【映画の感想】ガス人間第1号
ガス人間第1号(昭和35年公開) 『美女と液体人間』『電送人間』に続く変身人間シリーズの第3弾。 『電送人間』は昭和35年の4月に公開されている。 『ガス人間第1号』は12月の公開だ。 ウィキペディアによればこの後、『フランケンシュタイン対ガス人間』『怪奇人間特撮シリーズ 戦慄火焔人間』『透明人間対火焔人間』の企画があったようだ。 どれも映画化はされなかったので、この『ガス人間第1号』がシリーズ最終作になった。 マタンゴも変身人間シリーズっぽいが、これは番外編的作品だそうだ。 まあ、シリーズとはいっても1本1本が独立した作品で、続いているわけではないのでそれ程気にする事もない。 タイトルバックでは拳銃を使って銀行強盗をしている場面が流れる。 犯人の視点での映像で、最初は人間の姿だが、途中からはガス人間になったっぽい。 警察は犯人の車を追うが捕まえられず。 2回目の銀行強盗があり、今度は内側から鍵がかけられた密室で行員が殺され現金が奪われた。 ガス人間は中々の無敵っぷりで、警察に自首してきてもう一度犯行を再現してみせるが警察は何も出来ない。 気体になるっていうのがポイントだ。 透明人間だったら透明になるだけ、液体人間だったら液体になるだけ。 ガス人間だったらガスになるだけなのだが、ガスだとまさに捉えどころがない。 拳銃で撃たれても効かないのだ。 ガス人間は愛する八千草薫の発表会の為にお金を用立てる。 これだけの能力があれば、別段銀行強盗をしなくても、何処かからお金は奪ってこれるんじゃないのかな。 まあ、目立ちたがり屋のようだし、手っ取り早いので銀行強盗をしたのだろうか。 警察には捕まらないという自信もあったんだろう。 ガス人間は核兵器や戦争の被害者というわけではないが、人体実験の被害者。 普通に働こうと面接を受けたら、ガス人間にされてしまったのだ。 これまでの実験はどうやら失敗していたようで、今回が初めての成功。 ガス人間第1号だ。 失敗した人間はみんな死んでしまったのだ。 ガス人間は正体を現して警察と対峙する、これが中々面白い。 人間なので会話も成り立つがほぼ無敵。 超人的な怪人が人類の敵になったらという話。 だがスケールはあまり大きくはならず、映画の主軸はガス人間と八千草薫のラブロマンス。 ガス人間はともかく八千草薫がガス人間を愛してたのかはよくわからな...