仮面ライダー少年隊に入った私は平穏な日々を過ごしていた。
過去記事→少年仮面ライダー隊員には簡単になれる
現実にはショッカーもゲルショッカーもデストロンもいないのだから当たり前だ。
少年同盟
仮面ライダーは好調で続編の仮面ライダーV3も始まった。同じ石ノ森(当時は石森)章太郎原作のイナズマンも始まった。
イナズマンは仮面ライダーのような改造人間ではなく、超能力を持った渡五郎が変身するヒーローだ。
こちらには少年同盟という組織が出てきた。
少年同盟は元々は石森章太郎のマンガ。超能力を持った少年少女達が、世界平和の為に活動している。
これがイナズマンにも少年仮面ライダー隊みたいな役割で出てきたのだ。
少年仮面ライダー隊の隊員達は特殊能力を持った子供というわけではなく、ただの子供だ。
それに対し少年同盟は超能力者の集まり。
超能力者。
当時私は憧れた。テレビにはユリゲラーが出てきたし、雑誌でもよく特集していた。
ESPカードっていうのを準備して、超能力者になるべく練習したりもした。
その超能力集団、少年同盟に入れる、そんな魅力的な話があった。
小学館BOOKという雑誌で少年同盟員を募集していたのだ。
小学館BOOKは小学館が発行していたテレビ雑誌。テレビマガジンやテレビランドの小学館版だ。この雑誌では仮面ライダーは掲載しておらず、ウルトラシリーズがメイン。
そんな中でイナズマンが掲載された。仮面ライダーに対抗するために、こんな企画を作ったのか。
私はすでに少年仮面ライダー隊に入っていた。
少年仮面ライダー隊に入っているのに、少年同盟に入るのはクレームがくるんじゃないか(どこからくるのだ?)と不安だった。
イナズマンの設定上では、少年同盟は超能力者の集まりだったが、募集要項にはそんな事は書かれておらず、返信用の切手を同封すれば誰でも入れたと思う。
少年仮面ライダー隊には入っていたが、それでも入りたかったので応募したのだ。
少年同盟員証
送られてくる前までは、ちゃんと送られてくるのかと不安だった。
お前は少年仮面ライダー隊に入ってるではないか?
私の心配は杞憂に終わり、少年同盟の会員証は無事に送られてきた。
少年仮面ライダー隊とは違い、こっちはイナズマンのバッチがついている。
ISDというのは、イナズマン少年同盟の略称だろうか。それとも石森章太郎同盟?
こんなバッジをつけていたら、新人類に見つかるではないか。
そこに書かれていた内容は以下の通りだ。
1、きみが少年同盟にはいったことは、ぜったいにひみつだ。
もしわかると新人類におそわれるかもしれない。
2、少年同盟どうしだとたしかめあおう。このカードのイナズマがたのページを光にあて、くらやみで見ると、イナズマンのかおがうかぶ。
それをしっているのが少年同盟員だ。
ここがイナズマ型のページ。
No.は016269。
通し番号だろうか。
私の前には16268人も少年同盟員がいるのか。
そこまで多くはない気がする。
イナズマンの顔が浮かび上がる。夜光塗料で書かれていたのだ。
少年仮面ライダー隊の隊員証は良く持ち歩いて友達に見せびらかした。
だが、こちらは友達から何か言われるかもしれないと思い、ナイショにいていた。
新人類に見つかっても怖いし。
まあ、少年仮面ライダー隊も少年同盟も、何の活動もしないまま今に至る。