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2017/11/15

ウルトラマンレオ第17話『見よ! ウルトラ怪奇シリーズ 狼男の花嫁』の感想

ウルトラマンレオ DVD VOI.5
今回から『見よ!ウルトラ怪奇シリーズ』が始まった。
視聴率が右肩下がりの中、ついに直接的に『見よ』と言い出した。
だが、見よと言ってもはい見ますとはならず、視聴率はついに一桁だ。
前回の16話も怪奇っぽい話だったが、シリーズ開始は今回からだ。

第17話『見よ! ウルトラ怪奇シリーズ 狼男の花嫁』

満月の夜、若い女性が歩いている。
不気味な鳴き声が聞こえ、不安になったのか小走りになる女性。
ビルの上から突然現れたウルフ星人に襲われる。
ウルフ星人というのは随分安易な名前だ。オープニングには狼男ウルフ星人とテロップが出た。そのまんまだな。

城南スポーツセンター。
「ばんざーい。出来た。出来たぞ」と猛。
「猛さんのおかげだわ」と冴子。
「そんなことはないよ。君ががんばったからだ。ほら、汗を」
冴子の汗を拭く猛。冴子は初登場だが、どうやら猛の恋人のようだ。

「私、この技、風車って名前つけたいわ」
「うん、そいつはいいや。綺麗な名前だ。まるで冴子さんのように」
この技っていうが、何の技なのだ。体操競技?
「おめでとう。とうとう出来たじゃない」と言いながらゲンも現れて祝福する。

「まだ完成してないんです」
「明後日から冴子さんの家に泊まりこんで、特訓するんですよ」
ゲンや猛は出来たぞって言ったが、冴子的にはまだ完成はしていないのか。それとも、猛が泊まり込む為の口実なのだろうか。

MAC本部。ダンが事件の報告をしている。
「夕べ、三ツ木市で5人目の被害者が出た」
若い女性ばかり、一滴の血も残らない被害にあっている。
声はまるで狼の遠吠えのようだという。
狼の遠吠えなど聞いたことがある人がいるのか。
テレビや映画で聞いたことがあるということか。

「考えられるのは、ウルフ星人に違いない」とダン。
「人間の血を吸って生きている、ウルフ星人ですか」と女性隊員の白川。
「そうだ、奴は若い女性の血ばかりを吸い、普段は人間の姿をしているが、血が切れると狼の姿に戻ってしまうという」
ウルフ星人、白川隊員も知っているし、結構有名なのだろうか。以前にも地球に来たことがあるのかな。

城南スポーツセンター。
女性達が練習にはげんでいる。
そこにゲンと梶田隊員が来て連続殺人事件の注意を促す。
話の最中に、どこからか鳴き声が聞こえてくる。怖がる女の子達を「後は頼む」と梶田隊員に任せ、センターの外に出ていくゲン。

城南スポーツセンターの屋上にウルフ星人がいた。ゲンが銃撃すると命中、だが負けじと襲いかかってくる。
ウルフ星人が逃げ出す。それを追うゲンだが、見失ってしまう。
「かなりの出血をしたはずだ。そう遠くまでは逃げられまい」と思うゲンだが、ウルフ星人は見つからなかった。
このウルフ星人、着ぐるみが安っぽい。同じ安っぽいのなら、地球外生物っぽくした方がまだマシだったな。

血のついた地蔵の前で車を降り、自宅に帰る冴子。「誰?」
家から出てきた母親はウルフ星人に襲われる冴子を見た。
「助けて。きゃあー」
母の見ている前で、ウルフ星人は意識を失った冴子に乗り移った。
花嫁姿の幻を見る冴子。
「私は大丈夫。私、狼男のお嫁さんになったの」
冴子は淡々とした口調で話す。
ウルフ星人はゲンに撃たれたので、傷を癒すために乗り移ったのだろうか。普段は人間の姿をしているというダンの説明は、人間に乗り移るということなのか。

MACカーのゲンと梶田隊員。
「夕べは、この近くで見失ったんだ」
「すごい出血だったらしいな」
「普通なら、間違いなく死んでるところだ」
「じゃあ、川に溶け込んでしまったかもしれないな」
「いや、そんな相手じゃない。必ず生きてる」
血のついた地蔵が映る。
川に溶け込んでって、どういうことだ。ウルフ星人は死ぬと溶けてしまうのだろうか。

キャーという若い女性の悲鳴が響き渡る。
ウルフ星人を追うMACの隊員達。
「逃がすなー」
「おおとり、そいつをつかまえるんだ」
塀を飛び越えて行くウルフ星人。
「おおとり、体操クラブの女子学生が襲われた」
「えっ、くそっ」
ゲンもウルフ星人同様塀を飛び越え追いかける。
ゲンはウルフ星人を「えいやっ」と投げ飛ばす。投げ飛ばされたウルフ星人は風車を披露する。
「風車だ。まさか」
逃げるウルフ星人を追いかけて霧島家へ行くゲン。
家の中から母親が出てくる。
「MACのおおとりと申します」
「おおとり、ああ、猛さんの先輩の方。夕べは冴子がどうも。さあ、お入り下さい」
家の中に通されるゲン。
「冴子さんにぜひ、お会いしたいんですが」
「ちょっとお待ち下さい。冴子、冴子」
2階から降りてくる上下白い服の冴子。
ゲンは冴子の服に血がついているのを発見する。
白い服なので血がわかりやすい。

「冴子さん、これはどうしたんですか」
「ああこれ、今、縫い針が刺さって」
そう言って冴子は右指をなめた。
「違うでしょ。針で刺したんなら左手のはずだ」
「おおとりさん、あなた一体何をおっしゃりにいらしたんですか」と母親。
「僕は、狼男を追ってきたんです」
「まさか、それがどうして冴子に」
「狼男の技は、冴子さんの風車と同じものです。MACまで同行していただきます」
ゲンは冴子を連れて行こうとするが、「やめろー。ええーい」と猛がやってくる。
「いくらおおとりさんでも、僕は許さんぞ」
「猛」
「僕はねぇ、子供の頃から冴子さんを知ってるんだ。初めて会ったばかりのおおとりさんに何がわかるもんか。帰れ。帰ってくれ。バカ。おおとりさんのバカー」

MAC本部。
扇風機の前で風車を回しているゲン。ダンがやってきて扇風機を止める。
「何をしている」とダン。
「あの狼男の技は、風車と呼ばれるものです」
「そんなことより、お前がついていながら、二度も狼男を逃がしてしまったのはどういうわけだ」
どういうわけだというが、いつものことだ。これまでも星人を捕まえたなんてことはない。

「それは夕べの報告で」
「その女性が、本当に狼男だという確認はまだ取れていないのだろう」
「しかし、十中八九間違いは無いと」
「迂闊に決めるものではない。お前のそのやり方が、猛君やその女性をどれほど傷つけたか、考えてもみろ」
うなだれるゲン。

「お前だって、いきなり百子さんを狼男だと言われてみろ。その時、お前ならどうする」
「迂闊でした」
「わかったらすぐ行動に移るんだ。いいな。昼間狼男が現れないという保証はどこにもない。今、霧島家の見張りは白川隊員がやっている。早く行って交代するんだ。今度は慎重にやるんだぞ」
狼男と迂闊に決めるものではないとは言うが、隊員を見張りにやるとは、やはりダンも疑ってはいるのだろう。だが、女性を襲うウルフ星人の見張りを女性隊員にやらせるとは。囮にでもする気なのか。

出動しようとしたゲンは立ち止まってダンに聞く。
「隊長、風車ですが」
「風車は、風がなければ回らない。勝負は風を受ける前の一瞬だ」

猛が冴子の部屋のドアをノックしている。
「冴子さん、外はいい天気だよ、散歩に行こう」
だが返事はない。
「冴子さん、冴子さん」
猛が部屋に入ると、冴子は何かに怯えているのか様子がおかしい。
猛はカーテンを開けた。光を浴びた冴子はキャーキャーと叫び光を避けようとする。慌ててカーテンをしめる猛。
「冴子さん、僕だよ。猛だよ。どうしたんだよ。しっかりしてくれ」
冴子の母親が入って来る。
「冴子は病気なんですよ、お願いだから出て行って。さぁ、早く出て行って、さあ」
猛は部屋から追い出されたが、冴子の名を呼びながら鍵のかかったドアを叩き続けた。
「かわいそうな冴子。お母さんがついてますからね」
ベッドに冴子を寝かせるが、冴子の身体が狼男に変化し始める。
「冴子。どうしたの。どうしたの、冴子。冴子。お前、どうしようね。今度見つかったら、お前は殺されてしまう。そうだ。冴子、お母さんの血をお飲みなさい。お母さんの血なら、誰も何も言いやしない。さぁ」
そう言って腕を差し出す母。一瞬噛み付こうとするが止める冴子。首を横に振る。
「お母さんじゃ、年を取ってるからダメなのね。若い女の人でなきゃダメなのね」
鏡に映る冴子は狼男の姿になっている。
「大人になったら猛さんのお嫁さんになるのだと言っていたのに、それももうダメなのね」
ドア越しに母親の話を聞いている猛。
「冴子、表に出てはダメ。冴子、表に出ないで」
猛は何とか扉を開け部屋に入るが、冴子は出て行った後だった。
「冴子さん、おばさん」
「猛さん、冴子が、冴子が」

外に走り出て冴子を探す猛。狼男は白川隊員に襲い掛かった
「キャー、誰かー」
きゃー、誰かーって、自分もMACの隊員だろうに、役に立たないな。そもそも見張りなのに、何でノコノコ歩いているのだ。

そこに猛が駆けつける。
「あっ、猛君」
「やめろー」
狼男を止めようとした猛だが腕に噛みつかれた。さらに白川隊員を追う狼男。
猛はほとんど役に立たない。

「誰かー」と言いながらさらに逃げる白川。
ゲンが現れ、マックガンを構えるが、猛が追いついて来て狼男をかばった。
「撃たないでくれ。おおとりさん。撃つのだけはやめてくれ」
そこに他のMAC隊員が現れ、狼男を銃撃する。
ここで狼男は巨大化する。
等身大の時とは違う形態だ。大きくなると星人や狼男というよりただの怪獣だ。
ゲンに撃たれた時は巨大化しなかったが、今回は巨大化した。何かウルフ星人なりの巨大化ルールがあるのだろう。

マックロディーで攻撃する隊員達。
マッキー2号、3号も飛んで来て攻撃を開始する。
 猛はゲンの手を振り切ってウルフ星人へ向かって行く。

「やめろ、やめてくれ」
ウルフ星人は飛び上がり、風車でマッキー2号、3号を撃墜した。
風車はさらに地上のマックロディーを狙う。
そこでゲンはウルトラマンレオに変身する。

マックロディーを助けたレオ。
ウルフ星人と格闘を始める。
レオは狼男の牙を持って巴投げ。牙をへし折る。牙を武器にしてもう一本の牙も折る。
ウルフ星人は飛び上がるが、レオは光線で阻止する。
レオは太陽を背にしてウルフ星人の目をくらませる。そこでレオキックを見舞いウルフ星人を倒した。

等身大に戻ったウルフ星人にすがって泣く猛。
それを見つめているレオ。
獅子の面が光るとレオは飛び去った。
ウルフ星人は冴子の姿になり、生き返った。
どういうことだ?
レオが蘇らせたということなのか。
そんな能力があったのか。

「私、どうしてここに」
「冴子さん、君は」
「猛さん」
「冴子さん。よかった」
抱き合う二人。
ゲンも走ってきて笑顔。

城南スポーツセンターで冴子の風車。見守る猛とゲンの笑顔で幕。

(昭和49年8月2日放送)


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