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2019/05/10

ウルトラマンレオ第24話『美しいおとめ座の少女』の感想

マッキー3号のオモチャを砂場で拾ったことがある。
ダイキャストのちょっと重いオモチャだ。
持ち主が取りに来ると思っていたが、一週間たってもそのまま置いてある。
TVでのMACの不甲斐なさに腹を立てて捨てたのかな。

第24話『美しいおとめ座の少女』

MAC基地。
「隊長、宇宙船です」
「何?かなりのスピードだな」
「このスピードでは、地表に激突します」と会話しているが、ただ見ているだけのMACの隊員達。
出動して地球に激突する前に何とかしたらどうだ。
東京の都心とかに激突されたらエライことだぞ。

案の定、どこかに激突した宇宙船は大破した。
炎の中で、宇宙船に乗っていたっぽい少女と老人がいた。
「おじいさま、大丈夫? おじいさま、しっかりして」

MACは宇宙船が墜落してから、墜落地点のBX003地区へ出動した。
遅いよな。
パトカーみたいにサイレンを鳴らして急行。
なんか大きな装置を背負った隊員もいるぞ。
でもこの隊員は取り立ててなにも見つけず、ゲンが金属片を見つけた。
「隊長、地球のもんじゃないですね」
「よーし、この地区のパトロールを強化しよう」
金属片どころか、宇宙船自体が地球のものではないんではなかろうか。

翌日、ゲンと佐藤隊員がマックロディーでパトロールしている。
病院では少女が往診を断られていた。
病院から出ても、病院を恨みがましく睨みつけている。
怖いな。
少女は走り出し、マックロディーの前に飛び出した。
慌てて降りるゲンと佐藤隊員。
何も言わずに行こうとする少女を、ゲンは呼び止めた。
「君、顔に泥が。これで拭きなさい、さぁ」
と言いながら白いハンカチを差し出すゲン。
少女はドロをぬぐうとハンカチを返し、どこかへ行ってしまった。
ゲンは道路に何かが落ちていることに気づいた。
「宇宙金属」
ゲンは少女を追おうとしたが、少女はもう見当たらない。
「おい、どうかしたのか」と佐藤隊員。
「いえ、何でもないです」
何でもないですって、なぜ秘密にした?
下心があるのか、ゲンよ。

夜の城南スポーツクラブ。
トオルやカオルや百子が帰った後、昼間の少女が現れた。
「お願いです。助けてください。おじいさまが死にそうなんです」
ゲンの職場を探していたのだろうか。
「君は、地球人じゃないね」とゲン。
視線を交わす二人。
間合いを測っているようだ。
「お願いです。助けてください。お願いします」
ゲンは少女についていくことにした。

「ここです」
そこには老人が寝ていた。
「おじいさま、しっかりして」
ゲンは老人の額に手をあてた。
「ひどい熱だ。早く病院に連れて行かないと」
だが少女は、地球人は信用出来ないと言って病院へは行きたがらない。
病院を色々回って、信用出来ない出来事があったのだろう。
ゲン以外は誰も自分の顔についた泥を指摘してくれなかったので、信用出来ないのだろうか。
「じゃあなぜ僕を」
「あなたは地球人じゃないわ。それに、いい人だわ。お願い。助けて。助けて下さい」
やはり、いい人の判断基準は顔についた泥のチェックなのだろう。
うら若き乙女の顔に泥がついたままなのに、誰も指摘してくれなかったのだ。
誰か言ってくれてもいいんじゃないの?と地球人に対して不信感を抱くのも無理はない。

「よし、出来るだけやってみよう。水を汲んできて」
「はい」
ゲンは少女と老人を看病した。
そして何とか峠は越えたようだ。
「もう大丈夫」と微笑むゲン。
ゲンのやったことと言えば、爺さんの額にタオルを乗せただけだ。
こんなことだけなら、少女一人でも出来るんじゃないか。

外に出て一休みする二人。
ゲンは昼間拾った金属片を取り出した。
「はい、落し物」
「あ、あなたが持ってたの。これね、おじいさまがお誕生日にくださったの」
ゲンはその金属片を少女の左胸につけた。
「よく似合う」
二人は笑いあった。
平和だな。
ゲンは夜空を見上げて言う。
「あ、綺麗な星空だ」
「綺麗ねー」
星空を見上げる二人。
「あなたの星はどれ」
「もう無いんだ。悪い星人に滅ぼされてしまった。君の星は」
「私の星はね、あれ」
少女が指差すと、星と星がキチンと線で結ばれておとめ座になった。
「私のふるさと、サーリン星は、おとめ座で一番美しい星でした。でもある日、おじいさまの作ったロボットが反乱を起こしたんです」
回想でロボットが暴れている。
「人々はみな殺され、サーリン星はおとめ座で一番醜い星になってしまいました」
「それで君達は逃げてきたの」
「ええ、でもきっと追いかけてくるわ。ロボットにはまだおじい様が必要なの」
「大丈夫。その時はMACが、いや僕が守る、守ってみせるよ」
「本当?」
「うん」
「いつかまた、美しいサーリン星にきっと帰れるわよね」
「ああ、帰れるさ」

シャワーを浴びているゲンのもとへ、トオルが映画の誘いに来た。
「悪い。今日はいけないんだ」とゲン。
シャワー室の外には百子とカオルがいる。
「おおとりさん行けないんだってさ」
「そう」
そこに口笛を吹きながらゲンが現れる。
「ねぇ、MACのお仕事?」
「えっ? ちょっとね」
仕事なら仕方がないと百子は言うが、あまりにも明るいゲンを怪訝に思わないのか。
どう見てもMACの仕事じゃないぞ。

浮かれて少女の元に向かうゲン。
「どうぞ、おおとり君じゃな。話は、あの子から聞いています」
出てきたのは老人で、ゲンはちょっとガッカリかな。
「お体、いかがですか」
「ああ、この分なら、あと十日もすれば起きれるじゃろう。これもみな、あなたのおかげだ」
「いやぁ、僕なんか。きっと、彼女の祈りが通じたんですよ」
そこに少女が花を持って現れる。
「おじいさま、あっ」
「やぁ」
「この花綺麗でしょー。河原に咲いてたのよ」
「ああ、いいにおいだ」
「このお花の名前何て言うの?」
「うん、これはね、野菊っていうの」
「野菊?まぁ、可愛い名前ね。サーリン星にもね、このお花にそっくりの花があったのよ。ねっ、おじいさま」などと喋っている時に、マックシーバーに連絡が入った。
「おおとり隊員、大至急本部に戻って下さい。また宇宙船です」
「宇宙船? はい、すぐ戻ります」
「ロボット警備隊だわ」
「とうとうここまで追ってきたか」
「おじいさま」
「ここは僕に任せて」
「しかし」
「大丈夫、きっと僕が何とかします。ですから、ここを動かないで」
「頼みます。私はもうどうでもいい。だが、この子だけは助けたい」
「おじいさま」
「いいかい、絶対ここを動いちゃダメだよ。じゃあ」

宇宙船と向かい合うマッキー2号とマッキー3号。
「命令するまで決して攻撃するな」とダンの命令だ。
ダンは宇宙船に呼びかける。
「宇宙船へ告ぐ。こちら宇宙パトロール隊、至急応答したまえ」
「我々はサーリン星ロボット警備隊だ。逃亡者を追ってやってきた。地球に危害を与えるつもりはない。逃亡者ドドルとカロリンを引き渡しなさい」
「ちくしょう。勝手なことを言いやがって。よし見てろよ」とゲン。
ダンの命令を無視して勝手に攻撃するゲンだったが、宇宙船からの光線で撃墜されてしまう。
「うわあっ、誰が攻撃しろと言った。墜落するぞ。早く脱出しろ」って、コントか。

「我々の力が分かっただろう。1時間だけ時間を与える。それまでに逃亡者ドドルとカロリンを連れてきなさい。さもなくば地球を破壊する」
我々の力が分かっただろうって、残念ながら分からないのだ。
地球に来る星人は誰もがMACには負けないからだ。
実力を測る物差しにはならないのだね。

MACの隊員達が集合している。
「命令を無視する奴があるか」とダン。
「すみません」
すみませんですんだらMACはいらないぞ。
いらないか。
「一刻も早くサーリン星人を見つけ出すんだ。分かったな」
地球の安全を守るため、サーリン星人をロボット警備隊に引き渡すというダンの考えに、「そんなひどい」とゲン。
ダン隊長はこの言葉で、サーリン星人をゲンが知っているらしいと察したようだ。
「ゲン、お前、サーリン星人の居場所を知っているな。知っているんだな。言うんだ」
「嫌です」そう言ってゲンは走り去る。

二人の下へ行くゲン。「ここは危険です。早く逃げて」
「しかし、おおとり君」
「事情を説明している暇はありません、さぁ、早く」
まあ、説明しなくてもわかるだろう。
ゲンは二人の避難をさせるが、途中でダンに見つかる。
「私はMACの隊長モロボシダンです。さぁ、急いで下さい。脱出用のロケットが用意してあります。ゲン、何をしてるんだ。早く二人をロディーに」
脱出用のロケットって、一体どこに脱出するのだ。
とりあえず地球から出ていけば、地球に危害は及ばないという考えなのだろうか。
そんな考えはないのかゲンは「はい。さあ早く」と二人を促した。
さすが隊長だなどと思っているのだろう。
しかし、途中で宇宙船に見つかり攻撃を受ける。
「隊長、二人を頼みます」
「分かった」
少女と老人を乗せロディーを走らすダン。
ゲンはウルトラマンレオに変身した。
宇宙船にとび蹴りするレオ。
宇宙船から手と足が生えてロボットに変身した。
パンチ、キックを連続で見舞うが全く効いていないようなロボット怪獣、ガメロット。
逆にガメロットのパンチ1発で吹っ飛んでダウンするレオ。
ガメロットは倒れたレオにストンピングの嵐だ。
そんな不甲斐ないレオの様子を見た少女カロリンは、ダンのマックガンを引き抜いて立ち向かっていく。
ウルトラマンレオがゲンだとわかっているのだろう。
「レオー、レオー」と叫びながら攻撃するが効果はない。
MACの兵器が役に立ったことはほとんどないのだ。
少女はロボットに変身した。
「少女カロリンはロボットだった」とナレーション。
ロボットが変身した姿が少女だったのだ。
少女は空を飛び、ガメロットの胴体にぶつかっていった。
それからのレオは大ハッスル。
ガメロットの手を引きちぎり、飛んで逃げようとした本体に投げつけた。
レオキックでガメロットの首を叩き落とした。
しばらく動き回った後、倒れて爆発するガメロット。

ナレーション。
「少女カロリンはロボットだった。彼女は宇宙からの逃亡者ドドル博士によって作られ、人を愛することを知ったアンドロイドだったのだ」
同じ博士に作られたとは言えガメロットは、人を愛することを知らなかったのかな。

夕暮れ。
カロリンの墓の前に老人とダンとゲンがいる。
「たとえアントロイドでも、この子は私の孫です。これからもずっと一緒にいるつもりです」
「じゃあ、ずっとこの地球で暮らすんですか」
「この子がここに眠っている以上、ここが私の故郷です。なぁ、カロリン」

でもロボット警備隊の目的が少女ではなく老人であるならば、ロボット警備隊が再び襲来するんではないだろうかね。

(昭和49年9月20日放映)


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