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2017/09/05

ボイストレーニング


以前ボイストレーニングに行ったことがある。
友人のH氏が行かないかと誘ってきた。
同年齢のH氏とはいつも一緒にカラオケに行っていた。
歌が上手で、もうトレーニングなんて受けなくてもいいんではないかと思うぐらいだが、さらに上手くなりたいと言う。
私もカラオケが好きだった。好きなのだが、上手くはない。上手になりたかったので、一緒に行くことにした。

私のカラオケは声だけが大きい。以前一緒にカラオケに行ったO君から「トイレまで声が聞こえてきましたよ」と言われたことがある。一緒に行った人間は皆耳を塞ぐ。ジャイアン状態だ。

教室に行くと、先生は20代中頃の可愛いお姉ちゃん。
私とH氏、それに私とH氏と同年齢ぐらいの男が来ていて一緒に始めることになった。
おっさんが3人と若いかわいらしい先生の組み合わせだ。

「じゃあ、好きな曲のCDかテープを出して下さい」と言う先生。

各自自分の好きな歌を持って来て、それを練習するんだと言う。
我々は誰もそんな話は聞いていなかった。
電話での問い合わせではそんなことは言われてなかったのだ。
で、先生は困って、3人で歌える歌にしましょうと、置いてある数多くのCDの中から一曲を選んだ。
我々おっさん世代の好きな曲で3人で歌える歌とは何だろう。
サザンオールスターズか井上陽水か松田聖子か中森明菜かチェッカーズか安全地帯かオフコースかアリスかはたして。

『犬のお巡りさん』だった。

犬のお巡りさんだと。
子供が歌う、童謡の犬のおまわりさんだと。

おっさん3人が一緒に犬のお巡りさんを歌うことになってしまった。

現在の歌唱力を知りたいということで、一人一人が犬のお巡りさんを歌った。
まずはH氏。
真面目な顔で熱唱する。相変わらずうまいなあと感心するが、歌っているのは犬のお巡りさんだ。
次に私、真面目に熱唱する。声だけはデカいが歌っているのは犬のおまわりさんだ。
最後はたまたま一緒のおんなじおっさん。見知らぬ人たちの前で犬のおまわりさんを歌っている。
歌い終わると、可愛い先生が各自に真面目にアドバイス。

それから基本から教えてくれる先生。声の出し方とか口の開け方とか呼吸とか。
そして最後にみんなで歌いましょうと言う。
で、歌いました。犬のおまわりさんを。
先生は、はい、気持ちを込めてとか笑顔でとか時折声をかける。
何十年後かの、老人施設かなんかで歌う老人3人とケアしている女性職員みたいな感じとなった。