EV-S700はLPモードで録画再生が出来るのだ。

まあ、VHSやベータからシェアを奪わなければならないのなら、標準モードの2時間だけでは戦えないだろうから当然といえば当然。

だが頑張って3倍は出来なかったのだろうか。

さらに頑張って4倍とか。


テープカウンターは時間表示ではないが、残量表示にすれば時間になるのは何故なのか。

この頃はベータもVHSも時間表示だったので、ちょっと不満は残る。


音声はベータやVHSにはないPCMを搭載している。

スペック的には大したことないがテレビ録画なら十分な性能。

映像を記録しないで音声だけならば、テープを6分割して12時間、LPモードなら24時間もの録音が可能だ。


EV-S600

昭和61年

178,000円

EV-S700登場から1年後の昭和61年に登場。

デザインは変わらず、コストダウンしたマイナーチェンジ版か。


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2023/04/17

ソニーのステレオラジカセ・APMスピーカー搭載編

 APMスピーカー搭載のステレオラジカセ


APMスピーカーは以前ソニーが発売していたスピーカー。

Accurate Piston Motionの頭文字をとってAPMだ。

丸じゃなくて四角いデザインがカッコよく見えた。

テレビならトリニトロン、ビデオならベータというように他社とは違うモノを作ろうという社風が、既存のスピーカーを作らせなかったのだろうか。

APMスピーカーはラジカセにも搭載された。


ZX-7


デジタブル

62,000円

四角い形の小型ラジカセ。

このサイズでこの値段、この頃は高いラジカセほどデカかったが、ZX-7はいいお値段なのにサイズは小さいのだ。

四角いデザインはAPMスピーカーの四角に合わせたのだろうか。

●大きさ:幅354x高さ105x奥行105.5mm(EIAJ)

●重さ:2.6kg(乾電池含む)

●スピーカー:35㎡平面型2個

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ZX-5


デジタブル

39,800円

黒色一辺倒のZX-7に比べ本体色が白と赤から選べたZX-5。

ZX-7は横から見ると正方形だったのに対しZX-5はそこまで奥行がない。

同じデジタブルを名乗っているが、デザインのテイストが随分と違っていて普通のラジカセっぽい。

●大きさ:幅370x高さ128x奥行100.5mm(EIAJ)

●重さ:2.6kg(乾電池含む)

●スピーカー:35㎡平面型2個

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ZX-3


デジタブル

39,800円

APMスピーカー搭載ラジカセとしてはもっとも廉価の39,800円はZX-5と同じ。

ZX-3はZX-5と比べるとググッとZX-7似のデザインでサイズも一緒だ。

ZX-7の性能を落として安くした感じだが、ZX-3にはZX-7に付いていない取っ手が付いていたりする。

色も黒だけじゃなく銀色も選べた。

ZXシリーズはこの3機種で終了したが、もうちょっと展開して欲しかった。

●大きさ:幅354x高さ105x奥行105.5mm(EIAJ)

●重さ:2.7kg(乾電池含む)

●スピーカー:35㎡平面型2個

〈関連する記事〉こんなデジタブルはどうだ


CFS-9000



74,800円

ソニーは小型コンポのヘリコンポを展開していたが、そのラジカセバージョン。

愛称がないのが寂しい。

●大きさ:幅465x高さ257x奥行205mm

●重さ:8.6kg(乾電池含まず)

●スピーカー:77㎡平面型ウーファー2個、4cmツィーター2個

〈関連する記事〉ソニーのステレオラジカセ・CFS-9000



CFS-W900



89,800円

CFS-9000の後継機? カセットがダブルデッキになった。

●大きさ:幅620x高さ276x奥行261mm

●重さ:10kg(乾電池含まず)

●スピーカー:77㎡平面型ウーファー2個、5cmツィーター2個、1.5cmスーパーツィーター2個


CFD-5



108,000円

CDプレーヤーを搭載したソニー初のCDラジカセ。

ポータブルCDプレーヤーD-50とラジカセCFS-7000を足したようなデザイン。

CFS-7000はAPMスピーカーではなかったが、CFD-5になったらAPMスピーカーにパワーアップだ。

●大きさ:幅556x高さ203x奥行196mm(EIAJ)

●重さ:7.8kg(乾電池含まず)

●スピーカー:77㎠平面型ウーファー2個、5cmツィーター2個

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CFD-W888



108,000円

ソニーのCDラジカセの第2弾。

CDプレーヤーはフロントローディングになって、上面には何もスイッチがなくなった。

カセットはダブルデッキになった。

APMスピーカー搭載ラジカセはこれが最後か。

ラジカセに限らず、ソニーはAPMスピーカーを作らなくなった。

●大きさ:幅620x高さ220x奥行240mm(EIAJ)

●重さ:12kg(乾電池含む)

●スピーカー:77㎠平面型ウーファー2個、5cmツィーター2個


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2023/04/13

ソニーのベータマックス・SL-HF1000D

 SL-HF1000D


昭和61年発売

188,000円


高さが8センチのハイバンドベータハイファイ、それがSL-HF705。

リニアスケーティングメカを搭載していて、デッキ部が丸ごと出て来るのだ。

これがメカメカしくてカッコよく、繰り返し出したり引っ込めたりしてしまう。

このメカのお陰でソニーの薄さ自慢高さ8センチを実現していたんだろう。


SL-HF705の後継機がSL-HF1000D。

HF705は定価198,000円。

対してHF1000Dは188,000円と10,000円ほど安くなった。

安くはなったが、HF1000Dの方が高く見える。


側面のサイドウッドのお陰で高級感があるのだ。


デザインはHF705の方が私の好み。

やはり高さ8センチというのは魅力的だ。

SL-900とマークⅡの関係のように、HF1000DもHF705と同じデザインにして機能だけ足したマークⅡを出してくればよかったのにと思うが、出来なかったのだろうか。

ベータマックスでリニアスケーティングメカ搭載機はSL-HF705とHF1000Dの2機種のみ。

熾烈なVHSとの戦いにはコストが高くなりそうなメカは不要と判断されたんだろうか。

SL-HF1000Dはリニアスケーティングメカを搭載していても、高さは8センチではなくなった。

これだけの性能で8センチというのを貫いて欲しかった。


HF1000DはHF705同様ベータⅠsの録画再生が可能。

さらに、スーパーハイバンド化したベータⅠsも使える。

SHB6.0メガハイバンドベータⅠsだ。


これって名前が長い。

こんな長ったらしいネーミングもVHSに負けた一因か。

SHBのHBってハイバンド。

SHBかハイバンドのどちらかの文字いらないと思うのだが、まあ、名前はともかく画質はキレイで高画質のベータの名に恥じない。

レベルメーターはFL管になって独立した。

型番についているDは多分デジタルピクチャーのDか。

映像をメモリーに保存してデジタルで静止画を見たりコマ送りが出来たりするのだ。

まあ、いらなかった。

こんなのつけずに高さ8センチのままでいて欲しかった。

この機能を入れたから高さが高くなったのか。

HF705と比較するとデジタルピクチャーのスイッチ分だけ高くなったようなデザインなのだ。


●大きさ:幅430x高さ105x奥行355mm

●重さ:11.2kg



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2023/04/10

TC-K88とリニアスケーティングメカ

 TC-K88


昭和54年

158,000円

ソニーのTC-K88はエスプリシリーズ唯一のカセットデッキ。

高さが8センチというスマートなカセットデッキだ。

女性の腰を細く見せる為に発達したコルセットのような役割をしたのがリニアスケーティングメカ。

コレによってカセットデッキが薄〜く見えるのだ。

オープンボタンを押すとデッキ部が丸ごと出てきて、カセットテープは垂直ではなく水平に入れる。

水平にセットするので、垂直にセットした時のような高さを気にせずに済む。

水平にセットするカセットデッキはそれまでもあったが、スイッチ類も上にあったのでステレオの一番上にしか設置出来なかった。

リニアスケーティングメカによって、ステレオの一番上じゃない場所にも設置出来るようになったのだ。

ヘッド:消去1、録再1

SN比:60db(ドルビーOFF、ピークレベル、DUADカセット)

周波数特性:20~20,000Hz(METALLICカセット)

ワウフラッター:0.03%WRMS

ひずみ率:0.9%(METALLICカセット)

大きさ:480(幅)x80(高さ)x385(奥行)mm

重さ:10kg


TC-K88の後継機は出なかった。

売れれば後継機を出すだろうから、売れ行きは芳しくなかったのだろうか。

ソニーでは他にもこのメカを使ったカセットデッキがある。


TC-FX606R


昭和58年

69,800円

デジックデッキFXシリーズの1台。

型番のRが示す通りオートリバースを搭載だ。

ヘッド:消去1、録再1

SN比:59db(ドルビーOFF、ピークレベル、DUADカセット)

周波数特性:30~17,000Hz(METALLICカセット)

ワウフラッター:0.065%WRMS

ひずみ率:0.5%(DUADカセット)

大きさ:幅430x高さ80x奥行310mm

重さ:5.6kg


TC-V7


昭和58年

68,000円

高さが8センチで薄いのだが幅も355mmとコンパクトで、ソニーのミニコンポリバティ用のカセットデッキ。

ヘッド:消去1、録再1

SN比:58db(ドルビーOFF、ピークレベル、MTALLICカセット)、71dB(ドルビーNR・Cタイプ)

周波数特性:30~15,000Hz±3dB(METALLICカセット)

ワウフラッター:±0.065%WRMS

ひずみ率:0.5%(DUADカセット)

大きさ:幅355x高さ80x奥行280mm

重さ:5.0kg


TC-V77FR


昭和59年

59,000円

TC-V7の後継機で型番がウルさくなった。

7が77になるのはともかくFRって何だ。

ヘッド:消去1、録再1

SN比:58db(ドルビーOFF、ピークレベル、METALカセット)、71dB(ドルビーNR・Cタイプ)

周波数特性:30~15,000Hz±3dB(METALカセット)

ワウフラッター:0.06%WRMS

ひずみ率:0.5%(METALカセット)

大きさ:幅355x高さ80x奥行245mm

重さ:4.5kg


リニアスケーティングメカはソニーの専売特許というわけでもなく、他メーカーでもある。


D-E3


昭和56年

48,800円

日本ビクターのカセットデッキD-E3。

『これはもう未来、薄型ファッショナブル・デッキ』とカタログにあるが、ぱっと見はカセットデッキには見えない姿は確かにファッショナブル。

パネル高は8センチどころか5.4センチ。

幅も34センチでコンパクトなミニコンポサイズ。

右下のオープンスイッチを押すとデッキ部がせり出してくる。

ビクターのカセットデッキはカセットホルダーが右側にあるのだが、リニアスケーティングメカでもカセットが右にあるのは変わらない。

ヘッド:消去1、録再1

SN比:54db(メタルテープ)

周波数特性:30~16,000Hz±3dB(-20VU録音、メタルテープ)

ワウフラッター:0.05%WRMS

ひずみ率:0.5%(1kHz、3次高調波ひずみ率、メタルテープ)

大きさ:幅340x高さ59x奥行258mm

重さ:約4kg


SD-50


昭和56年

54,800円

日本マランツのカセットデッキ。

同じ型番でSD-50という別のカセットデッキがあるのが紛らわしい。

他のメーカーの型番ならまだしも、同じ日本マランツなのはどういうわけだ。

ヘッド:消去1、録再1

SN比:58dB(EIAJ)

周波数特性:30~16,000Hz(±3dB/METAL)

ワウフラッター:0.05%WRMS

大きさ:幅416x高さ73x奥行310mm

重さ:5.5kg


上位機種のSD-5010(69,800円)もある。

こちらはメーターが針式ではなくLEDピークレベルメーターで、値段相応にSD-50より高そうに見える。


ソニー、ビクター、マランツのどの機種も薄さ、スマートさがセールスポイント。

それ以外の利点はないのか、主流にはならなかった。


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2023/04/06

ナショナルのステレオラジカセ・ザ・サード

 ザ・サード


ラジカセはたいていカセット、アンプ、チューナー、そしてスピーカーが一体になっている。

一体になっているけれども、中にはスピーカーが分離出来るタイプがある。

いわゆるスリーピースラジカセだ。

ナショナルのザ・サードはそんなスピーカーを取り外せるタイプのステレオラジカセ。


RX-C100


昭和57年

89,800円

百式と呼びたいキリのいい型番のRX-C100。

発売された時はザ・サードの名前はなく型番だけで味気なかった。

レベルメーターは針やLEDではなくFLカラーディスプレイ。

直線ではなくカーブしている。

登場時はシルバーだけだったが後でメタリックブラウンが追加されて2色展開に。

●大きさ:幅708x高さ256x奥行217mm

●重さ:12.2kg

●スピーカ:(16cm+6.5cm)x2

●実用最大出力:12W+12W(EIAJ/DC)

●ワウ・フラッタ:0.05(W.R.M.S)



RX-C60


ザ・サード

昭和57年

69,800円

メタリックグレイ、メタリックレッド、メタリックブルー、パールホワイトの4色から選べる。

カタログの写真にはマイクが置いてあって、カラオケしなさいと誘っているようだ。

●大きさ:幅530x高さ172x奥行176mm

●重さ:約7.3kg(電池を含む)

●スピーカ:(10cm+3cm)x2

●実用最大出力:5W+5W(EIAJ/DC)

●ワウ・フラッタ:0.05(W.R.M.S)


RX-C50


ザ・サードmini

昭和57年

49,800円

ミニとついているように小型のザ・サード。

RX-C60同様に4色から選べるが、コチラは青の代わりに緑が入っている。

●大きさ:幅432x高さ133x奥行166mm

●重さ:約4.9kg

●スピーカ:8cmx2

●実用最大出力:4W+4W(EIAJ/DC)



RX-C45


ザ・サード・グライコ

昭和58年

43,800円

グライコの名の通り5バンドグラフィックイコライザ搭載機。

RX-C50とは違い上面にはなんのスイッチもつけず、別売りのオーディオラックを使ってプレーヤーを置けるようにしている。

プレーヤーもお揃いの色がある。

パステルピンクがオシャレっぽい。

●大きさ:幅537x高さ176x奥行183mm

●重さ:約6.2kg

●スピーカ:(10cm+3cm)x2

●実用最大出力:5W+5W(EIAJ/DC)


RX-C46


ザ・サードD.J

昭和59年

43,800円

FMトランスミッタ搭載機。

RX-C45に比べてちょっとだけ大きくなったが、1kg近く軽くなっているのはコストダウンの成果なのか。

写真の女の子は荻野目慶子だ。

●大きさ:幅557x高さ176x奥行188mm

●重さ:約5.4kg

●スピーカ:10cmx2、2x4cmx2

●実用最大出力:5W+5W(EIAJ/DC)


RX-C52


ザ・サードリバース

昭和59年

59,000円

録再オートリバースを搭載、本体の再生ボタンや早送り巻き戻しボタンもそれを強調するように大きめのデザイン。

●大きさ:幅549x高さ153x奥行152mm

●重さ:約6kg

●スピーカ:10cmx2、2x4cmx2

●実用最大出力:5W+5W(EIAJ/DC)




RX-C66


ザ・サードダブル

昭和59年

69,800円

ダブルという名の通りテープ編集出来たり2本の連続再生が出来たりするダブルカセット搭載のザ・サード。

●大きさ:幅567x高さ195x奥行186mm

●重さ:約7.3kg

●スピーカ:10cmx2、2x4cmx2

●実用最大出力:5W+5W(EIAJ/DC)



この頃のナショナルはラブコールというラジカセも発売していた。

ラブコールにセパレートタイプが出るとそれがラブコール3(サード)になり、既存のザ・サードのラジカセは愛称を取り上げられて型番だけになった。


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2023/04/03

【映画の感想】ヤマトよ永遠に

 ヤマトよ永遠に

昭和55年公開

今年の2月に亡くなった松本零士には人気作がいくつもあるが、宇宙戦艦ヤマトもそのひとつ。

元々テレビシリーズだった『宇宙戦艦ヤマト』が映画化。

『宇宙戦艦ヤマト』『さらば宇宙戦艦ヤマト』と2本の映画が公開されたが、『ヤマトよ永遠に』はそれに続く劇場版宇宙戦艦ヤマトの第3弾。

物語は前2作の続きではなく、テレビシリーズ『宇宙戦艦ヤマト2』『新たなる旅立ち』の続きになる。

『宇宙戦艦ヤマト2』は『さらば宇宙戦艦ヤマト』をテレビシリーズ化したものだが、結末が違いヤマトは生還したので物語は続くのだ。

劇場版だけ見ている人にとっては『さらば宇宙戦艦ヤマト』で死んでいったキャラクター達が出てくる事に驚くハズだが、まあ、実際はそんな人はおらず。

分岐したストーリーは賛否あるだろうが、完結したハズの物語が続いていくのに違和感を持ったファンの方が多かった気はする。

そりゃ『さらば宇宙戦艦ヤマト』がなかったことにされたんだから、あの感動を返せって言いたくはなる。

『ヤマト2」のラスト、ヤマトが特攻するわけでもなく、テレサだけを犠牲にして終わりってのが不満が残る。

そのテレサが服を着ているってのも。


さて『ヤマトよ永遠に』だが、これまでガミラスや白色彗星を退けてきた地球が今回は冒頭であっさりと占領された。

これまで必死に守ってきた地球がこうも簡単に占領されてしまうとは、地球防衛軍のなんという体たらく。

敵は暗黒星団帝国だ。

暗黒星団帝国はヤマトの波動砲を恐れているようだが、ヤマト以外の地球連邦艦に波動砲は装備しなくなったのか。

混乱する地球上で、ヤマトの乗組員達は英雄の丘に集まってくるが、非常時にのんきなものだ。

ヤマトのクルーにとって英雄の丘はハチ公前のようなものなのか。

古代達は高速艇でイカロスに向かおうとするが、森雪と別れ別れになってしまう。

私と仕事どっちをとるのと言われたら即座にお前だと言える男なのだろう、古代は高速艇を飛び降りようとするが止められる。

地球は制圧され長官やらが敵に処刑される間際、古代守は自爆して長官を逃したが、キラークイーンに体を爆弾に変えられたかのような見事な爆発っぷり。

話の流れで古代守をこんなところで殺しちゃうのってもったいない感じはする。

打ち切りがなければキャプテンハーロックになった男を。


ヤマトの出撃シーンは惑星イカロスから。

暗黒星団帝国が探すヤマトは地球にはなかったのだ。

本作のヤマトは艦首にはイカリマークが入っているが、この後イカリマークはなくなったので不評だったのだろう。

いつもの見慣れたものに違う要素が加わると慣れるまで違和感があるのだ。

映画1本では違和感は消えないか。


今回のヤマトの旅は起爆装置を壊す為に敵の母性へと向かう。

真田の提案だが「え?っ」という人間は出てこない。

その代わりに観客が「え?っ」だ。


今回の艦長は山南。

沖田、土方に続く3代目艦長だ。

古代を艦長にしないのは地球防衛軍の見る目があるのか。

艦長殉職はヤマトのお約束だが、山南も辞令が来た時覚悟したんだろうか。

生きて帰れるのかとガンダムのボールに搭乗するような不安感。


今回のヤマトのヒロインは森雪ではなく古代守とスターシャの娘、サーシャ。

ヤマトに乗れず地球に残った森雪は敵将アルフォンに惚れられる。

コイツは価値観のズボラなやつで、雪に膝枕してもらっただけで爆弾の秘密を話す。

当時のアニメージュに雪とアルフォンのキスシーンが載っていたが、もしそうなったらアルフォンは一人で暗黒星団を滅ぼしてしまいそうだ。


サーシャは『新たなる旅立ち』の最後に出てきた赤ん坊が、たった1年で大きく育った。

という事で年齢はまだ1歳。

いきなりの急成長はイスカンダル人の特徴だというスッキリしない設定なのだが、『ヤマトよ永遠に』を『新たなる旅立ち』の20年後ぐらいの設定にした方がサーシャのキャラも掘り下げられてよかったんじゃなかろうか。

地球の環境は合わないと言うことだが、だがなぜ育てるのが真田なのだ。

まあ勝手に真田は独身だと思っているんだが、結婚して奥さんがいたのか。


公開前はワープディメンションというのが話題になった。

ワープディメンションとはなんぞやといっても公開まで秘密のまま。

途中で画面が大きくなる仕掛けだったが、私は劇場で見ていないのでそのスゴさが伝わらない。


敵の母星は200年後の地球だと言うが、後でわかるがこれがフェイク。

わざわざ地球だと信じ込ませるために、万里の長城やピラミッドなど作ったりしてかなり手をかけてた、壮大なドッキリだ。

ガミラスの遊星爆弾の被害を考えたらすぐにニセモノだとわかりそうだが、スケールの大きいウソはそのインパクトのせいで気づきにくいのかもしれない。

また敵の偉いヤツがバレるようなウソは言わないだろうと言う思い込みを利用したのか。

フツーはここは200年未来の地球ですなんてすぐバレるようなウソは言わない。


サーシャがこの地球に一人だけで残ったのだが、であるならどうなるかの展開は読めるのだがその通りに話は進み、敵の大将と共に波動砲の犠牲になる。

だが死んだと思ったサーシャは最後にヤマトの前に現れる。

回想的な演出かと思いきやそうではなく、生きているサーシャで古代と会話をしたりするのだ。

母のスターシャも出てきたりして、イスカンダル人はスターウォーズのオビワンケノービ的な存在なのか。

この後『完結編』が作られるが、『ヤマトよ永遠に』で終わりにしてもよかったんだがなあ。


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