ウルトラマンレオ第16話『真夜中に消えた女』の感想

ウルトラマンレオ DVD VOL.4

初期のウルトラマンレオの大きな特徴が特訓だ。
レオが負ける→ダンの猛特訓→レオ勝利。
だが、特訓シーンが多すぎて見るのを止めた子は多かっただろうな。
見るのを止める→視聴率の低下だ。

1回2回ならまだしも、これでもかこれでもかと毎回特訓されるのがつまらなかった。
ダンが厳しすぎるのも、ウルトラセブン時代のモロボシダンと比べて違和感があった。
あのダンが、熱血漢になってバカみたいな特訓をするなんて。

相手があんまり強そうではないのに、レオが負けて特訓する。
ベムスターとかタイラントみたいに、相手がもう少し強そうだったら説得力もあっただろうな。

で、路線変更で特訓は無くなった。
だが残念なことに、路線変更は功を奏さず、視聴率が復活することはなかったのだ。


第16話『真夜中に消えた女』

満月の夜。
ナレーション「君たちは幽霊の話をきいたことがあるね。それは幽霊好きな大人達が作った怪談の場合もあるだろうし、ひょっとすると恐ろしい事件の最初の1ページの場合もある。血も凍るような、恐ろしい事件」

様々な花が咲くビニールハウスに、トオルと友達のマサオがいる。
妙な音が聞こえる。トオルはその音を録音しながら進み、白い花に近づいていく。

「やっぱり本当だったんだわ」とカオル。ビニールハウスの外で待っているのだ。一人で外で待っている方が怖い気がするが、カオルが怖がる素振りはない。

突然鉢の一つが落ちて割れ、びっくりして走り出した二人。トオルは心配したカオルに驚いて腰を抜かした。
「お兄ちゃん」
「バカヤロー、急に、急に飛び出すな」
弱虫だが、カオルには強気のトオルだ。

場面は変わり、MACの隊員達が大笑いしている。
「笑っちゃ可哀相よ」
「そうよ、幽霊に服を引っ張られたんだもの。誰だって腰を抜かすわ」と言う女性隊員2名。
そんなに大笑いしなくてもいいんじゃないかってくらい笑っている。何がそんなにおかしいのか。ゲンは難しい顔をしている。

MACカーでパトロール中のゲン。帰宅中のトオルを見かけて車を止める。
「おおとりさん」
「どうしたんだ、トオル。先生に叱られたんだろ」
「大人は嫌いだ。自分達で言いふらしたくせに僕の話を聞いて笑うんだ」
「幽霊の話か。夕べの」
トオルは走り去る。
トオルはMACの隊員達が大笑いしたのを知っているのか。笑い声が大きすぎてトオルの耳にまで届いたのか。それとも学校の先生や他の大人に笑われたのだろうか。

トオルとマサオはビニールハウスの前にいた。今度は近所のお兄さんが一緒だ。
「嘘じゃないんだろうな」と近所の兄さん。
「嘘じゃないよ」
「聞いたでしょ。幽霊の声を録音したテープ。蘭の花の幽霊」
「あれは女の泣き声だよ。きっと何か悲しいことがあって温室で泣いていたんだ」とお兄さん。

一緒に行くと思っていたトオルとマサオはさっさと帰ってしまい、兄さんが一人で入っていく。
「誰だ、誰かいるのか」
そこには胸に白い花をつけた女がいた。
「うわー」
兄さんは逃げ出すが、謎の光線を浴びて倒れた。
女は昨日もいたのかもしれないが、いや、声がしたからいたのだ。だがトオルとマサオは無事だった。なぜ襲われなかったのかは謎だ。

警察がビニールハウスの現場検証している。
「おおとりさん」
「トオル、どうした」
「隣の兄さんが僕たちの、僕たちの話をきいて、それで」
ゲンが青年を見ると、青年は銀色に固まって死んでいた。
車を運転していた若い女性も、同じ女に殺されていた。

MAC基地のダンとゲン。
「とうとう地球に入り込んだな」とダン。
MACは宇宙ステーション。地球侵略を企む宇宙人を水際で食い止める役割があるだろうに、随分と軽い言い草だ。

「ゲン、気をつけろ。恐ろしい奴が地球に来た。アトラー星人だ」
ダンはモニターにアトラー星を映し出した。
ナレーション「恐怖の星アトラー、死の星アトラー」
「アトラー星人のために全滅した惑星を俺は見た」
「隊長」
「その惑星の生物は全て、蝋細工のようになって死んでいた。それだけじゃない。奴らは前に一度、地球に近づいたことがある。地球防衛隊の隊員達は、奴らを追跡した」
「追跡した隊員達は、隊長」
「全員蝋人形のような死体になって地球に帰ってきた」
蝋人形のようになっても帰って来れたのだ。執念だ。自動操縦だったのか。
そもそも地球に近づいたとはどういうことだ。近づいただけで、侵略はしなかったのか。

「隊長、必ずアトラー星人をやっつけて見せます。必ず」
「大変な敵だぞ、ゲン」
「はい」
「今までの技ではアトラー星人を倒すことは出来ん。それどころかレオが」
「隊長、言って下さい、隊長」
「レオが蝋人形のようになって死ぬようなことがあるかもしれん」
今までもそうだ。それで特訓があったのだ。だが、そのお陰か視聴率は低迷した。
いつもなら特訓なのだが、今回は特訓がない。
特訓は路線変更により廃止されたのだ。

青島隊員が部屋に入ってくる。
「隊長、トオル君から例のテープを借りてきました」
テープの音を聞いてみるダン。
「間違いない、アトラー星人だ」
「この音は」
「アトラー星人の呼吸する音だ」
「呼吸ですか」
「うん、空気のないアトラー星から地球に来るとアトラー星人は」
ここでセリフが切れた。

レーダーに怪しい点が映る。
星人探知レーダーなのだろうか。こんなのがあるのなら、地球に入り込む前に探知できそうだがな。

マンションに入り込む女。そのマンションの一室では百子が本を読んでいる。
アトラー星人の声が聞こえてくる。
電話をかける百子。
「もしもし、おおとりさん? 私、百子。トオルちゃんのテープとおんなじような声が、ええ、ええ。ここ? 友達のマンション。友達が旅行中なの。それで留守を頼まれて、あっ、来たわ、この部屋に」
百子はトオルとカオルを預かっているはずだが、マンションへは百子一人で来ていたのだな。

声が近づいてくる。百子は部屋の明かりを消した。
マンションのどこかで悲鳴が聞こえる。
「もしもし、このマンションで何か大変なことが起こってるわ」
「アトラー星人だ。隠れるんだ。鍵のかかるところならどこでもいい。どんなことがあっても声を出すな。マンションの場所は? うん、うん、わかった」

電話を切り隠れた百子。カーテン越しに女が部屋の中を覗き込んだ。 百子には気づかなかったのか女は隣へ行った。
悲鳴が聞こえてくる。
百子の独り言。「あれは一体何だろう。窓の外から覗いていたのは。隣の部屋の人はきっと殺されたんだわ。隣だけじゃない、何度も悲鳴が聞こえたわ。ひょっとしたら」

マッキー3号とマックロディーがやってくる。
ゲンが助けに来た。百子は部屋を出る気だ。
「百子さん、出ちゃいけない」
「でも」
「百子さんダメだ。マッキー3号、マッキー3号」
「こちらマッキー3号」
「彼女は無事です。しかしマンションの人達は」

マンションの外に出ていた女。マッキー3号を見ると笑いを浮かべ、胸の花を輝かせ巨大化する。

女の姿からアトラー星人となった。ただの巨大化というよりは、ゲンがウルトラマンレオになるように、ダンがウルトラセブンになるような変身だな。

ダンはマッキー3号で戦闘機5機を引き連れてアトラー星人を迎え撃つ。
戦闘機は叩き落とされたり胸からの光線で撃墜される。
叩き落される戦闘機も戦闘機だ。アトラー星人の前をのこのこ飛んでいくんだから、叩き落されても仕方がない。
ダンのマッキー3号も光線によって落とされた。マックロディーで駆けつけたゲン。
パラシュートで脱出したダンは言う。
「ゲン、アトラー星人の光を受けるな。蝋人形のようになって死ぬぞ」
「しかし隊長」
「待てゲン」
「しかし、こうしている間にも町の人はあの光を浴びて殺されてるんですよ」
「ゲン、待て」
ゲンはダンの言うことをきかず、ウルトラマンレオに変身した。
勝てなくても変身する。まあ、いつものパターンだな。
ダンは仕方がないので、ウルトラ念力でレオを援護する。
久しぶりにウルトラ念力だ。

ナレーション「ゼブンに変身することが出来なくなったモロボシダンの命をかけた最後の武器、 ウルトラ念力がアトラー星人の恐怖の光を封じた。レオ、今だ」

今だと言われたレオはアトラーに攻撃をしかける。だが倒すことは出来なかった。
ダンのウルトラ念力は長時間はできない。
ウルトラ念力が解けたアトラー星人は攻勢に出る。光線を使ってレオの足を固めた。どけられないレオにアトラー星人は突進してきた。
ぶちかまされるレオ。
敗北だ。だが、足を固められただけだったので、上半身を使ってエネルギー光球でも使えばよかったんではないか。

「ゲン、しっかりしろ。ゲン、しっかりするんだ」
「奴は、アトラー星人は? 街の人は、町の人はみんな殺されたんですか。くっそー」

トオルとマサオが通りかかる。
「どうして逃げないんだ。どうしたんだ」
「星人をやっつけるんだ」とトオル。
「あの星人、マサオ君の家の人達をみんな殺してしまったんだ。だからマサオ君と二人で星人をやっつけるんだ」
意気込みはいいが、どうやって倒そうというのだろう。やはり子供だな。

MAC基地。
「ちくしょう。俺は敗れたんだ」
「ゲン、戦いはまだ終わっていない」
「しかし隊長」
「バカ」
「しかし、僕にはアトラー星人を倒す、力も技もない。僕には倒せない」
「俺達がやらなければ誰がやるんだ。誰が、誰がやるんだ」
「隊長」
「ゲン」
「はい」
これまでならここから特訓だ。だが、特訓はない。相手は強敵だってのに、特訓がないっていうのも不自然だな。

ダンとゲンの乗ったマッキー2号が出撃する。
他の隊員達はどうしたのだ。
街は焼け野原のようになり、人々は蝋人形のようになって死んでいる。
アトラー星人を攻撃するマッキー2号。
「奴の弱点は胸だ。胸の花を狙え」
アトラー星人に弱点があるならば、最初に教えればいいのではないか。レオが死ぬかもしれないなんていう意見よりも、弱点は胸の花だという情報の方がどれだけ有意義だったか。
分離するマッキー2号。
それぞれにダンとゲンが乗っている。
ゲンは回転しながらアトラー星人の胸に体当たりした。
まあ、弱点だからな。
ゲンはウルトラマンレオに変身した。
レオと対峙したアトラー星人は、エネルギー光球を投げつけられ爆発した。10秒も経たずに決着がついた。
散々煽った割に最後はあっけなく敗れたアトラー星人だった。

ダンの元にゲンが走ってくる。
「隊長ー」
「ゲーン」
ファイト一発アリナミンAみたいだ。

ナレーション「恐怖のアトラー星人は倒れた。しかしレオ、宇宙にはまだまだ恐ろしい敵がいる。 がんばれ、ウルトラマンレオ」

(昭和49年7月26日放映)