ウルトラマンレオ DVD VOL.5 |
今回登場のボーズ星人は海坊主からのネーミングか。
そのまんまだが、ボーズ星というのがあるということか。
安易なネーミングはウルフ星人、バットン、ボーズと続いている。
ウルトラマンレオの星人達は自分から名乗ったりしない。
「わたしは○○星人だ」なんて言わないのだ。
言うどころか、喋れるかどうかも疑わしい星人も多い。
なので星人の名前は地球人がつけたのだろう。
狼男っぽいからウルフ星人だとか海坊主だからボーズ星人だとか。
第19話『見よ! ウルトラ怪奇シリーズ よみがえる半魚人』
フェリーの上で輪投げをして遊んでいるトオルとカオル、見守る百子。百子の背後から肩を叩く白いシーツ姿のオバケ。振り返る百子が驚く。
「きゃー、おおとりさん、助けてー」
オバケに輪投げの輪を投げつけるトオル。
参った参ったと言いながら白いシーツを脱いだのはゲンだった。もう知らないとか言ってプンプンの百子。
北海道へフェリーで旅行中なのだ。
百子やトオル、カオルはともかく、MAC隊員のゲンはそんなに休暇が取れるのか。
ゲンは、北海道のおいしいものを並べていく。
とうもろこし、つぶ貝、ホッキ貝、ほたて貝、毛がに、にしん、鮭、ラーメン、最後に百子を指差して「じゃがいも」と言って笑うゲン。楽しそうだな。
場面は変わり、男が一人で釣りをしている。タバコに火をつけた途端に手ごたえあり。魚ではなく海坊主を釣り上げる男。
驚いた男は、近くにあった棒切れで海坊主を何度も何度も殴りつけた。動かなくなる海坊主。男、強い。
ゲン達は漁村に到着。
そこでゲンが一句、「東海の小島の磯の白砂に我泣き濡れてジャガイモとたわむる」と百子を見ながら。
「まぁ、言ったわね。もう」などと楽しそうな二人だが、そこにトオルとカオルを連れた男がやってくる。
この村の掟を守れと言う。
ここの海では魚を取ると『海坊主』が出るという言い伝えがあった。
以前に海坊主の怒りを買い、魚が捕れなくなったという。
「心配ないよ。おおとりさんはMACの隊員なんだよ。海坊主なんてイチコロだよ。そしたら魚が来るよ」と言うトオル。
MACの隊員なんだよと言うのは逆効果ではないのか。誰もMACに期待はしてないだろうし。トオルはMACに過度の期待をし過ぎだな。
MACの手にかかってイチコロの事件なんてあったか。
砂浜で馬跳びをしている4人。
そこにさっきのやり取りを聞いていたカズオがやってくる。
「お兄さん。お兄さんは本当にMACの人かい」
「ああ、君は」
「カズオって言うんだ。もし海坊主が現れたらやっつけてくれる?」
「海坊主って」
「心配ないよ。何てったっておおとりさんはすごいんだから。MACの中で一番優秀なんだぜ」とトオルが口を出す。
「こいつぅ」とゲン。
「そうかぁ、よかった」
そこにさっきの男がやって来た。
ゲン達を見張っていたのだろうか。
「あっ、おじさん」
「何でお前そんな事を聞きに来たんじゃ。はーん、お前のとこの父ちゃん、漁をしとるんじゃな」
「違う。違う。そんなことはしとらん」
「本当か。嘘を言うと承知せんぞ」
走って逃げて行くカズオ。
「待てー」
「待って下さい。どういうことですかそれは」とゲン。
「掟は掟じゃからな。守らにゃいかん」
どういうことですかってゲンは聞くが、漁をすると海坊主が暴れるって話だろ。
浜辺に倒れている海坊主。死んでいるのかと思いきや立ち上がって歩き出す。
「海坊主だ」と驚くカズオ。
昨晩男に殴られてから今までずっと気絶していたのだろう。全然強そうには思えないな。
慌てて家に帰ったカズオ。「父ちゃん、海坊主だ」
「なにぃ」
「俺見たんだ。浜で」
「そんなバカな。海坊主がこの世にいるはずがない。海坊主は俺が夕べ」
雷鳴が轟く。
「ほら、逃げた方がいいよ。早くにげないとやられちゃうよ」
そう言って一人だけ逃げ出すカズオ。そこに海坊主が来てカズオの両親を殴り殺した。
「助けてー、海坊主だ。海坊主だよー」
その声を聞いた村の人達は家の中に閉じこもった。カズオに襲いかかる海坊主。
そこへゲンが助けに来た。
格闘するゲンと海坊主。ゲンが優勢になり、海に逃げていく海坊主。
「父ちゃん、母ちゃん、母ちゃん、ううう」と泣いているカズオ。
カズオの父が昨日海坊主を殴って瀕死の重症に追い込んだのだ。それに比べるとゲンは甘いな。逃げられるとは。
MACが出動している。
住職から借りてきた巻物をダンに渡す梶田隊員。
巻物を受け取るダン。そこには海坊主の足跡が書かれていた。
「今から100年前にも同じ事件がこの村に起こったといい、現場に残っていた海坊主の足跡だそうです」
「これはボーズ星人のものに間違いない、夕べの足跡と比べてみろ」と指示を出すダン。
指示に従い調べに行くMACの隊員達。
そこに来たゲン。MACの制服に着替えている。
「隊長、この村の人達はひどい。自分達の仲間が目の前で殺されかかっているのに誰一人助けようとしないんです」
「お前は他人の力を借りて戦おうとしていたのか」
「違います。隊長、今日だって一人ぼっちになってしまったカズオ君に誰も同情すらしないんですよ」
「村の掟だ」
「冗談はよして下さい。そんな掟はなくしてしまうべきです」
「ゲン、お前は星人を逃がしてしまったんだぞ。お前のやるべき事はただ一つ」
「隊長」
「星人を倒す事だけに全精力を注ぎ込むんだ。それが容易でないことが今に分かる」
登場時には木の棒で殴りつけられていたし、さっきは素手のゲンが追い返した。ボーズ星人がそれほど強いとは思えないな。
MAC隊員達が戻ってきた。
「隊長、100年前の足跡と昨日のものが一致しました」
「そうか、海岸の海岸のパトロールを強化するんだ」
「はい」
「隊長、それよりMACの潜水艇を出動させたらどうかと」と言うゲン。
「いかん。村人達の反感をかうような方法は避けるんだ」
「そんな生ぬるい方法で奴を倒せるんですか」
「チャンスを待つんだ。星人は100年以上もここに住み着いて村人の心の中に入り込んでいる。いきなり現れた我々を信じ込ませることの方が、無理ってもんだ」
「おおとり、隊長の言うとおりだ」
「奴は伝説を隠れ蓑にして100年もの間、村人を騙し続けてきたんだ。なんて卑怯な奴だ」と興奮するゲン。
「落ち着くんだゲン。それより海岸のパトロールを強化して、立ち入り禁止にするんだ」
ダンに却下されたMACの潜水艇とはマックシャークのことか。
海の話であればマックシャークが出てきてもよさそうなものだ。
結局マックシャークはこの後の回でも出番がなかった。
マックシャークといいマックモールといい、なぜ出さなかったのだ。
出てくるのはいつもマッキー2号と3号ばかりで、いつも撃墜されて終わり。
こんな撃墜されてばかりのオモチャは売れないだろうな。
トオルとカオルと一緒にいるカズオ。
カズオは海坊主をやっつけるという。
海に出ようとする男と妻。
漁をするわけではないから平気だと男はいうが、ボーズ星人は再び現れた。
男の妻を殺し男にも襲いかかる。カズオのヤスが突き刺さるが平気だ。
ゲンが飛び蹴りで助けに入る。
他のMAC隊員達の銃撃でボーズ星人は海へ逃げていった。
登場時には木の棒で殴られていたボーズ星人だが、銃撃には耐えているのだな。
「すまん。すまなんだ。海坊主の奴、何もせんわしらにまで手を出しよる。 頼むMAC衆、女房の仇を討ってくれ。舟でも何でもいるものは使ってくれ」と男。
舟に乗り込もうとするMAC。そこにダンが来た。
「待て。星人は再び現れる。大至急住民を避難させるんだ」
「はい」
ゲンも行こうとするがダンに止められる。
「ゲン、お前は残れ。星人は今度は巨大化する。そのために必ず倒さねばならん。お前のためにも、MACのためにも失敗は許されん」
「はい」
「俺について来い」
「肉を切らせて骨を切るという言葉がある。それがこれだ」
ダンはいきなりゲンに鞭を打ち付けた。ゲンは逃げていたが、鞭を巻きつけられた。
「俺が星人だったら、今頃お前は死んでいただろう」
鞭を解いたダンは言った。
「今度はお前が俺を打ってみろ」
「隊長」
「いいから打ってみろ」
今度はゲンが鞭を持ち、ダンを巻きつけた。反対にダンはゲンを巻き込んで吹っ飛ばした。
「お前が星人だったら、あの星人に勝つ方法はこれだ」
その時、ダンに星人出現の連絡が入った。
久しぶりの特訓シーン。いや、特訓というよりは技の伝授か。闇雲に特訓するのではなく、こうするのだというだけのダン。
ゲンの成長を見て取って、いちいち特訓しなくてもいいと判断したのだろうか。
ダンの言葉通りボーズ星人は巨大化していた。
マッキー2号、3号が飛んで来て攻撃を開始した。2号は鞭で撃墜される。3号が撃墜されたシーンはないがその後出てこない。逃げたのだろうか。地上の隊員達も苦戦する。
まあ、いつものMACだ。海坊主をイチコロになんか出来ない。
ゲンはウルトラマンレオに変身。
いつもとは違い稲妻みたいな光線が集まって出現するレオ。カッコイイが、出現と同時にいきなり首に鞭を巻いている。
レオとボーズ星人の格闘。
ボーズ星人の放つ鞭に自分から巻きつき近づくと、鞭になっている右腕を切断。
レオはボーズ星人を持ち上げグルグル回してぶん投げた。
倒されたボーズ星人は白骨となって立ち上がるが、力尽きて崩れ落ち大爆発した。
ウルトラ怪奇シリーズではあるが、あんまり怪奇ではない。北海道シリーズの方に重点を置いているのだろう。
(昭和49年8月16日放送)
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